2022年1月6日木曜日

オミクロン第6波「3月初旬ピーク」・ 感染爆発は2カ月

 日本の空港検疫はまさにザルで、1人のオミクロン株感染者も見逃さないどころか、大半の感染者は見逃して、ごく一部の人たちだけを阻止したのでした。気付いたときには市中感染が広がっていたのは当然の成り行きでした。加えてオミクロン株に感染した米兵らが勝手気ままに沖縄や横須賀に留まらずに日本中を動き回ったことも見逃せません。これもそうした状況を放任していた政治の責任です。ドイツもイタリアも韓国も等しく対米地位協定を結んでいますが、他の国はちゃんと自国の主権を守るべく改定を行っています。

 5日の新型コロナ新規感染者数は全国で2638人で、2000人を上回るのは、去年9月26日以来です。うち東京都はコロナ新規感染確認は390人(10歳未満から90代まで)で、この3日→5日の2日間で4倍近くになりました。1日の感染の確認が300人を超えるのは、去年9月26日以来です。
 また関西の2府4県での新規感染者は507人で、▽大阪が244人、▽京都が92人、▽兵庫が59人、▽奈良と滋賀がともに54人、▽和歌山が4人でした。合計で500人を上回るのは去年929日以来です。
 新型コロナ(いずれオミクロン株が主流になる)は既に第6波の感染爆発の入口に達しています。今後感染は急激に拡大し、1カ月後には約10倍、さらにそこから1カ月後の3月4日には新規感染者数はピーク2万9000人に達し、そのピークは2ヶ月間継続すると見られています。
 岸田氏は新年早々に感染者の自宅療養を対策に取り入れると口にしました。それは取りも直さず感染者を自宅に「放置する」という意味です。仮に重症化率や死亡率が他の株より低いとしても、ベースになる感染者数が膨大になれば死者の数は当然拡大します。自宅に放置されたまま亡くなる人たちがどれ程になるのか想像もつきません。岸田首相のこれまでの前向きの発言は口先だけだったのでしょうか。安倍・菅氏らと同様に、同じように「棄民」するのでしょうか。
 共産党の志位委員長は4日、国内での急速な感染拡大を想定し、4つの緊急対策の実施を政府に求めるとともに、新型コロナから国民の命と暮らしを守りぬくたたかいに引き続き全力をあげると表明しました。
 しんぶん赤旗が報じました。
 併せて日刊ゲンダイの2つの記事、「オミクロン第6波「3月初旬ピーク」の衝撃予測! ~ 」、「 ~ 上昌広氏は岸田政権が同じ失敗を繰り返す恐れと警鐘」を紹介します。
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オミクロン株緊急対策を 志位委員長、政府に求める
                        しんぶん赤旗 2022年1月5日
 日本共産党の志位和夫委員長は4日、党旗びらきのあいさつで、新型コロナウイルスが世界各国で急速な感染拡大を引き起こしていることをふまえ、国内での急速な感染拡大を想定し、緊急対策の実施を政府に求めました。志位氏は、新型コロナから国民の命と暮らしを守りぬくたたかいに引き続き全力をあげると表明しました。緊急対策は次の4点です。
 一、重症化リスクの高い高齢者などを中心に、6カ月後の3回目ワクチン接種を、最大限、迅速に行うこと。
 一、高齢者施設や医療機関に対して、積極的な定期検査を行う方針を明確に打ち出し、自治体のとりくみを全面的に支援すること。また、無症状者を対象に「いつでも、誰でも、無料で」受けられるPCR検査を全国的に行うとともに、陽性者を保護すること
 一、有症者を自宅に決して置き去りにせず、重症化を防ぐ医療を提供するために、地域の医療機関の連携と体制強化をはかること
 一、発熱外来の体制支援への補助金の復活、診療報酬の引き上げなど、医療機関への十分な支援を行い、保健所の恒常的な職員増など体制強化にとりくむこと。


