2022年1月8日土曜日

沖縄・山口・広島3県のコロナ感染拡大 “米軍由来”は明らか

 新型コロナの新規感染者数が急上昇しています。

 直近5日間の全国、東京都、大阪府における新規感染者数は下表のとおりで、いずれも指数関数的に急増しています。
        直近5日間の新規感染者数増加

 

 

新規感染者数 [人]

 

 

 

東京都

大阪府

 

1月3日

673

103

79

 

1月4日

1151

151

124

 

1月5日

2491

390

244

 

1月6日

4301

641

505

 

1月7日

6241

922

676

 新規感染者数の週平均値の対前週比を、全国、東京都、大阪府、それに「まん延防止等重点措置」が適用される広島県、山口県、沖縄県について示したのが左下の表です。
 全国、東京都、大阪府は全て前週の4倍を上回り、広島県、山口県、沖縄県は、実に10倍~37倍に達しています。
 この3県の増加率が際立っているのはオミクロン株が優位になっているためで、それは米兵によって持ち込まれたものです(広島県には米軍基地はありませんが、山口県の東端の岩国市と県境が接しているため、岩国基地の米兵による直接、間接の感染によるものと推定されます)。
      週平均新規感染者数 対前週比         新規感染者数 倍化日数

 

全 国

4・86

 

広島県

36・67

 

沖縄県

1・3

 

東京都

4・48

 

山口県

14・30

 

大阪府

1・7

 

大阪府

4・57

 

沖縄県

10・86

 

東京都

1・9

 また、沖縄県、大阪府、東京都における、新規感染者数が2倍になるのに要する日数(倍化日数)を右上の表に示します。いずれも2日以内に倍化するという最悪の事態に入っていることを示しています(上記の表はNHKのデータによる)。
 政府分科会のメンバーの舘田一博教授は、現在の感染状況について、「1~2日で新規感染者数が倍になり、増幅していく感染が広島、山口、沖縄で見られている他、全国のレベルでも見られているので、全国的に感染拡大の第6波に入った」という見方を示しています。

 共産党の志位委員長は6日、会見し、沖縄、山口、広島3県での新型コロナウイルスの感染急拡大は「“米軍由来”であることは明らかだ」として、日米地位協定の抜本改正とともに、米国に対して米軍人・軍属の入国停止や外出禁止を含む具体的措置を求めるよう政府に強く要求しました。
 米軍関係者は「日米地位協定」に基づき検疫の対象外となっていますがそれを良いことに昨年9月から年末まで、ずっと出国時のPCR検査することなく日本に入国し続けていた上に、基地から市街地への出入りもフリーパスにしていました。そうであればオミクロン株が蔓延している米国から大々的にオミクロン株が日本国内に流入したのは明らかです。

 こんなデタラメは、米軍基地を提供している他のドイツ、イタリア、オーストラリア、韓国などでは見られず、ただ一国 日本だけです。極悪非道の米国であり、米軍だというべきです。
 6日の日テレNEWS24によれば、この期に及んでも岸田首相は日米地位協定の改定について、「日米地位協定の改定等は考えていない」と明言し、沖縄県などでの感染拡大の原因在日アメリカ軍ではないかとの指摘については、「アメリカ軍側の解析の結果を待っているところであり、現時点で断定するのは難しい」と述べました。

 なんという「腰抜け」なのでしょうか。極悪非道の米軍に対して岸田氏は何のクレームも付けたくないということです。
 しんぶん赤旗の2つの記事を紹介します。併せて日テレの記事を紹介します。
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沖縄・山口・広島3県のコロナ感染拡大 “米軍由来”は明らか
米軍の入国停止と外出禁止を要求せよ
                         しんぶん赤旗 2022年1月7日
志位委員長が記者会見
 日本共産党の志位和夫委員長は6日、国会内で記者会見し、沖縄、山口、広島3県での新型コロナウイルスの感染急拡大は「“米軍由来”であることは明らかだ」として、日米地位協定の抜本改正とともに、米国に対して米軍人・軍属の入国停止や外出禁止を含む具体的措置を求めるよう政府に強く要求しました。
 米軍基地を抱える沖縄、山口両県と、米軍岩国基地がある山口県岩国市と隣接する広島県では新型コロナ感染症が急拡大し、「まん延防止等重点措置」を適用する方向で検討されています。
 志位氏は「検疫権が日本にないという屈辱的な日米地位協定に根本の原因があることはいうまでもない」と指摘。ドイツでは米軍人・軍属に対する検疫権はドイツ自身にあることも示し、「日米地位協定の抜本改正を重ねて強く求めたい」と表明しました。

