「新自由主義」を信奉し「改憲勢力」である維新の会が、もしも6月の参院選で衆院選と同様に勢力を伸ばすなら大変なことになります。
ジャーナリストの適菜 収氏が、日刊ゲンダイの「それでもバカとは戦え」のコーナーに、「『国民の身を切る改革』で焼け太り ひたすらカネに汚い維新の手口」という記事を載せました。
歯切れのよい文章で「維新の会」とその幹部らの欺瞞を指摘しています。
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それでもバカとは戦え 適菜 収
「国民の身を切る改革」で焼け太り ひたすらカネに汚い維新の手口
日刊ゲンダイ 2022/01/22
日本維新の会が衆参両院の常任委員長と特別委員長の手当を廃止する法案を衆院に提出した(1月17日)。各委員長には国会会期中、1日6000円の手当が支給されているが、維新は「身を切る改革」の一環として手当の廃止と特別委員会の統廃合を主張したとのこと。アホくさ。維新にとっては痛くもかゆくもない「手当の廃止」を唱え、自分たちはクリーンであるというポーズを取る。
しかし実態は「国民の身を切る改革」を断行し、そこから発生する利権をパソナなどの特定企業に横流ししているだけだ。
ひたすらカネに汚いのが維新である。政党交付金も基金としてため込んでいる。政党助成法によれば、政党が交付金を1年間で使い切れなかった場合、総務相が残余分の返還を命じることができるが、基金として積み立てた場合はその対象から外れる。
こうした法の抜け道を使う一方で、「使い切れなかった文書通信交通滞在費(文通費)を国庫に返納すべき」と大騒ぎする。企業・団体献金の禁止を掲げながら、パーティー券は売り放題。松井一郎は大阪府知事の退職金を廃止すると言い出したが、退職金を分割して毎月の給与に上乗せするだけだった。明石市議の筒泉寿一のように「身を切る改革」と称して被災地などへの寄付を偽装するケースもある。
吉村洋文は〈どうやら1日だけでも国会議員の身分となったので、10月分、100万の札束、満額支給らしい。領収書不要。非課税。これが国会の常識。おかしいよ〉と文通費の制度を批判。しかし当の本人が2015年10月に衆院議員を辞職した際、在職1日で10月分の文通費100万円を満額受給していた。さらには14年12月に大阪市議会議員を辞職した際にも、在職2日でボーナスに相当する期末手当と12月分の月給にあたる議員報酬を満額受給していた。
他人に厳しく自分に甘い。もっともモラルが完全に欠如している集団だからこそ、新自由主義勢力や政商の先兵として大阪の公共を破壊してきたのだろう。維新は医療福祉を切り捨て、公立病院や保健所、医師・看護師などの病院職員など衛生行政にかかわる職員を大幅に削減してきた。いい加減「改革」「民営化」の正体に気づくべきだ。本気で「身を切る」というなら、まずは維新の議員から削減してほしい。
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適菜 収 作家
近著に「日本人は豚になる」「ナショナリズムを理解できないバカ」など。著書40冊以上。購読者参加型メルマガ「適菜収のメールマガジン」も始動。詳細は適菜収のメールマガジンへ。
「湯の町湯沢平和の輪」は、2004年6月10日に井上 ひさし氏、梅原 猛氏、大江 健三郎氏ら9人からの「『九条の会』アピール」を受けて組織された、新潟県南魚沼郡湯沢町版の「九条の会」です。