2014年8月30日土曜日

ウクライナが15分でわかる

 「ウクライナでいま何が起きているのか
 
 プーチンの顧問で友人のセルゲイ・グラジエフが、15間の動画で、アメリカの政治家たちが自分達の権力支配を維持しようとして、ヨーロッパで戦争を起こそうと死に物狂いの試みをしている、と語っています。
 彼はアメリカの意図を冷静に分析し、それに躍らされている欧州連合の政治家たちを批判しています。更にいま起きているウクライナの惨状は、アメリカの意図が集約されたものであり、もっと巨大な不幸に向かう発火点であると見ています。
 
 しかし我々が真実を拡散し続ければ、ヨーロッパを戦争の脅威から救えるだろうと結んでいます
   (以下はその動画を書き起こした記事です。原文は日本語5600字でやや長文なため、事務局で約3000字に要約しました
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ウクライナが15分でわかる
マスコミに載らない海外記事 2014年8月29日
はじめに
 もしウクライナで一体何が起きているのか理解したいとお考えであれば、プーチンの顧問で友人のセルゲイ・グラジエフのこの15分ビデオを見る必要があるだろう。
 いま、アメリカ人政治家たちは自分達の権力支配を維持しようとしてヨーロッパで戦争を起こそうと死に物狂いの試みをしている。読者がこの分析に同意されるか否かは別として、グラジエフが聡明で、博識で、信念の上で、熱心であることをご理解されよう。それだけでも、ビデオは一見に値する。ビデオを私自身で書き起こした
Mike Whitney
 
1 グローバル経済の構造的変化の前に、大きな危機と戦争が先行することが多い
"Counterpunch" 2014年8月22-24日
 過去30年間経済成長を押し進めてきた経済構造は、寿命を迎えつつある。我々は、新たなテクノロジー体制に移行する必要があるが、不幸なことにこうした移行は、これまで常に戦争を通して実現してきた。
 30年代大恐慌が、軍拡競争を起し結局第二次世界大戦を引き起こした。冷戦時代には、宇宙における軍拡競争が過去30年間世界経済を動複雑な情報・通信技術を生み出した
 現在、我々は同様な危機に直面している。
 
2 プーチンは、新たなグローバル経済への移行を容易にする自由貿易圏を推進している
 もしもプーチン大統領が常に提案している様に、リスボンからウラジオストックに至る特恵貿易圏という広範な開発区域の共同計画、共通経済空間の形成にEUと合意できれば、共通開発地域を生み出すことで我々は、医療から、宇宙からの脅威撃退に至るまで、十分な数の画期的プロジェクトを見いだし、安定した需要を生み出すことができる。
 
3  アメリカはヨーロッパにおける戦争をアメリカ覇権維持のための最上策と考えている
 ところがアメリカは、彼等による世界支配を維持するため、ヨーロッパでの次の戦争を画策している。戦争は常にアメリカにとって好都合なのだ。5000万人の人々が亡くなった第二次世界大戦によって、アメリカは世界の大国として登場したソ連崩壊で終わった冷戦もアメリカにとって好都合だった。
 現在アメリカはまたしてもヨーロッパを犠牲にして、自らの指導力を維持しようとしている。勃興する中国や他のアジア諸国との競合に直面して、自分の主導的な立場を維持するために、アメリカはヨーロッパでの戦争を既に始めている。ヨーロッパを弱体化させ、ロシアを分裂させ、ユーラシア大陸を丸ごと支配下に置こうとしている
 
 全ヨーロッパを戦争に巻き込みヨーロッパ資本の価値を引き下げれば、アメリカが既にその重みの下で崩壊しつつある債を帳消しにし、ヨーロッパとロシアからアメリカの借金を帳消しにできる。そして巨大なユーラシア大陸の資源に対する支配確立できる。
 
 各国をお互いに争わせ紛争に巻き込み世界大戦を引き起こすというのは、まさに19世紀の地政学でそれがアメリカの考え方だ。
 アメリカ人は、ロシアから分離させるためにまずウクライナを標的にた。ユーラシア空間を丸ごと乗っ取るため、ロシアを紛争に巻き込むことを狙ったものだ。ロシアは、ウクライナ無しでは超大国とはなりえず、ウクライナをロシアと反目させることでアメリカと西欧は利益を得るいうのがアメリカの考え方だ。
 
