ロシアのウクライナ侵攻問題に隠れた形になっていますが、コロナ第6波での大阪府の死者数は膨大で、東京都が883人であるのに対し、大阪府は1418人(19日時点)と全国的にも突出しています。人口100万人あたりでは、東京都が63・3人に対して大阪府は160・4人で東京都の2・5倍です。
ここにきて、大阪府はコロナ拡大を防げなかっただけではなく、維新とその支援者がコロナ対策を食い物にしていたのではないかという疑惑が次々暴かれています。
16日発売の「週刊新潮」に、維新の最高幹部のひとりである東徹・参院議員が支援する人物が院長を務めるクリニックが、大量のワクチンを確保して大型接種をおこない、約1億円も“荒稼ぎ”しているという記事が載りました。
また昨夏、松井大阪市長はワクチン接種会場として民間の施設「心斎橋BIGSTEP」を使用すると発表しましたが、会場使用料は月額約580万円という莫大なもので、松井市長がBIGSTEPとするよう指示していた可能性も浮上しているということです。
さらに大阪市は2020年7月に衛生用品メーカーのサラヤから消毒液の買い入れとして約6300万円の高額な特命随意契約をしていますが、「週刊新潮」(1月27日号)は入札に当たり、「消毒液の調達に加えて配送を契約条件に付すことで実質的にはサラヤしか参入できない環境を作り出したのではないか」という指摘があると書いています。
LITERAは、ワクチン集団接種会場にわざわざ民間施設を使わなくても市の施設を使用すれば無駄な税金は使わずに済んだし、消毒液も言い値ではなく競争入札をおこなうべきものなのに、「身を切る改革」を掲げておきながら、維新は代表である松井氏が税金の無駄遣いを率先しておこなっていると述べています。松井市長は納得のいく説明をすべきです。
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維新にコロナ利権疑惑! 東徹議員の支援者が大量ワクチン確保、大阪市も松井市長の支援者関連施設を接種会場にして月額580万円
LITERA 2022.03.20
ロシアによるウクライナ侵略のニュースが大きく報じられているなか、忘れてはいけないのは依然として猛威を奮っている新型コロナと政府・行政の対応だ。とりわけ大阪府はいまだに東京都を上回る死亡者数を叩き出しつづけており、第6波での死亡者は東京が883人であるのに対し、大阪は1418人(19日時点)と全国的にも突出したままだ。
しかもここにきて、コロナ拡大を防げなかっただけではなく、維新とその支援者がコロナ対策を食い物にしていたのではないかという疑惑が次々暴かれている。
そのひとつが、維新の最高幹部のひとりである東徹・参院議員が支援する人物が院長を務めるクリニックが、大量のワクチンを確保して大型接種をおこない、約1億円も“荒稼ぎ”している、というものだ。
この問題を報じた16日発売の「週刊新潮」(新潮社)によると、昨年6月と7月に大阪市住之江区にある複合施設「オスカードリーム」では大型の集団接種を実施。この大型会場を開設・接種を実施したのは「ただクリニック」という「診察室2部屋のみ、コロナなどの感染症は専門外の一般的な個人経営規模のクリニック」だった。
なぜ、大病院でもない個人経営規模のクリニックが、わざわざ大型の接種会場を開設したのか。それは、同クリニックが大量のワクチンの供給を受けていたからだ。
「週刊新潮」が大阪市関係者から入手した内部資料によると、昨年5月24日から10月4日の週に大阪市の基本型接種施設となった医療機関に供給されたワクチンの量は、他のクリニックが5850回分〜9360回分であるのに対し、ただクリニックはなんと2〜3倍の1万9890回分もの供給を受けていたのだ。
医療機関がワクチン接種をおこなった際には、接種費用に補助金などを加えて1回最大5070円が支払われる。つまり、単純計算で供給されたワクチン約2万回分の接種をおこなったことによって、ただクリニックは約1億円を得た、と考えられるというのである。
そして、このただクリニックの背後に見え隠れするのが、維新の東議員の存在だ。
というのも、東議員はただクリニックが開設した大型接種会場で「ボランティア」として活動したことを当時SNS 上で動画付きで報告していたのだが、そもそも東議員は毎年のように同クリニックの院長から寄付を受けており、〈2020年までの6年間で計33万円〉にのぼるという。さらに院長の父親と思しき人物からの寄付もあり、それを合計すると約71万円の寄付を受けているというのだ。
しかも、接種会場の「オスカードリーム」を運営する不動産会社・キンキエステートの代表取締役も、2019年と2020年に合計15万円を東議員に寄付。ブログでは〈同議員を応援している旨、堂々と記していた〉というのである。
