2022年3月31日木曜日

31- ウクライナ戦争の遠因はインターマリウムや米英の長期戦略(櫻井ジャーナル)

 櫻井ジャーナルが、「クーデターで始まったウクライナ戦争の遠因はインターマリウムや米英の長期戦略」であるとする記事を出しました。

 「歴史を振り返れば、ウクライナを舞台にした戦争が2月24日に始まったとする考え方には大きな問題があると言わざるをえない。少なくとも2014年2月のクーデターから戦争は続いているのである」と述べています。
 マスコミに載らない海外記事の「再びナチズムを偉大にする」を併せて紹介します。
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クーデターで始まったウクライナ戦争の遠因はインターマリウムや米英の長期戦略
                          櫻井ジャーナル 2022.03.31
 ロシア軍は2月24日にウクライナを攻撃し始めるが、その直前、ウクライナの軍、あるいは親衛隊はドンバス(ドネツクとルガンスク)に対する攻撃を強めていた。OSCE(欧州安全保障協力機構)によると、2月17日にはウクライナ側からドンバスへの攻撃が激しくなり、18日、19日とエスカレートしている
 その前からウクライナ側は停戦合意を守らず、ドンバス周辺には親衛隊のほかアメリカやイギリスの特殊部隊やアメリカの傭兵も集結、攻撃態勢が整いつつあると言われていた。そうした中、アメリカ政府はロシア軍が偽旗作戦を目論んでいる、暗殺リストを配っているなどと宣伝している。
 ロシア軍と戦っているウクライナ側の主力は親衛隊のようだが、この戦闘集団は内務省の指揮下にあり、隊員はネオ・ナチが中心。ネオ・ナチは自分たちを「民族主義者」、あるいは「愛国者」と呼んでいるが、どのようなタグをつけようと、ネオ・ナチであることに変わりはない。
 アメリカの白人至上主義者に関する裁判でFBIの特別捜査官が2018年10月に提出した宣誓供述書でも、アゾフ大隊はネオ・ナチ思想と結びつき、ナチのシンボル主義を使っていると認めている。アメリカの白人至上主義者だけでなく、世界各国にネオ・ナチのネットワークは張り巡らされているのだ。

 バンデラは1920年代からOUN(ウクライナ民族主義者機構)の幹部だった人物だが、この組織は41年3月に分裂、反ロシア感情の強いメンバーがバンデラの下に集まった。これがOUN-Bだ。
 このOUN・Bをイギリスの情報機関MI6のフィンランド支局長だったハリー・カーが雇う一方、ドイツが資金を提供し、バンデラの側近だったミコラ・レベジはクラクフにあったゲシュタポ(国家秘密警察)の訓練学校へ入っている。
 ナチスやOUN・Bの背後には「インターマリウム」という計画が存在していた。バルト海とエーゲ海に挟まれた中央ヨーロッパにカトリックの帝国を作ろうというもので、その発想の源はポーランド・リトアニア連邦の1600年頃の領土にある。
(中 略)
 ローズが『信仰告白』を書く13年前、トーマス・ハクスリーを中心として「Xクラブ」が作られている。その中には支配階級の優越性を主張する社会ダーウィン主義を提唱したハーバート・スペンサー、チャールズ・ダーウィンの親友だったジョセフ・フッカー、このダーウィンのいとこであるジョン・ラボックも含まれていた。彼らの思想の根底には優生学や人口論があり、ローズやマッキンダーにつながる
 1981年1月にアメリカ大統領となったロナルド・レーガンは82年6月にローマ教皇庁の都市間でヨハネ・パウロ2世とふたりで会い、ポーランドや東ヨーロッパについて話し合い、ソ連の解体を早める秘密キャンペーンを実行することで合意した。その目的を「神聖ローマ帝国」の復興と表現する人もいた。(Carl Bernstein, “The Holy Alliance,” TIME, Feb. 24, 1992)
(中 略)
 ウクライナのネオ・ナチを率いているひとりに​オレナ・セメンヤカ​なる人物がいる。ウクライナ民族主義の「ファースト・レディ」とも呼ばれている。この人物もインターマリウムの信奉者であり、白人(北欧人)至上主義者だ。
 このように考えているのは特殊な人だけだと言うことはできない。今回、ウクライナからポーランドへ脱出した人について、西側メディアは「目が青く、ブロンドのキリスト教徒」、要するに北欧系の難民は助けなければならないと叫んでいた。その一方でインド人やアフリカ系の人びとは脱出を妨害されたり、棍棒で殴打された人もいる。アジア人も差別の対象だ。
 西側メディアが言うところの「医療天使」に所属する弁護士、ジャナディ・ドラザンコはウクライナのメディアに対し、部下の医師たちに対し、ロシア人捕虜は全員去勢するよう命じたと語った。ロシア人は人間でなくゴキブリだからだという。のちにドラザンコは発言を取り消すが、ロシア人捕虜に対する去勢命令は本気だろう。ここにきてウクライナ軍がロシア人捕虜を拷問、足などを撃ち、射殺している光景を撮影した映像がインターネット上で公開されている。ウクライナのネオ・ナチはロシア人を劣等人種だと考えている

