10月の福島県知事選に向け、共産党福島県組織などでつくる「みんなで新しい県政をつくる会」は12日、県民へのアピール文を公表しましたが、それには「憲法を守る」という趣旨の文言を盛り込みませんでした。
その理由について共産党福島県委員長は、「護憲をいうと共闘を協議するときに入り口で引っかかる可能性がある。個々の政策にこだわっては原発事故後の対応が進まないから外した」と説明しています。
委員長は、別に憲法よりも原発事故対応の方が大事と言ったわけではなく、知事選で統一候補を立てて、自民党の推薦候補を破ることが絶対的に必要、ということを述べたのに違いありません。共産党が護憲の党であることを知らない人は先ずいないので、アピール文から護憲を除外したのは、知事選での共闘を最優先にしたからであることは容易に理解できます。
滋賀県知事選に引き続いて、10月の福島知事選、11月の沖縄知事選で自民党候補を連続して落選させることは、安倍政権に打撃を与え退陣を促すために、いま最も求められていることです。
実は滋賀県知事選は辛勝で、反自民票がもう少し共産党候補に流れていたら、自民党候補が当選するところでした。このときも自民党候補を落選させるかどうかが決定的に重要であったことは、いうまでもありません。
首長選の場合、政党色を出さない方が一般に有利とされているので、政策のすり合わせは出来ない方が普通です。従ってその都度独自候補を出すという考え方は間違いで、大局的見地に立つべきです。
福島県の「みんなで新しい県政をつくる会」には、最後までこの姿勢を貫いて欲しいものです。
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共産福島 「憲法」盛らず
朝日新聞 2014年8月13日
●知事選向け 県民へのアピール文
10月の福島県知事選に向け、共産党県委員会などでつくる「みんなで新しい県政をつくる会」は12日、県民へのアピール文を公表。護憲を掲げる同党だが、知事選では他党との共闘を模索しており、「憲法を守る」という趣旨の文言を盛り込まなかった。
6月に公表した知事選への政策提案にあった「憲法を守り生かす」との文言を、今回は外した。原発事故収束宣言の撤回や、県民の健康を守ることなど4項目を国に求めている。
県委員会の久保田仁委員長は取材に「憲法を守るというと他党と(共闘を)協議するときに入り口で引っかかる可能性がある。個々の政策にこだわっては原発事故後の対応が進まないから外した」と説明している。