 志位氏は、沖縄県の玉城デニー知事が昨年12月23日に岸田文雄首相あて要請書で(1)感染収束までの軍人・軍属の米本国等からの沖縄県への移動停止 (2)軍人・軍属の基地外への外出禁止 ―を米側に求めるよう要求していると指摘。「一連の事態の責任が米軍にあることはいうまでもない」とし、「現地位協定のもとでも日本政府がやるべきことをやっているのかが厳しく問われなければならない」と述べました。
 その上で、林芳正外相が6日のブリンケン米国務長官との電話会談で「外出制限の導入」などを求めただけで、同長官も「できる限りのことをしたい」との回答にとどめたことに言及。「これでは話にならない。『外出制限』という話ではなく、入国の停止、外出の禁止を沖縄県は具体的に求めているが、それを一切米側に伝えず、何も具体的なやりとりもなく終わっている。これでいいのか」と厳しく批判しました。
 志位氏は「地位協定の抜本改正とあわせて、こういう無責任な対応を即刻改め、沖縄県が求める入国の停止と外出の禁止を含むしっかりとした具体的措置をとるよう日本政府は米側に求めるべきだ。それをやらないのなら、もう独立国の政府とはいえないと強くいいたい」と重ねて要求しました。


沖縄・山口・広島3県のコロナ感染拡大 “米軍由来”は明らか
全国の基地で感染拡大 地位協定の改定が不可欠
                         しんぶん赤旗 2022年1月7日



 全国の在日米軍基地で昨年末から、新型コロナウイルスの感染が急拡大しています。米軍基地がある沖縄県や山口県などでは感染者数が急増し、新変異株「オミクロン株」も広がっています。米軍のずさんな感染防止対策によって大規模なクラスター(感染者集団)が発生し、周辺地域への波及が強く危惧されています。
 沖縄県では6日、米軍基地内で新たに162人の感染が確認されました。感染者数はキャンプ・ハンセンでクラスターが確認された昨年12月17日以降で累計1150人に達しており、感染拡大に歯止めがかかりません。
 岩国基地(山口県岩国市)では6日に、新たに115人の感染を確認。市の発表によると、同基地での12月27日以降の感染者の累計数は537人であり、年末年始に急増しています。
 山口県では、昨年12月23日~今年1月3日で142人の感染を確認し、そのうち約7割が岩国市に集中しました。県の資料では、岩国市内の感染者のうち、岩国基地を利用した従業員や自衛隊関係者が16%、飲食店の従業員や利用者が32%に上ると指摘。飲食店はクリスマス時期に米軍関係者の利用が多かったため、米軍関係者の影響で感染が拡大したとみています。
 岩国市に隣接する広島県でも感染者が増加。湯崎英彦広島県知事は3日、「岩国市と関連が疑われる感染例が多い」と述べました。

 米軍基地を発端にオミクロン株が広がっている恐れも高まっています。沖縄県は国立感染症研究所の解析結果をもとに、オミクロン株の感染が昨年12月以降にキャンプ・ハンセンから嘉手納基地、市中感染へと広がった可能性が高いと指摘しています。玉城デニー知事は5日のテレビ番組で、感染者のうちオミクロン株が疑われる症例は同26日の15%から30日に97%に増大したと述べました。
 岩国市でも、昨年12月23日~今年1月3日の感染者98人のうちオミクロン株は53人(疑いを含む)でした。米軍基地の周辺でオミクロン株が顕著に増加している実態があります。
 米軍は、オミクロン株の感染者数を公表しておらず、詳しい実態は不明です。日米地位協定によって、米軍は検疫法などの日本の国内法が適用されません。来日する全米軍関係者が出国前のPCR検査が免除されていたなどのずさんな運用も発覚しました。米軍関係者の入国停止・外出禁止などを米側に要求することや、日米地位協定の抜本改定が不可欠です。


岸田首相「日米地位協定」改定に否定的考え
                   NNN24 日テレNEWS24 2022/01/06
在日アメリカ軍基地で新型コロナウイルスの感染が急拡大する中、感染対策をアメリカ側にゆだねる、日米地位協定を問題視する声も上がっていますが、岸田首相は日米地位協定の改定には否定的な考えを示しました。
「日米地位協定の改定等は考えておりません」
岸田首相は、このように述べた上で、沖縄県などでの感染拡大の原因は在日アメリカ軍ではないかとの指摘については、「アメリカ軍側の解析の結果を待っているところであり、現時点で断定するのは難しい」と述べるにとどめました。
一方で、7日に行われる日米の外務・防衛閣僚協議「2プラス2」で、厳格な措置をさらに強く求めるよう林外相に指示をしたことを明らかにしました。