 マリウポリなどから脱出した市民が「アゾフ大隊(アゾフ特殊作戦分遣隊)」の実態を告発しているが、そうした市民によると、アゾフ大隊によって建物は破壊され、人びとは拷問され、殺された人も少なくないようだ。若い女性はレイプされているという。
(中 略)
 歴史を振り返れば、ウクライナを舞台にした戦争が2月24日に始まったとする考え方には大きな問題があると言わざるをえない。少なくとも2014年2月のクーデターから戦争は続いているのであり、中期的には1999年3月のNATO軍によるユーゴスラビアへの先制攻撃から続いている。そして、その背景には19世紀から続くアングロ・サクソン支配層の世界制覇プランがあるのだ。


再びナチズムを偉大にする
                マスコミに載らない海外記事 2022年3月29日
                    ペペ・エスコバール 2022年3月24日
                     著者の許可を得て公表、広くクロス投稿
 最高の目標はロシアにおける政権転覆で、ウクライナは、単なるゲームの駒、あるいはもっと酷く、ほんの砲弾の餌食だ。
 全ての目がマリウーポリに注がれている。水曜日夜の時点で、住宅地域の70%以上がドネツクとロシア軍の支配下にあり、他方ロシア海兵隊員、ドネツクの第107大隊とカリスマ的なアダム・デリムハノフ率いるチェチェン特殊部隊がネオ・ナチ・アゾフ大隊の司令部であるアゾフ製鉄工場に入った。
 アゾフに最後通牒が送られた。真夜中までに降伏せよ。さもなくば捕虜にはしない地獄へのハイウエイ。
 それはウクライナの戦場での主要な形勢を一変させる出来事を意味する。マリウーポリは最終的に徹底的に非ナチ化されようとしている。アゾフ分遣隊は、長い間、この都市に立てこもり、一般人を使った人間の盾が、彼らの最も強力な戦闘部隊だったから。
 一方、ウソの帝国からの反響は、あらゆる馬脚を現している。ウクライナでの和解策を促進する意図はワシントンには皆無で、それがコメディアン、ゼレンスキーの休みなしの引き延ばし戦術を説明している。最高の目標はロシアにおける政権転覆であり、それゆえロシアと、あらゆるロシアのものに対する国家総力戦のために、全てが正当化される。ウクライナは、ゲームの駒に過ぎない-あるいはもっと酷く、単なる砲弾の餌食だ。
 これは、過去8年間のドンバスにおける14,000人の死が、直接例外主義者の責任であることも意味する。あらゆる種類のウクライナ・ネオ・ナチは、アルカイダあるいはダーイシュ、いずれとつながっていようともシリアの「穏健反政府派」と同様、使い捨てだ。最終的に生き残る連中は、1980年代のアフガニスタン聖戦株式会社の安っぽいリミックス(⇒再統合版)である新進のCIAが資金援助するネオ・ナチに常に加わることができる。彼らは適当に「調整される」だろう。

