2022年3月28日月曜日

自己抑制機能低下のバイデン大統領(植草一秀氏)

 米国は第二次世界大戦終了後も数限りない侵略戦争を行ってきました。
 本ブログではそれらをまとめた記事として 下記などを紹介しています。
  ⇒ (18.08.04)米国はどれだけの国を侵略し、または政権を転覆してきたのか
     (15.02.28)アメリカは建国後合計222年間=93%の年間 戦争をしてきた
 さすがに2000年近くになってもう侵略対象の国家がなくなると、米国は「対テロ戦争」と称する他国内のテロ組織を対象とする戦争を編み出しました。それはいくらでも戦争の対象にできるからで、そこまでしても戦争をし続けていないと米国(=産軍複合体)が持たないからです。そして2001年9月11日に起きた(あるいは起こした)ツインタワー崩落事件は、米国が「対テロ戦争」を標榜してアフガンに侵攻する絶好の口実になりました。

 植草一秀氏が「自己抑制機能低下のバイデン大統領」という記事を出し、バイデンはロシアのプーチン口汚く罵るものの、歴代の米国大統領もまた「戦争犯罪人」であり「侵略者」であると批判しました。
 ここではイラク侵略戦争に限定していますが、イラク文民の死者数は推計10万人超から60万人超に達していてウクライナの比ではないと述べています。そのとき米国は上水道施設(ダムなど)を徹底的に破壊し、戦後も飲料水の滅菌に必要な次亜塩素酸ソーダを禁輸品に指定したので幼児たち数十万人(百万人とも)が病死しました。また劣化ウラン弾を大々的に使ったので 事後に米兵も含めて深刻な放射線障害が起きました(米国内では極秘扱い)。
 このときも西側メディアは、イラク市民の悲劇については殆ど報じませんでした。

 ウクライナに関しては、バイデンは2014年のクーデターに具体的に関与したビクトリア・ヌランドの直接の上司として関わりました。現在ヌランドは国務次官としてバイデン政権に参画しています。
 バイデンは大の「ロシア嫌い」としても有名です。
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自己抑制機能低下のバイデン大統領
                植草一秀の「知られざる真実」 2022年3月27日
「侵攻開始後数週間もたたない2003年4月上旬に、本書は、この侵攻が国際法に基づき完全に違法であったことをきっぱりと断言し、10以上にものぼる国際法の基本原則の違反を列挙した。
これは侵攻直後の余波のさなかに、軍事行動の全面的な違法性に注目した最初の出版物の一つとなった。
その主張が、現在国連の上層部において支持されているのは重要なことである。
2004年9月25日、コフィ・アナン国連事務総長は、国連総会での演説において、イラク侵攻は国際法に基づき違法であると述べている。」

これは、国際司法裁判所元判事であるC.G.ウィーラマントリー氏の著書『国際法から見たイラク戦争』(勁草書房、2005年)の「日本語版への序文」冒頭に書かれた言葉。
イラク戦争は2003年3月20日から2011年12月15日まで、8年8ヵ月にわたって遂行された。
米国は英国とともに2009年3月20日(米国時間で3月19日)、国連での決議を得ずに軍事侵攻に踏み切った。米国による侵略戦争である。
米国はイラクが大量破壊兵器を保持していることを軍事侵攻の理由としたが、戦争後、イラクから大量破壊兵器は発見されなかった。

米国はロシアの軍事侵攻を批判しているが、米国もロシア同様に国際法違反の軍事侵攻を数多く実行してきた実績を有する。
イラク戦争でのイラク文民の死者数には多くの推計があるが、推計値の分布は10万人超から60万人超に達している。ウクライナの比ではない。
ロシアがウクライナで軍事行動を実行した。紛争の解決に武力を用いることは正しくない。
ロシアの行動は非難されるべきものである。しかし、米国がロシアを頭ごなしに批判することに正当性はない。米国もロシアと同じ行動を示してきた過去を有する。

米国のバイデン大統領はロシアのプーチン大統領を口汚く罵る。
「プーチンは人殺しの独裁者」「プーチンは戦争犯罪人」「プーチンは侵略者」
「プーチンは根っからの悪党」「プーチンは虐殺者」などと、発言がエスカレートしている。

ロシアが軍事侵攻したことを根拠にこの発言を繰り広げているのなら、バーデン大統領はイラク戦争を遂行した米国の子ブッシュ大統領にも同じ批難を浴びせる必要があるだろう。
バイデン大統領は3月26日に、ポーランドのワルシャワで講演し、「この男(プーチン氏)は権力の座にはいられない」と述べた。ロシアの政治体制刷新の意思を示す発言を示したと言える。
この発言に対して、ロシアのドミトリー・ペスコフ大統領報道官が、「ロシアの大統領はロシア国民が選出しており、バイデンが決めるものではない」と発言した。

米国のネオコンは、米国が保持する価値観を他国に埋め込むことを正当な行動だと判断する。
ネオコンの特徴は、「その達成のためには力の行使をいとわない」という点にある。
2004年と2014年にウクライナで政権転覆が生じている。
これは、米国が主導した「暴力革命」等による政権転覆であったと見られる。この行為自体が明確な国際法違反行為である。
「民族自決」、「内政不干渉」の根本原則を踏みにじっている。
「プーチンを権力の座から引きずり下ろす」との意思の吐露は、米国の内政干渉、他国の体制転覆意思を明示するものである。
この考え方により、ウクライナの政権転覆が実行されてきた。
その延長線上にあるウクライナ戦乱という側面を見落とすことができない。
ウクライナ戦乱を理解するには、オリバー・ストーン監督のドキュメンタリー映画『ウクライナ・オン・ファイヤー』閲覧が必須
ウェブ上で閲覧できる間に、必ず視聴することを強く推奨する。

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             (以下は有料ブログのため非公開)