2014年8月7日木曜日

集団的自衛権首相自ら説明 分かりにくいの声相次ぐ

 安倍首相は日、都道府県連代表者を集めた会合で集団的自衛権について説明しましが、代表者たちからは、「理解しづらい。分かりやすい説明をしてほしい」との要望が相次いだということです
 
 「集団的自衛権行使」と持って回った言い方をしてみても、要するにアメリカが行う戦争に自衛隊が狩り出され、憲法9条の制約を踏み越えて日本の防衛とは無縁の戦争に従事させられるというのが実態であることは、いまや国民に認識されつつあります。
 そんななかで安倍首相が、いくら事実とはかけ離れた都合の良いことだけを強調してみても、来春統一地方選を控え、支持率の低下を実感し、しかも住民からの疑問や批判に直面している代表者たちが、納得する筈はありません。
 
 そもそも集団的自衛権の行使容認は、首相の私的諮問機関「安保法制懇(略称)」が5月に出した報告書がベースになっていますが、それを実質的にまとめた北岡座長代理も、憲法9条が制約している「自衛権発動3要件」を変更する理論は見つからなかったことを率直に認めています。
    ※ 2014年2月24日 自衛権発動の3要件は変更できない 集団的自衛権行使の矛盾 
 
 従ってその報告書でも、9条と整合するという説明は何もなく、単に集団的自衛権を行使する必要があるという、言わば願望を表示したに過ぎないものでした。閣議決定に登場した「新3要件」も勿論その亜流です。
 
 ですから情緒論を振りまくだけで論理的な説明能力を持たない安倍氏が、それを都道府県連代表者に説明出来ると考えること自体が誤りでした。
 それともテレビ放送をした首相記者会見の時のように、10分程度、都合の良いことをまくし立てて、後は制限された馴れ合い質問で終了するとでも思ったのでしょうか。
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集団的自衛権首相自ら説明 「分かりにくい」地方なお不満
東京新聞 2014年8月6日
 安倍晋三首相(自民党総裁)は五日、党本部に都道府県連代表者を集めた会合で、集団的自衛権について説明した。来春の統一地方選を控え「集団的自衛権についてどう説明すればいいのか」といった戸惑いが地方には広がっているため、首相自らが語るという異例の対応をとった。しかし、地方の不満が消え去ったわけではない。
 
 首相は集団的自衛権の行使を認める憲法解釈変更の閣議決定について「批判があるのは承知で行った。しかし、的外れの批判も多い」と強調。例として「徴兵制につながるという批判があるが、そもそも(徴兵制は)憲法違反だと私は国会で答弁している」と述べた。
 さらに「私たちはアジアから世界から期待されている。誇りを持って進んでいこう」と理解を求めた。続けて、石破茂幹事長も三十分間にわたり説明した。
 
 各地の代表者からは「ある程度理解できた」と評価する声もあったが、「理解しづらい。分かりやすい説明をしてほしい」との要望が相次いだ。
 
 栃木県連の代表者は会合後、記者団に「なぜ解釈変更を急いだのか、説明がなかったから分からない」と不満を漏らした。
 行使容認について慎重な検討を求める意見書を県議会で可決した岐阜県連の代表も「国民への説明の仕方がまずい。集団的自衛権に対する反対があり、支持率が落ちている」と指摘。大分県連代表は「県民の理解は不十分だと思う。教育の現場でも分かりやすく説明する方法をとってほしい」と注文をつけた。