簡単なネオ・ナチ要約
 今や大勢いるのだが、NATOスタンの脳死状態連中だけが、2014年のマイダンに気付いていない。ディナモ・キエフを応援したSect 82サッカー・フーリガンから、12,000人の準軍事的組織の実現を承認したのは、当時ウクライナのアルセン・アバコフ内務大臣、元ハルキウ知事だったことは、わずかな人々しか知らない。それは、2014年5月、ウクライナのネオナチ・ギャング「ウクライナの愛国者」前代表、別名White Fuhrerとしても知られるアンドリー・ビレツキー率いるアゾフ大隊の誕生だった。
 NATO残置工作員のドミトリー・ヤロシと共に、ビレツキーはウクライナ・マフィアのゴッド・ファーザーでユダヤ人億万長者のイホル・コロモイスキー(二流コメディアンから二流大統領への後のゼレンスキーのメタ変換後援者)から資金を得て右派セクターを設立した
 右派セクターはたまたま過激な反EUで(ウルスラ・フォン・デア・ライエンに言ってやろう)、政治的に、中欧とバルト諸国を、新たな安っぽいミジモリャ(Intermarium)で結びつけることに取りつかれている。極めて重要なのは、右派セクターや他のナチ・ギャングはNATO教官に正式に訓練されていることだ。
 ビレツキーとヤロシュは、もちろん悪名高い第二次大戦時代のナチ協力者、彼にとって、純粋なウクライナ人は、ゲルマンの祖先かスカンジナビア人で、スラブ人は劣等人種であるシュチェパーン・バンデラの弟子だ。
 アゾフはウクライナのほとんど全てのネオ・ナチ集団を吸収し、ドンバスと戦うため派兵された。彼らの追随者連中は正規兵より多く金を稼いでいる。ビレツキーともう一人のネオ・ナチ代表オレフ・ペトレンコはウクライナ最高議会議員に選ばれた。White Fuhrerは自立していた。ペトレンコは、当時のポロシェンコ大統領を支援すると決めた。まもなくアゾフ大隊はウクライナ国家警備隊にアゾフ連隊として合併された。
 彼らは外国人傭兵採用の動きを続け、西ヨーロッパ、スカンジナビアや南米からさえ人々は来ている。
 それはフランスとドイツに保証された(今は事実上、機能していない)ミンスク合意によって厳しく禁じられている。アゾフは10代の青年のために訓練所を設置し、間もなくメンバーは10,000人に至った。2020年、エリック「ブラックウォーター」プリンスは改名した彼の団体、Academiがアゾフを監督できるよう、ウクライナ軍と取り引きをまとめた。
 ちなみに彼ら二人ともウクライナのユダヤ人だが、ゼレンスキーに公然ナチのヤロシュを、ウクライナ軍最高司令官ヴァレリー・ザルジニーの補佐官に任命するよう示唆したのは他ならぬ邪悪なマイダンクッキー配給屋ビッキー「EUくそ食らえ」ヌーランドだった。狙い:ドンバスとクリミアへの電撃攻撃の組織、ロシアの外国諜報機関SVRが、2月22日に開始されるはずだと結論した、この電撃攻撃は、かくして作戦Zの開始を推進したのだ。
 実際簡単なまとめで、上記連中全員ウクライナ白人ネオ・ナチと茶色肌のアルカイダ/ISIS/ダーイシュとの間には、ネオ・ナチは「キリスト教徒」で、タクフィル・サラフィー主義ジハード戦士は「イスラム教徒」ではあるものの全く違いがないことを示している。
 プーチンがキエフで政権を掌握している「ネオ・ナチ集団」を非難した際、コメディアンは、自分はユダヤ人だから、それは不可能だと答えた。ばかげたことだ。ゼレンスキーと彼の後援者コロモイスキーは、実際、シオニスト-ナチなのだ。
 アメリカ政府の諸部門が、キエフ機構にネオ・ナチが根付いていることを認めたが、例外主義機構は、8年間毎日ドンバスに砲撃することを、ひたすら無視した。これら何千人もの民間人被害者は決して存在しないのだ。
 アメリカ主流メディアは、アゾフとアイダル・ネオ・ナチについて、あえて半端な記事や報道さえした。だが、その後、新オーウェル言説が確定したのだ。ウクライナにはナチはいない。CIAの分派NEDは、アイダル・メンバー訓練に関する記録さえ削除し始めた。最近、ゴミのようなニュース・ネットワークが、NATOが訓練し、兵器化した、ナチの図像を身につけたアゾフ指揮官の動画を宣伝した。

