2022年1月28日金曜日

「口だけ先手」政権 ワクチンも検査キットも絶望的惨状

 岸田首相は言葉は滑らかですが、肝心の実行が伴っていません。「先手、先手」は、このところの政権が得意とするセリフになっています。しかし口先だけではどうにもなりません。

 ようやく自治体が無料のPCR検査や抗原検査を行うようになりましたが、たちまち肝心の試薬が品切れになりました。これでは満足な検査は出来ないし、その影響は医療機関にも及んでいるということです。
 オミクロン株が欧米で猛威を振るい出してから、日本を襲うまで1カ月ほどの遅れがあったのに、岸田政権はまったくそれを生かさずに、試薬メーカーに増産を働きかけていなかったのでした。
 デルタ株起因の第5波はなぜかある時点で急速に鎮静に向かいました。そのときはワクチンの接種が同時並行的に普及しましたが、それが原因であったのかは良く分かっていません。
 オミクロン株については、3回目の接種を高率で行ったエスラエルでも蔓延が治まらないのを見ると、日本で遅れている3回目の接種が仮に普及したとしても、それによって感染拡大を防止出来る見込みはありません。
 そうであれば海外に比較して桁外れに貧弱な検査体制のままの日本が、この先どう対応しようというのでしょうか。岸田政権は口先では「先手、先手」と言いながらその実態は「後手、後手」そのものでした。
 日刊ゲンダイが「『口だけ先手』政権 ワクチンも検査キットも絶望的惨状」とする記事を出しました。
 併せて同紙の、「ワクチン3回目接種が進まない『もう一つの理由』…医療従事者すら副反応リスクを懸念」の記事を紹介します。
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<このままでは菅前政権と同じ道>
「口だけ先手」政権 ワクチンも検査キットも絶望的惨状
                         日刊ゲンダイ 2022/01/27
                       (記事集約サイト「阿修羅」より転載)
 「1、2回目の接種タイミングが各国と比べ遅れてしまった。間隔を空けて行わなければならないため、3回目接種がオミクロン株の感染のピークと重なってしまった」
 新型コロナウイルスワクチンの3回目接種率の低迷は「菅前政権のせい」と言わんばかりだ。26日の衆院予算委員会で立憲民主・江田憲司議員の質問への岸田首相の答弁である。
 3回目の接種率は26日時点で、たった23%。OECD加盟38カ国で最下位のまま。政府は1月末までに高齢者ら約1500万人の接種を終える計画のはずが、現状は290万回弱にとどまる。遅い、遅すぎる。
 予算委で江田が「もうオミクロンのピークは来週、再来週来るんですよ。シャカリキに打っても間に合わない」と迫っても、岸田は「しっかりと現実を受け止めて、ワクチン接種をしっかりと進めていかなければならない」と相変わらずノラリクラリ
 その上、ウスノロ接種の責任を菅前首相に押しつけるとは、ハッキリ言って首相失格だ。
 岸田の「間隔を空けて」という言い訳も通じない。欧米各国は3回目の間隔をガンガン縮めてきたではないか。昨年11月に岸田が「原則2回目から8カ月以上」の方針を掲げた際、参考にしたという米国はとうに9月には、高リスク層を8カ月から「6カ月」に切り替え。ワクチンの感染予防効果の経時的な低下を踏まえた判断だった。
 その後、11月下旬に南アフリカで従来株とは比べものにならない伝播力を持つオミクロン株が確認されると、多くの国が接種を加速させ、イギリスは2回目との間隔を6カ月以上から3カ月に、フランスも6カ月を5カ月に短縮。日本だって当然できたはずだ。

