国民党と都民ファーストの合流問題は15日に取り上げたばかりですが、LITERAに「 ~ 国民民主党・玉木雄一郎が節操なさすぎ! 都民ファースト、維新、ネトウヨに媚び、安倍応援団の上念司に出馬要請まで … 」という記事が載りました。
それによると都ファとの合流話の背景には「連合」の存在があり、昨年の都議選で連合東京は都民ファーストと政策協定を結び、一部の選挙区で候補者の支援に回っていたということです。都ファといえば極右の小池都知事が顧問をしています。それを連合が支援するとは一体どういうことなのでしょうか。そのこともあり玉木氏は早速12日に、連合の芳野友子会長に参院選で都民ファーストとの統一候補擁立を伝達していたということです。そうであれば芳野氏の意には適うのかも知れません。
もともと「希望の党」の騒ぎでは、玉木氏は、小池都知事が「安保法制(戦争法)の容認」という参入の条件を持ち出したのに、一も二もなくそれを呑んだり、国会では「国会会期中は週1で憲法審査会を開く」という維新の会に同調したする一方で、たまには野党党首らしい発言もしたりと、まったく掴みどころのない人間です。
LITERAは、「ずっとこの調子で、(玉木氏は)衆院選後には百田尚樹氏に接近しようとしたり、はたまたネトウヨデマの発信源となっている加藤清隆氏がMCを務めるなどしている「文化人放送局」に出演して高橋洋一氏と対談するなど、節操もへったくれもなくネトウヨに媚を売りまくっている」と述べています。
彼については、捉えどころがないというよりも取り柄がないという方が相応しいのでしょう。
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「希望の党」騒動の反省は? 国民民主党・玉木雄一郎が節操なさすぎ! 都民ファースト、維新、ネトウヨに媚び、安倍応援団の上念司に出馬要請まで…
LITERA 2022.01.14
節操がないとはまさにこのことだろう。昨日13日、複数のメディアが「国民民主党が『都民ファーストの会』と近々合流」「参院選で統一候補を擁立する」と報道した件だ。
実際、昨日おこなわれた玉木雄一郎代表の会見には、「都民ファーストの会」の荒木千陽代表も並んで参加。玉木代表は合流について明言は避けたが、「いろんな連携について検討している」と語ったように、もはや流れは出来上がっているらしい。
言わずもがな、都民ファーストは2017年に小池百合子・東京都知事が立ち上げた地域政党で、同年の都議選で旋風を巻き起こして圧勝。玉木氏は、この波に乗ろうと同年に小池氏が立ち上げた国政政党「希望の党」に民進党から合流したひとりだ。だが、希望の党をめぐっては、民進党との合流のなかで小池氏がリベラル派の「排除」を打ち出したことで分裂が起こり、希望の党は総選挙で大敗。選挙後は玉木氏が小池氏とともに共同代表に就任したものの、小池氏が電撃辞任するなど波乱の連続で、2018年に合流・分党を経て国民民主党(旧)の代表となった経緯がある。
そして、今回の都民ファーストとの合流でも見え隠れするのが、「小池人気にあやかりたい」という玉木氏の下心だ。
昨年の都議選では当初、都民ファーストは惨敗するという見方が強かったにもかかわらず、過労で入院するなどしていた小池氏が選挙戦最終日になって候補者の激励に走るという“土壇場の小池劇場”を展開。大幅議席減という予想をはねのけて微減にとどめるという小池氏の意地が発揮されたが、玉木氏がこの小池人気に頼ろうとしているのはミエミエ。実際、「NEWSポストセブン」は“合流によって小池氏が党の最高顧問に就任するとみられている”と伝えており、国民民主党の幹部も「小池氏ほど票が取れる人は他にいない」と語っている(朝日新聞13日付)。
まったく呆れるほかないだろう。「排除」発言からも明白だったように、小池氏は希望の党の立ち上げで「打倒安倍政権」を打ち出しつつも実際にはリベラルの分断を図り、維新と同様、極右政党として自民党の補完勢力を目指していた。こうした分断策にまんまとハマったことが野党の弱体化につながったというのに、玉木代表はまたも小池氏の力で巻き返しを図ろうというのだ。無論、自民党の補完勢力に成り下がるのは火を見るよりもあきらかだ。
しかも、この合流話の背景には、国民民主党と立憲民主党にとって最大の支援組織である日本最大の労組中央組織「連合」の存在も大きい。というのも、昨年の都議選で連合東京は都民ファーストと政策協定を結び、一部の選挙区で候補者の支援に回っていたからだ。当然、玉木氏の動きは早く、12日には連合の芳野友子会長に参院選で都民ファーストとの統一候補擁立を伝達しているという。
デマ拡散常習のネトウヨ文化人・上念司に「参院選に出て」「供託金出します」
連合初の女性会長となった芳野会長は会長就任以来、「共産アレルギー」をむき出しにして野党共闘を批判、立憲に「共産党と決別すべき」と迫りつづけているが、そうしたなかで玉木氏は、連合にとっても都合の良い都民ファーストとの統一候補擁立という芳野会長のご機嫌取りに勤しんでいるというわけだ。