 実際過去20年間、アメリカは、ロシアを狙ってウクライナ・ナチズムを入念に仕込んできた。東方諸国とロシアとの絆を断ち切るため、グルジアが最初の犠牲になった。今やウクライナが犠牲になり、間もなくモルドバも犠牲となろう。東方パートナーシップは、ウクライナのユーラシア統合プロジェクトへの参加を妨害するために、作り出されたのだ。
 ウクライナのポロシェンコ大統領が、ヨーロッパ指導者達と署名した連合とは一体なんだろう? それは、ウクライナのEu植民地への転換だ。EU協定に署名することによって、ウクライナは主権を喪失する。貿易、関税、技術上・金融上の規制や、国家調達の支配権をEUに譲渡する。
 
4  ウクライナ・ナチス軍事政権は、アメリカ政策の手先
 ウクライナは、欧州連合の従属的パートナーであることが、EUとの協定の中ではっきりと述べられている。ウクライナはEUの指導の下で、地域紛争の解決に参加する義務を負うのだ。かくしてポロシェンコは、ウクライナをEUの植民地にし、ヨーロッパにおける戦争に火をつけようという狙いから、ロシア戦争に引きずり込もうとしている。
 
 アメリカの狙いはできるだけ多くの犠牲者を生み出すことで、ウクライナ・ナチス軍事政権はこの政策の手先だ。彼らは都市を爆撃し、一般市民、女性や子供達を殺害し、住宅から強制的に追い立てている。それはロシアを挑発するために、そしていずれは全ヨーロッパを戦争に引きずりこむために、ポロシェンコに課せられている任務だ。
 ウクライナはナチス国家に等しく、18歳から55歳までの男性国民全員を徴兵し、拒否する人々は15年間の懲役を課している。この犯罪的ナチス権力が、ウクライナ全国民を犯罪人にしてしまうのだ。
 
5  アメリカ政府は、自らの利益のため、ヨーロッパを戦争に突入させる
 ヨーロッパ経済は、現在アメリカが押しつけている経済制裁のおかげで、約1兆ユーロを失うだろう。ドイツは、2000億ユーロを失うだろう。バルト諸国の最も過激な友人達は最悪の損失を被るだろう。エストニアの損失はGDP以上だ。ラトビアにとっての損失は、そのGDPの半分だ。彼らはそれでもアメリカが一体何をしているかを問わずに、アメリカに同調している。
 ロシアとウクライナアメリカ戦略の犠牲者なのであるが、同時にそれはヨーロッパを不安定化させるためのものでもある。それなのにヨーロッパの指導者達がアメリカに同調しているのは実に奇妙なことである
 
6  依然、被占領地域のドイツ
 反ソ連主義の政治エリート連中は冷戦後時代に、ヨーロッパで育てられたそして連中は、あっと言う間に反ロシアになった。現在我々が目にしているのは、自らの国益に反して行動している政治家連中だ。
 これは主として、ヨーロッパ成長のエンジンであるドイツが、依然アメリカの占領下の国であるという事実による。
 古い世代のヨーロッパ政治家達は、アメリカ占領の軛(くびき)を外し損ねたのだ。
 
7  ナチズムの勃興
 ソ連はもはや存在していないにもかかわらず、連中は熱狂的に、アメリカ政府に従って、NATO拡張、自らの支配下にすべく新領土獲得を続けている。欧州連合はソ連(亡き)後の地域に対する攻撃的拡張継続を止めはしない。
 
 しかし欧州議会の最新の選挙は、この親米反ロシア・プロパガンダや、ヨーロッパの人々に対して降りかかるウソの絶えざる流れで、全員が騙されるわけではないことを示している。既存のヨーロッパ諸政党は、欧州議会選挙で敗北した。
 
 ウクライナで起きているのは、ナチズムの復興なので、我々が真実を語れば語るほど、それへの反撃も大きくなる。ヨーロッパは、第二次世界大戦の教訓から、ファシズム復興の兆しを覚えている。我々は、この歴史的記憶を目覚めさせ、現在キエフで権力の座にいる、ウクライナ・ナチスが、バンデラや、シュヘヴィッチや、他のナチス協力者の崇拝者であることに気がつくようにする必要がある。
 
 もし我々が真実を拡散し続ければ、ヨーロッパを戦争の脅威から救えるだろうと私は願っている。