ノーガードで突き進むグズでのろまなカメ
 ようやく岸田が具体的な間隔を示して「前倒し」を表明したのは、12月17日のこと。
 それも「6カ月後」は医療従事者らに限定。やっと64歳以下の一般の人に対し従来の1カ月前倒しを決めたのは、年が明けた今月13日だ。この間、フランスはさらに3カ月以上に、米国も5カ月に短縮した。
 26日の予算委で後藤厚労相は「当初8カ月の議論をしていたときには、オミクロン株の流行は進んでいなかった」とバカなことを言っていたが、当時から冬になれば第6波が来る可能性を多くの専門家が指摘。
 オミクロン株が欧米で猛威を振るい出してから、日本を襲うまで1カ月ほどのタイムラグがあったのに、岸田政権はまったく生かそうとしなかった
 今やノーガードで国民を危険にさらし、死者数も今月中旬から、みるみる増加。25日は全国で計43人が報告され、死者40人超えは昨年10月8日以来だった
 今後も増加傾向が懸念され、重症化を抑える「武器」がないまま、「丸腰」で感染大爆発に突入すれば、オミクロン株は「軽症で済む」などと言っていられなくなるのではないか。
「いくら従来株より重症化リスクが低くとも、強烈な感染スピードで分母の感染者数が倍々ゲームで増え続ければ、死者や重症者の数が跳ね上がる。返す返すも、なぜ岸田政権は感染が落ち着いていた昨秋から全力でワクチン供給に取り組まなかったのかと悔やまれる。発足から約3カ月、何もしてこなかった政権には危機感がなかったとしか思えません」(西武学園医学技術専門学校東京校校長の中原英臣氏=感染症学)
 思わず岸田には「グズでのろまなカメッ!」と言いたくなる。

「後手」を批判された前政権と何も違わない
 恐らく岸田には菅政権の“トラウマ”があるに違いない。菅自ら「1日100万回接種」と自治体をせかしながら、予定量が確保できておらず、各地で大規模接種が止まる混乱を招いた。
 菅政権は新型コロナの判断と対策の誤りで支持を失ったとみる岸田にすれば、二の舞いはゴメン。だから、必要量のワクチンを確保するまで、前倒しを渋ったようにも映る。それで政権延命を図っても、国民の命を救えなければ意味はない。
 ワクチンが足りないなら、米ファイザー社や米モデルナ社のトップと直談判し、米国流にカネや法律を駆使して輸入前倒しを求めるべきだ。それこそ、安倍政権時代に4年8カ月も外相を務めた経験を生かすチャンスでもある。なぜ、もっと早く独自の外交パイプを使い、ワクチン企業をせっつかなかったのか。それとも、戦後歴代2位の在任期間は単なる“名ばかり外相”だったのか。
 結局、岸田は感染急拡大に背中を押され、見切り発車で3回目を前倒し。ワクチンの十分な調達と供給がままならないのか、全国知事会が求める「配分計画の早期提示」に十分に応えない。
 ワクチンはいつ、どれだけ届くのか。必要なタイミングで十分な量を確保できるのか。ただでさえ、各自治体とも接種券の発送や打ち手の確保などで多忙を極めるのに、主にファイザー製を使った昨年と違って、交差接種でモデルナ製も扱わなければいけない。温度の管理も違えば、1人に打つ量も異なる複雑な作業に不安の声が上がっているが、「聞く耳首相」はこうした声に応えようとしない。
 こうして、また2年前からの課題だった「国と自治体との連携」「正確で的確な情報発信」が、崩壊してしまった。おかげで国民の多くは接種券の発送時期や接種の段取り、副反応の広報など何も知らされていないのだ。

失策続きの官僚と学者の言いなり
 検査キットの品薄も深刻で、無料PCR検査の予約はビッチリ。先着順の会場は寒空の中、どこもかしこも朝から長蛇の列だ。
 1~2日で出ていた結果判明が数日かかり始め、一部の医療機関ではPCR検査に使う試薬も底をつきかけ、近隣の医療機関同士で融通し合うケースも出ている。
 この首相は昨年から一体、何を備えてきたのか。第6波到来時に“検査難民”を想定して対策を練らなかったのは間違いない。やたら「先手」や「メリハリ」を多用するクセに、準備不足は明らかで「メリ」も「ハリ」もありゃしない。前出の中原英臣氏が言う。
「最悪なのは、感染者の同居家族などの濃厚接触者が発熱した際、医師の判断で検査せずに感染を診断するようにしたこと。検査で感染が判明してこそ初めて適切な診断や治療が施せるのに、医師にどうしろというのか。政府分科会の提言を踏まえた措置ですが、これまで彼らが効果ある対策を一つでも打ち出しましたか? 尾身会長も『人流抑制でなく、人数制限がキーワード』と言って混乱を招くなど失策続き。揚げ句に『不織布マスクを鼻まで着けて』と誰もが知っている“対策”を打ち出すだけですから、お話になりません」