大阪の集団接種会場は松井市長の支援者関連施設、市長の指示を示唆するメールも
維新最高幹部である東議員の支援者であるクリニックがありえない量のワクチン供給を受け、さらには同じく東議員を支持する人物が代表取締役を務める不動産会社が運営する施設で大型接種がおこなわれた──。その上、「週刊新潮」から直撃を受けた東議員は、ただクリニックへのワクチン大量供給について「まっったく関係ありません。私に介入の余地はありませんよね」と答えながら、自身の支援者が運営する施設が会場になった件については、「私は『こういう所がありますよ』と多田さんにアドバイスしたくらいです」とコメントしていた。これは、同クリニックのワクチン接種会場の開設には少なくとも関与していたということではないのか。
吉村洋文知事を筆頭とする維新政治のコロナ失策によって大阪府民を命の危険に晒しつづけながら、ワクチン接種事業を支援者の優遇に使ったのではないかという、この疑惑。しかも呆れるのは、維新とワクチン接種事業をめぐるこうした疑惑は東議員にかぎったものではない、ということだ。
ほかでもない、維新の代表である松井一郎・大阪市長にも、ワクチン接種事業をめぐって、自身の支援者を優遇した疑惑がもちあがっている。
昨夏、松井市長は会見でワクチン接種会場として、民間の商業施設である「心斎橋BIGSTEP」を使用すると発表。大阪市のワクチン集団接種会場では、唯一の民間施設利用だ。
だが、この発表を受けて、SNS上では“優遇疑惑”が浮上。というのも、BIGSTEPの関連会社である三栄建設の代表取締役である青山浩章氏は、維新応援団である政治団体「経済人・大阪維新の会」の副会長を務め、大阪府議会議長を務めた松井知事の父親と昵懇の間柄だといわれる人物であり、三栄建設は大阪維新の会や日本維新の会の本部が入るビルのオーナーであるだけでなく〈大阪維新の会のパーティ券を毎年40万円購入〉(前出「週刊新潮」)しているからだ。
三栄建設はこれまでも、2016年度の大阪府緑化事業をはじめとして公共事業を受注しており、たびたび松井氏との関係が囁かれてきた。また、2020年の大阪「都構想」住民投票をめぐっても、大阪・ミナミの商店街に「大阪都構想」に賛成を呼びかける旗が市に無許可で掲げられ、その後撤去されるということがあったが、この旗の掲示はBIGSTEPの運営管理会社で、青山氏が代表取締役を務める大阪屋通商の事業部内に事務局が設けられている「アメリカ村の会」の提案により大阪維新の会が設置費用を払っていたという。
こうしたことから、ワクチン集団接種会場として三栄建設絡みのBIGSTEPが選定されたことに対し、ネット上の維新ウォッチャーがすばやく反応。BIGSTEPが選定された経緯について情報開示請求をおこなうなどの動きが起こった。その結果、BIGSTEPの会場使用料が月額約580万円にものぼることが判明したのだ。
しかも、情報開示請求によって明らかになった文書では、担当者のメールに松井市長からの指示を示唆するような記述があったことも判明。つまり、松井市長がワクチン集団接種会場をBIGSTEPとするよう指示していた可能性も浮上しているのだ。
三栄建設はワクチン接種の会場使用料について〈こどもの貧困対策に利用する大阪市「こども青少年局」様へ消費税を除く全額を寄付〉しているとBIGSTEPのHPで公表しているが、この件について「週刊新潮」は「両者の癒着を疑う声が市民から上がり、疑惑追及のための公文書開示請求などがなされたことが影響したようです」という大阪市政関係者の証言を紹介していた。
大阪市は維新応援団の衛生用品メーカーから消毒液を言い値で買い入れ、約6300万円
だが、松井市長の疑惑はこれだけではない。大阪市は2020年7月に衛生用品メーカーのサラヤから消毒液の買い入れとして約6300万円の特命随意契約、ようは“言い値”の契約を交わしたが、同社の更家悠介社長は「経済人・大阪維新の会」の会長だ。この問題を報じた「週刊新潮」1月27日号では「消毒液の調達に加えて配送を契約条件に付すことで実質的にはサラヤしか参入できない環境を作り出したのではないか」という指摘がなされている。
言っておくが、ワクチン集団接種会場にわざわざ民間施設を使わなくても市の施設を使用すれば無駄な税金は使わずに済んだし、消毒液も言い値ではなく競争入札をおこなうべきものだ。ところが、「身を切る改革」を掲げておきながら、維新は代表である松井氏が税金の無駄遣いを率先しておこなっているのだ。しかも、そこには安倍政権そっくりの“応援団やお友だち優遇”疑惑まであるのだから、開いた口が塞がらない。
いずれにしても、コロナ失策で大阪を全国最悪の状況に陥れている上に、こんな“ワクチン食い物”疑惑まで浮上しているのだから、松井市長は納得のいく説明をすべきだろう。 (編集部)