オミクロン第6波「3月初旬ピーク」の衝撃予測! 感染爆発は2カ月続き、症状に“脳の霧”も
                          日刊ゲンダイ 2022/01/05
 オミクロン株の感染拡大が止まらない。4日は、奈良県と群馬県がオミクロン株の市中感染を確認。国内初確認から約1カ月で、日本のあちこちに飛び火してしまった。“入り口”を迎えた第6波は、これから先、2カ月も猛威を振るい続ける恐れがある。
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 4日の全国の新規感染者数は1151人と、昨年10月以来となる1000人超を記録。4日の都内の新規感染者も昨年10月以来の151人に上り、1週間平均の新規感染者数は前週比2倍を超えた。
 今後のオミクロン株の感染拡大について「相当厳しい状況がやってくる」(愛知県の大村秀章知事)と危機感が募る中、米ワシントン大医学部の保健指標評価研究所(IHME)が日本の今後の感染状況について衝撃的な予測をしている。
 1日あたりの新規感染者数の推移を示したグラフは、3月初旬まで急激に上昇。現時点から1カ月後には約10倍、さらにそこから1カ月後の3月4日にはピークに達する見込みだ。おととしの年末に始まった第3波は昨年1月10日にピークを迎えたが、今回の第6波は今から2カ月間、感染拡大が続く可能性がある。
 さらに予測グラフは「人口の80%がマスクを使っている場合」も「新型コロナワクチンを2回接種した人が3回目接種を打ち終えた場合」も、3月4日には1日あたりの新規感染者数が現在の約25倍に上ると試算している。4日の全国の新規感染者数に基づけば、3月初旬には2万8775人に達する計算だ。感染対策やブースター接種を徹底しても、感染者が急増する恐れがある。
 西武学園医学技術専門学校東京校校長の中原英臣氏(感染症学)がこう言う。
「米国では1日の新規感染者が100万人を突破してしまいました。市中感染が各地で確認されている日本も、感染拡大を止める術はないのではないか。1日あたり1万~2万人の感染者が出てもおかしくありません。唯一救いがあるとすれば、感染力が強くても病原性が比較的弱い可能性があるということぐらいでしょう」

英国内のオミクロン株感染者の半数に「ブレーンフォグ」
 オミクロン株について、SNS上で「ただの風邪」と楽観視する声が上がる一方、英国では気になる症状が報告されている。
 英ヘルスサイエンス企業の「ZOE」の調査によると、英国内のオミクロン株感染者の半数に主な症状として、鼻水、頭痛、倦怠感、くしゃみ、咽頭痛に加え、思考力の減退を伴う「ブレーンフォグ」(脳の霧)が見られたという。この症状になると、頭にモヤがかかったような状態になり、思考力や集中力が著しく低下するといわれている。
「ブレーンフォグ」はコロナ感染者の後遺症の特徴と指摘されてきたが、ZOEの調べでは鼻水や頭痛などと同様に「一般的な症状」として表れるという。オミクロン株はデルタ株に比べて入院や死亡リスクが低い可能性があるとはいえ、決して「ただの風邪」と侮れないのだ。
「体調を崩したときは往々にして思考力は鈍るものですが、後遺症になってしまうとなると話は別です。過剰な心配は無用ですが、感染拡大は止められないと思って行動した方がいいでしょう」(中原英臣氏)
 昨春は3月下旬から第4波に見舞われた。今から始まる第6波が今まで以上のビッグウエーブにならないよう、用心するに越したことはない。


ここまで劣化した国に希望はあるのか
コロナ第6はやってくるのか? 上昌広氏は「岸田政権が同じ失敗を繰り返す恐れ」と警鐘
                          日刊ゲンダイ 2022/01/02
 2年続いた新型コロナウイルスのパンデミックは22年も簡単に収まりそうにない。約100年前に世界で大流行したスペイン風邪は終息に3年かかった。
 新型コロナは変幻自在に変異を繰り返し、次々と感染の波が押し寄せている。再感染力が強力なオミクロン株はワクチン接種国にも広がりを見せ、流行の主流になりつつある。医療崩壊を回避するため、ロックダウンや行動制限に踏み切る国が相次いでいる。
 冬の流行期に突入し、日本でもオミクロン株が牽引する第6波に見舞われる可能性が高い。連日、各地で市中感染が確認されている。
 当初、オミクロン株は重症化しにくいとの見方があったが、英国の研究チームは「オミクロン株の重症度がデルタ株より低いという証拠はない」と結論付けている
 オミクロン株の感染拡大と年末年始が重なれば、東京の新規感染者が1月末に3000人超との試算もある。万全のコロナ対応が必要だが、医療ガバナンス研究所理事長の上昌広氏はこう言う。
日本はいまだに検査を抑制し、空港検疫は精度の低い抗原検査のまま。ブースター接種も飛び抜けて遅い。科学的な判断に基づいて政策決定されているとは到底、思えません。途上国も含めてワクチンを打ち終わるのが24年とされ、少なくとも23年まではコロナ感染は続くとみられています。今後も、岸田政権が非科学的なコロナ対策を続けるなら、安倍、菅政権と同じ失敗を繰り返すことになるでしょう」
 ブースター接種が進み、治療薬が定着すれば、コロナと共存する時代が来るかも知れない。しかし、コロナ禍の2年間で生活は大きく変わり、元の生活には戻らないだろう。
 感染が収まっても、マスクや消毒用アルコールは必需品になりそうだ。リモートワークが定着し、忘年会・新年会をやめてしまう会社も少なくない。部品供給難の反省から工場では「カンバン方式」も見直されるという。22年もコロナに振り回されることになるのか。