 国際便の停止や濃厚接触者の大学受験不可などの方針転換も、拙速な決定を覆しただけの朝令暮改。岸田は施政方針演説で「躊躇なく改め、柔軟に対応を進化させる」と誇ったが、官僚の慎重さに欠ける政策に一度はうなずく方が問題だろう。「国民の不安はパッと消える」というアベノマスクの提言以来、ロクなことのない官僚の具申を丸のみするだけで、リーダーシップはゼロだ。
「後手を批判された菅前政権と同じ轍は踏むまいと、『常に最悪の事態を想定した危機管理』を常套句にしながら、ワクチンも検査キットも絶望的惨状です。感染が穏やかだった昨秋から派閥闘争にかまけたツケで、前政権と同じ道を歩み出すとは皮肉な話です」(政治評論家・本澤二郎氏)
 26日時点で東京都の病床使用率は428%。国への緊急事態宣言を要請する目安の50%到達は、時間の問題だ。
 備えを怠り、もう一度、緊急事態なら内閣総辞職モノ。いっそ岸田は発令と同時に潔く辞任して、菅との違いを示せばいい。


ワクチン3回目接種が進まない「もう一つの理由」…
        医療従事者すら副反応リスクを懸念
                         日刊ゲンダイ 2022/01/27
                       (記事集約サイト「阿修羅」より転載)
「全然進んでいないじゃないか。もっと加速できないのか」
 新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の感染拡大が続く中、政府が旗を振る「ワクチンの3回目接種」が遅々として進んでいない。首相官邸のホームページによると、「ワクチンの3回接種完了者」は25日時点で接種率21%にとどまり、岸田首相は執務室で苛立ちを募らせている、と報じられた。
 接種遅れの要因は、ワクチンの在庫不足や自治体の供給体制の不備などが指摘されているが、それだけではないらしい。
「オミクロン株」は極めて感染力が強く、3回接種しても「ブレークスルー感染」を引き起こす人がいるという。そのため、ネット上では、<あの2回目接種後のすさまじい悪寒と高熱を振り返ると、もう打ちたくないな。だって、それでも感染するかもしれないんでしょ><イスラエルみたいに3回打っても感染者数は減らない。もはや今のワクチンを何回打っても意味がないのでは……><政府はずっとワクチンを2回接種すれば、マスクがいらない生活になる。重症化を防ぎ、周りの人に感染させる恐れもなくなる、と言っていたはず。あれから何も変わらず、また? では敬遠する人もいるでしょう>などと、一般市民の間には3回目接種に対する懐疑的な見方が少なくない。
 さらにネット上で<やっぱりね>との意見が出ていたのが、読売新聞の1月26日の記事「3回目接種、想定の16%どまり…高齢者の意思確認難航・医療従事者は副反応懸念」だった。
 3回目接種の対象者は現在、医療従事者や高齢者らだが、記事は、<医療従事者の間では、副反応による診療への影響を心配して接種を控える動きも出ている>と報じていた。医療従事者は急増する「オミクロン株」の感染者に対応するため、医療体制を維持するためにやむを得ず、ワクチンの3回目接種を見送っていると考えられるとはいえ、ネット上で散見される通り、<ほらね。医療従事者すらメリットよりもリスクを懸念しているということでしょ?>とも受け取れるからだ。
 3回目接種に対する考え方は、ワクチン肯定派、否定派に関係なくさまざまある。米製薬大手ファイザーは25日、「オミクロン株」に特化したワクチンの臨床試験を始めたと発表したが、新型コロナをめぐる「ワクチンvsウイルス」の戦いは一体、いつまで続くのだろうか。