何故「非ナチ化」に意味があるのか
 バンデラスタン・イデオロギーは、ウクライナのこの地域が、実際オーストリア・ハンガリー帝国、ロシア帝国とポーランドに支配されていた時代に遡る。シュチェパーン・バンデラは1909年にオーストリア-ハンガリー帝国の当時自立していたガリシア王国のイバノフランコフスク近くで生まれた。
 第一次世界大戦は、ヨーロッパ諸帝国の手足をばらばらにし、しばしば存続不能な小さな組織にした。帝国の交差点である西ウクライナでは、それは必然的に極端に不寛容なイデオロギーの拡散を招いた
 バンデラスタン・イデオロギー論者は、独立領を宣言するため、1941年ナチの到来で、恩恵を得た。だがベルリンはそれを阻止したのみならず、彼らを強制収容所に送った。1944年に、ナチは戦術を変えた。彼らはバンデラ主義者を解放し、彼らを反ロシア憎悪へと操り、ウクライナ・ソビエト社会主義共和国連邦で不安定化を引き起こした
 だからナチズムはバンデラスタン狂信者と全く同一ではない。それらは実際競い合うイデオロギーだ。マイダン以来起きたのは、利用できるどんな周辺的集団であれ、ロシア憎悪を刺激することにCIAが大変な集中力で焦点をあて続けていることだ。控え目な言い方をすれば、ウクライナは「白人国家主義」の例ではないが、反ロシア・ウクライナ愛国心は、実際上、ナチ式敬礼とナチ式シンボルによって示されている。
 だから、プーチンとロシア指導部が、ウクライナのナチズムに言及する際、それは概念的には100%正しくはないかもしれないが、それは全てのロシア人の琴線に触れるのだ。
 ほとんど全てのロシア人家族が、少なくとも先祖の一人が大祖国戦争の間に死亡したことからして、ロシア人は本能的にナチズムを拒絶する。戦時心理学の見地からして「ウクライナ-ナチズム」あるいは、単刀直入に「非ナチ化」キャンペーンを語ることは実に辻褄があうのだ。

イギリスとアメリカは、いかにナチを愛したか
 ウクライナで公然とネオ・ナチ応援団を務めるアメリカ政府は勢力均衡の理由で、1933年イギリスと並んでヒットラーを支持した手口を考えると決して新しいものではない。
 1933年、ルーズベルトはヒットラーに金兌換の10億ドルを貸し、イギリスは20億ドル貸した。今日の不換ドルに換算するには、200倍する必要がある。イギリスとアメリカは、ロシアに対する防波堤としてドイツを築き上げたいと望んでいた。1941年、ルーズベルトはヒトラーに、もし彼がロシアを侵略したら、アメリカはロシアを支持する、スターリンに、もしスターリンがドイツを侵略したら、アメリカはドイツを支持すると書いた。マッキンダー風の勢力均衡の図解のような話だ。
(中 略)
 ヒトラーは『我が闘争』におけるイギリスに対する彼の好意的な言葉のおかげで、1920年代以来、MI6(⇒英国秘密情報部)に財政的に支援されていた。MI6は、事実上ヒトラーにロシアを侵略するよう奨励したのだ。
 2022年に早送りすると、再び、喜劇として、イギリスとアメリカが、弱々しいショルツ下のドイツに、(ドイツが持っていない)1000億ユーロで軍事的に自身を元通り修復するよう「奨励し」、理論的に、後に対ロシア戦争をするよう改良ヨーロッパ戦力を作りつつあるのだ。
 ロシア-中国戦略的提携に関する英米メディアによるロシア嫌悪ヒステリー開始だ。
(中 略)
 だから、ウクライナは、哀れなネオ・ナチギャングと共に、ワシントンの視点からして、受け入れ難いどころでないもの、まったく平和なドイツ・ロシア・中国の新シルク・ロードを阻止する窮余の衝動における使い捨ての駒に過ぎない。
 欧米人のDNAに大量にすり込まれているロシア嫌悪は決して本当には消え去らない。エカチェリーナ2世以来、更にグレート・ゲームで、イギリス人が育んだ。ナポレオン以来、フランス人によって。赤軍はベルリンを解放したがゆえに、ドイツ人によって。スターリンが彼らにヨーロッパ勢力区分を強制したがゆえに、アメリカ人によって。そして、それは冷戦を通じて続いた。
 死に瀕した帝国が、歴史の流れを止めようと試みる最後のひとふんばりの初期段階に我々はいるのだ。彼らは出し抜かれつつあり、世界で既にトップの軍事大国に彼らは打ち負かされており、彼らはチェックメイトに追い込まれるだろう。実存的に、彼らは熊を殺す能力を備えていない。そしてそれは痛む。途方もなく。

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