2022年1月27日木曜日

27- 岸田首相が「検討」を多発/“聞くだけ”の首相では中小事業者が潰される

 霞が関文学では、「役人が『検討します』『前向きに対応しますなどというのは、検討はするけど具体的な対応はしないという意味」といわれています。聞く人に期待を持たせてその場を無難に切り抜けるという役人の悪知恵なのでしょう。しかしいくら国民に対して直接の責任を負わない? 官僚であってもそれは許されないことであるし、まして国民に直接の責任を負うべき政治家がそれであってはなりません。一国の首相であれば尚更です。「検討する」の上に、尤もらしい修飾語句をつけたとしても同じことです。
 共産党の小池晃書記局長は、首相が「あらゆる選択肢を排除せず、さまざまな意見に耳を傾け、これからも検討したい」との答弁を多用していると指摘しました。「ぬかにクギ、豆腐にかすがい、のれんに腕押し」とも。
 立憲の山井和則衆院議員は、「検討、検討で決めない。この危機に必要な、スピードと決断が決定的に欠けている」「検討と言っている間に事態は逼迫している」と述べました。
 既にオミクロン株のまん延で34都道府県に「まん延防止等重点措置の適用が決まりました。医療は事実上崩壊しています。第5波が沈静してようやく通常の経営に戻れると思ったのも束の間で、経営体力のない中小・小規模事業者はますます苦境に追いやられます。いま岸田首相に必要なのはそうしたデタラメの「霞が関文学」などではなく、追加の経済対策を打つことです。
 別掲の記事のように、岸田氏は安倍晋三氏と同様、米国に対しては様々にオベッカを使って、更に巨額の予算を要する協力を申し出て「優等生」を演じているのに、何故国内のことになるとそれとあまりに対照的なのでしょうか。
 毎日新聞と日刊ゲンダイの記事を紹介します。
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岸田首相、国会論戦で「検討」多発 野党は批判「ぬかにクギだ」
                             毎日新聞 2022/01/26
 岸田文雄首相が初めて臨む通常国会で論戦が本格化する中、野党から首相の説明責任への批判が相次いでいる。政権発足から100日が過ぎる一方、新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の感染が拡大。野党から「首相の答弁は『対応を検討する』ばかり」「ぬかにクギだ」との声が上がる。ただ、内閣支持率が堅調な政権に対し、野党が攻め手を欠いているのも実情だ。
 「コロナ対策も『新しい資本主義』の経済政策も、首相は(答弁が)あいまいで朝令暮改を繰り返し、非常に問題だ」。立憲民主党の泉健太代表は25日の幹部会でそう強調した。日本維新の会の藤田文武幹事長は26日の記者会見で「話を聞く姿勢には共感する」とする一方、「キャッチフレーズが先行して中身がなく、統治能力を疑う。対応の遅れで国民も自治体もしわ寄せを食う」とクギを刺した。
 25日の衆院予算委員会では、首相は中小企業への持続化給付金拡充を問われ、「さらなる対策が必要かどうかしっかり考えたい」と答弁。立憲の山井和則衆院議員は「検討、検討で決めない。この危機に必要な、スピードと決断が決定的に欠けている」と反発した。濃厚接触者の待機期間短縮についても、山井氏が「検討と言っている間に事態は逼迫(ひっぱく)している」と迫り、首相が色をなして「問題意識を持って努力を続けてきた」と反論する場面もあった。
 共産党の小池晃書記局長は、首相が「あらゆる選択肢を排除せず、さまざまな意見に耳を傾け、これからも検討したい」との答弁を多用していると指摘。「どっちつかずだ。ぬかにクギ、豆腐にかすがい、のれんに腕押しで国民は不安になる」と批判した。【田所柳子、古川宗】


岸田“聞くだけ”首相に中小事業者が潰される…
     加速する「オミクロン倒産」放置の非情
                          日刊ゲンダイ 2022/01/26
 「国民の声を聞く」がウリじゃないのか。政府は25日、まん延防止等重点措置の適用地域を34都道府県に拡大することを決定。経営体力のない中小・小規模事業者はますます苦境に追いやられるのは必至だ。それなのに、岸田首相は追加の経済対策を打つそぶりすら見せない。このままオミクロン破綻ラッシュを放置するのか
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 東京商工リサーチ(TSR)によると、昨年の倒産件数(負債総額1000万円以上)は6030件。57年ぶりの低水準に収まったものの、当事者や弁護士が「コロナが要因」と認めた「新型コロナ関連の経営破綻」は悲惨だ。昨年は1718件に達し、一昨年(843件)の2倍超。今年に入ってからもコロナ関連破綻は25日までに80件に上り、前年同期の70件をすでに上回った。
 「昨年秋から年末にかけて毎月、最多を更新。コロナ禍で業績不振が長期化し、政府の支援効果が薄らいできたタイミングでした。それでも、いったんは感染状況が落ち着き、企業が再建を考え出したところに第6波が襲来してしまった。今後、先行きを見通せずに資金調達を断念する『あきらめ型』の経営破綻が本格化しそうです」(TSR情報本部長の友田信男氏)
 感染爆発で加速する“オミクロン倒産”ラッシュに、政府が一刻も早く打つべき手は事業支援の拡充だ。今月31日から新たに創設された「事業復活支援金」の受け付けが始まるが、肝心の中身は“焼け石に水”。前身の「持続化給付金」から手厚くなるどころか、“ダウングレード”である。

個人事業者への支給額は半額
 復活支援金は中小事業者が対象で、昨年11月~今年3月のいずれかの月の売上高が過去3年間と比較して30%以上減少が受給条件。売上高に応じて法人は最大250万円、個人事業主は同50万円を受け取れる。法人に最大200万円、個人に同100万円給付の持続化給付金に比べ、個人への給付額は半減。法人も給付対象のボリュームゾーンである「売上高5億円以下」は50万~100万円減だ。
 25日の衆院予算委員会で、立憲民主の山井和則議員が岸田首相に「上限額の倍増を決断いただきたい」と迫ったが、岸田首相は「(支援は)手厚いものになっている」などとノラリクラリ。事業者がどれだけ不安を感じているかと山井氏が訴えても、「更なる対策が必要かどうか、しっかり考えていきたい」と“暖簾に腕押し”だった。改めて山井氏がこう指摘する。
「復活支援金が政府の具体案として出てきたのは、野党が持続化給付金の再支給法案を提出した昨年3月から8カ月後のこと。再支援が実現したのはいいとしても、昨年12月に成立した補正予算に盛り込まれた事業なので、オミクロン株の感染拡大や重点措置といった今の状況は考慮されていない。つまり、岸田政権は第6波に対する追加の経済対策をしていないのです。ただでさえ持続化給付金よりも上限額が減っているのだから、今の状況を勘案して給付額を上積みするのが当然だと思いますが、岸田首相は『検討する』ばかりで決めようとしない。国のトップに必要な決断力やスピード、具体策に欠けると言わざるを得ません」

 壊れたレコーダーのように「検討する」と繰り返す岸田首相はもはや、国民の苦境を放置しているに等しい。「聞くだけ宰相」には、サッサとご退場願いたい。