国連欧州本部に核兵器廃絶を求める署名を届けた高校生平和大使20人が23日、長崎市内のホテルで帰国報告会を開きました。この平和大使派遣は1998年以来継続しているものです。
ジュネーブ軍縮会議の中で初めて演説の機会も与えられた平和大使たちは、17日に渡欧し軍縮会議事務局長に13万余筆の署名を手渡し、22日に帰国しました。
高校生たちは各国政府代表に「被爆地に立ち寄ってほしい。今一度決意を新たにし、核兵器廃絶に取り組んでください」と呼び掛けるなど、立派な大使ぶりを発揮しました。
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「止めよう!安倍首相『壊憲クーデター』」と題した市民集会が二十三日、市川市の市川教育会館で開かれ、立正大名誉教授(憲法学)の金子勝さんが、憲法9条を生かし平和な福祉国家を目指す立場から講演しました。
講演では、集団的自衛権の行使を認める閣議決定は、戦争のできる国にするという首相の野心に基くものだとし、「あらゆる手段で憲法をじゅうりんし『9条の国』から侵略戦争のできる『安保の国』に変えようとしている」と訴えました。
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平和スピーチ世界へ届いた 高校生平和大使報告
読売新聞 2014年08月24日
核兵器廃絶を求める署名を国連欧州本部(スイス・ジュネーブ)に届けた高校生平和大使20人が23日、長崎市内のホテルで帰国報告会を開いた。17代目の今年は、核軍縮などの多国間交渉を行うジュネーブ軍縮会議の中で、初めて演説の機会も与えられ、活動の大きな転機となった。20人は「核兵器の恐ろしさ、被爆地の声をこれからも発信していきたい」と気持ちを新たにしていた。(遠藤信葉、南佳子)
13都道県から選出された20人は、17日に渡欧、22日に帰国した。平和大使らは、来年開催される核拡散防止条約(NPT)再検討会議の総書記長を務めるトーマス・マークラム軍縮会議事務局長に1年間に国内外で集めた13万1743筆の署名を手渡したほか、軍縮会議日本政府代表部を訪れ、核軍縮に対する姿勢について意見を交わしたり、スイスの首都ベルンで署名活動を行ったりした。
◆「被爆体験さらに語り継ぐ」
19日の軍縮会議で演説したのは、被爆3世で活水高2年小柳雅樹さん(16)。祖母が22歳の時に爆心地から約1・5キロで被爆したことなどに触れ「被爆者の願いは、二度と被爆者を生み出さないこと」と訴え、各国政府代表に「被爆地に立ち寄ってほしい。今一度決意を新たにし、核兵器廃絶に取り組んでください」と呼び掛けた。
報告会では、各国代表が「我々はもっと努力すべきだ」と発言したり、賛意を伝えられたりしたことを紹介。「議長や軍縮局長が真剣に話を聞いてくれたのが分かった。これからも被爆3世として責任を持って被爆体験を語り継ぎ、思いを発信し続けたい」と述べた。
マークラム事務局長との面会時にスピーチしたという長崎北陽台高2年の横山香奈さん(17)は、「英語で話すのは緊張したけれど、長崎で一緒に署名活動に取り組む仲間の思いも伝えなければと思い、自分の言葉で表現することができた」と語った。
高校1年の頃から、署名活動を続けてきた長崎東高3年の竹内彩華さん(17)は、「署名集めが本当に核軍縮につながるのか不安があった」という。しかし、マークラム事務局長に活動をたたえてもらったり、スピーチの機会を与えてもらったりしたことで、「小さな活動の積み重ねが世界に通じると確信を持てた」と振り返る。
聖和女子学院高3年の猪本悠稀さん(18)はオーストラリア留学中の昨年、1人で署名活動を始めた。徐々に現地で賛同する友人が増え、最終的には約10人で778筆を集めた。「各地で運動を行うことで、世界に私たちの思いが広がる。平和への道のりは長いけれど、一歩ずつ近づいていると実感できた」と話した。
大使らの報告を聞いた被爆者の山川剛さん(77)は「すばらしい活動。みなさんは21世紀に生きる私たちにとって希望の証しです」とたたえていた。
◆活動の軌跡をまとめた本販売
高校生平和大使のこれまでの軌跡などをまとめた「はばたく高校生平和大使」(刊行委員会監修)が長崎市内の大型書店などで販売されている。A5判、202ページ。税込み1620円で初版は3000冊。問い合わせは刊行委(095・822・5253)へ。
守ろう!!「憲法9条の国」 市川で平和を考える集会
東京新聞 2014年8月25日
「止めよう!安倍首相『壊憲クーデター』」と題した市民集会が二十三日、市川市の市川教育会館であった。立正大名誉教授(憲法学)の金子勝さん(70)が、憲法九条を生かし平和な福祉国家を目指す立場から講演した。
市民団体「戦争はいやだ!市川市民の会」の主催。「正規の改憲手続きを踏まず、実質的に憲法を変える手法はクーデターと同じ。気付かないでいると、憲法がすっかり変わってしまう」と企画し、約四十人が参加した。
金子さんは講演で、集団的自衛権の行使を認める閣議決定について「首相の野心は戦争のできる国にすること」と解説。「あらゆる手段で憲法をじゅうりんし『九条の国』から侵略戦争のできる『安保の国』に変えようとしている」と訴えた。
「壊憲」の流れを止めるのに「政党や労組は期待できない」と強調。「国民一人一人が憲法の語り部となって日本中にあふれるとき、クーデターを阻止できる」と呼び掛けた。
市民団体事務局長の菊池嘉久さん(71)は「立憲主義を否定する首相に対抗するには、国民も憲法をしっかり理解することが必要」と話した。 (服部利崇)