2014年8月18日月曜日

いまウクライナで起きていること

 日本を含む西側のメディアは、ウクライナのキエフ政権(アメリカとNATOがその後盾)のイメージが悪くなる情報は伝えません。逆にロシアのイメージが良くなる情報も伝えません。(^○^)
 ロシアは早くから国際赤十字の了解の下に、ウクライナの人たちに食料などの生活支援物資1900トンを280台のトラックで送り込む計画を発表しましたが、キエフ政権はそれを拒否し、ロシアが兵器や軍需物資を送り込もうとしていると逆宣伝しました。
 しかし国際赤十字の仲介により、支援物資はこのほど無事国境を越えてウクライナに送り込まれました。
 
 それはともかく、いまウクライナの東部と南部では一体何が行われているのでしょうか。キエフ政権は何を行っているのでしょうか。
 
 海外からの情報を直かに読み解いて、連日貴重な情報を流している「櫻井ジャーナル」の17日付の記事を紹介します。
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キエフ政権はRANDの計画通りに作戦を遂行し、住民がいなくなったスラビャンスクには移住者    
櫻井ジャーナル 2014年8月17日
 マレーシア航空17便が撃墜された後もアメリカ/NATOを後ろ立てとするキエフの政権はウクライナ東/南部で民族浄化を進めている。この作戦はアメリカ軍系シンクタンクのRANDコーポレーションが作成したプランに従って遂行されているとも言われている。
 
 対象地域に住む人びとを「テロリスト」、あるいはその「シンパサイザー(同調者)」だと考えて地域を軍隊で包囲して兵糧攻めにし、放送、電話、通信手段を断つことから開始、ついで地上軍と航空機を組み合わせて戦略的に重要な施設を攻撃する掃討作戦が予定される。この間、自分たちに都合の悪い事実を報道するメディアを排除し、作戦の実態を知られないようにする。
 
 掃討作戦が終了した後に電力や通信を復活させ、避難した住民が帰還する際に分離独立に賛成しているかどうかをチックする。つまり帰還が許されるのは「ロシア嫌い」だけ。民族浄化の仕上げだ。
 
 イスラエルを「建国」する際に先住のアラブ系住民を追い出し、未だに帰還が許されていないが、同じシナリオだ。ベトナム戦争の際にもアメリカに反感を持つ人が多い地域ではフェニックス・プログラムという皆殺しプロジェクトを実行していたが、これとも似ている。
 
 スラビャンスクは5月2日から攻撃された地域で、その当時、ロシアの撮影した衛星写真は都市の周囲を1万5000名以上のキエフ軍が包囲していることを示していた。戦乱を避けるために住民は逃げ出し、街から人がいなくなる。
 
 破壊と殺戮を避けて住民がいなくなった後、ウクライナのメディアは「全てが正常」に戻って6割ほどの住民が戻ったと放送、家を出てから3カ月ほどして住民がふるさとへ帰ると、そこには知らない人たちがいて、元の住民はほとんど戻っていなかったとするレポートがある。
 
 キエフ政権は西側の巨大資本と結びついたオリガルヒ(一種の政商)とNATOと結びついたネオ・ナチを2本柱にし、ロシア語を話す住民が犠牲になっている。攻撃から逃れるためにロシアへ避難した住民は、ロシア政府によると73万人に達した。この数字を国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)も引用しているので、信頼できるだろう。
 
 ロシアへ逃れて難民として生活している人の数は減っていないようなので、6割の住民が戻ったという話は信用できず、知らない人びと(恐らく西部からの移住者)が入り込んでいるという話は事実だろう。
 
 こうしたスラビャンスクへ7月21日に入った毎日新聞の真野森作は、「政府軍と親露派との緩衝地帯を抜けてたどり着いた街では、政府による復興作業が進展。親露派が集結して戦闘が続くドネツクとは対照的に、都市の活気を取り戻しつつあった。」と記事の中で書いている。そこにいた人びとが何者なのか、そこで何があったのかなどを記者なら取材して当然だが、していないようだ。ウクライナ語とロシア語の区別がつくなら、話しただけで検討はつくだろう。この記事は旧日本軍の従軍記者が書いたような雰囲気を醸し出している。
 
 もっとも、毎日新聞だけが「戦時体制」に入っているわけではない。日本の全マスコミは勿論、「リベラル」とか「革新」に分類されている少なからぬ人たちも似たようなもので、「アメリカ発」の情報を垂れ流している。