いや、玉木代表のご機嫌取りは、連合に対してだけではない。なんと、極右界隈にまで尻尾を振ろうと、最近もネトウヨ文化人に対して「選挙に出ていただきたい」などとラブコールを送ったばかりなのだ。
それは1月11日放送の『上泉雄一のええなぁ!』(MBSラジオ)に玉木代表が電話出演した際のこと。同番組には火曜レギュラーとして安倍応援団のネトウヨ経済評論家である上念司氏が出演しているのだが、番組中、玉木代表はこんな発言を繰り返したのだ。
「上念さんが、やっぱり国民民主党で出馬していただくのが一番」
「上念さんに参院選挙に出ていただきたいですね」
「供託金、全部出します」
「全国比例で出るってことが一番」
言っておくが、上念氏といえば安倍晋三・元首相と対談するなど安倍政権を応援したり、『NEWS23』(TBS)で安保法案の危険性を指摘していたアンカー・岸井成格氏を番組降板に追いやった圧力団体「放送法遵守を求める視聴者の会」の設立にも参画(現在は内紛の末に「放送法遵守を求める新・視聴者の会」に改称)したり、加計問題の際には「モリカケは朝日案件」「(前川喜平氏は)嘘つき」などと断言するだけではなく、文書を作成した文科省職員についてのあきらかなデマをSNSやラジオ番組で垂れ流してきたような人物。さらに、コロナ初期に『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)に頻繁に出演し、PCR検査を拡大させることの重要性を説明してきた大谷義夫医師のデマを拡散。ネトウヨが大谷医師の病院に電凸攻撃をおこなったことにより、大谷医師はテレビ出演を控えざるを得なくなってしまうという事態にも発展した(詳しくは既報参照→ https://lite-ra.com/2020/07/post-5503.html )。
ところが、玉木氏はこのようにデマを垂れ流してきた安倍応援団のネトウヨ文化人に対し、「国民民主党で出馬していただくのが一番」「参院選挙に出ていただきたい」「供託金、全部出します」などと公の場でラブコールを送ったのだ。たとえ本人にとっては冗談だったとしても、デマ屋に「出馬して」なんて、笑い話にもならないものだ。
自民・維新の改憲ゴリ押しにも賛同の動きを見せる国民民主・玉木雄一郎
しかし、玉木代表は最近、ずっとこの調子で、衆院選後には百田尚樹氏に接近しようとしたり、はたまたネトウヨデマの発信源となっている加藤清隆氏がMCを務めるなどしている「文化人放送局」に出演して高橋洋一氏と対談するなど、節操もへったくれもなくネトウヨに媚を売りまくっている。しかも、ネトウヨ界隈では内ゲバが頻発していることをよくわかっていないのか、玉木氏が全方位にいい顔をしようとした結果、百田氏の怒りを買うというダサいにも程があるみっともない有様になっているのだ。
いや、玉木氏はたんにネトウヨに媚を売っているだけではなく、自身もネトウヨめいた発言をおこなっている。たとえば、東京都武蔵野市が提出していた外国籍の住民にも住民投票の参加を認める条例案が否決された際には、「こういうことが(外国人に対する)地方参政権の容認につながっていく。否決されて安心したというのが率直な思いだ」「憲法に外国人の権利をどうするのかという基本原則が定められておらず、ここが一番の問題」などと発言。極右と見紛う排外主義と人権意識のなさをあらわにした。
さらに、玉木代表は維新とも距離を縮めているが、昨年末の臨時国会でおこなわれた衆院憲法審査会では、維新や自民といった改憲勢力と軌を一にし、「緊急時に任期の特例を定める議論は速やかにおこなう必要がある。感染が抑えられているいまだからこそ、国家統治の基本的な在り方を静かな環境で議論していきたい」などと緊急事態条項の創設に同調。玉木代表は衆院選直後に「憲法審査会では維新と国民民主党は緊急事態条項の創設を強く主張してきた」とするTwitterユーザーの投稿に対し、わざわざ〈緊急事態条項はそうでもないですよ〉と返信していたにもかかわらず、だ。
そもそも、玉木代表が失敗の反省もなくまたも頼りにしようとしている小池百合子も、関東大震災時の朝鮮人虐殺の史実否認でも明らかなように、極右、ヘイト肯定の歴史修正主義者であり、弱肉強食の新自由主義者にすぎない。しかも、希望の党への民進党合流騒ぎの際、小池氏は公認申請者に安保法制の容認といった「踏み絵」となる政策協定への署名を要求したが、玉木氏は安保法案を「戦争法案」と呼んで反対していたにもかかわらず踏み絵を踏んだ。もし、あの踏み絵を踏んだことを安保法制に反対してきた市民に対する裏切りだったと心苦しさを抱えているのならば、都民ファーストと合流するなどという行動には出ないだろう。
失敗を失敗と認識もできず、またも自身の保身のためには野党の弱体化も厭わず自民の補完勢力に回ろうという玉木代表。「野党共闘の崩壊」というより、むしろ市民の裏切り者がはっきりとして清々した、と言うべきだろう。(編集部)