防衛省は3日、強襲揚陸艦を海上自衛隊に導入するための調査費を、2015年度予算の概算要求に盛り込み、早ければ19年度からの配備を目指すということです。
しかし広い甲板を持ち、1000人以上の部隊の他に多数のオスプレイや上陸用の水陸両用車を運ぶことができる強襲揚陸艦こそは、他国に侵入上陸するときの必須の軍艦であって、専守防衛の装備などではありません。
小野寺防衛相は「島しょ防衛のために必要な部隊を展開できる多機能の輸送艦という意味合いで考えたい」と述べたということですが、それは敵国侵略用の艦艇を装備するための偽りの口実に過ぎません。
領海内の島しょへの他国民の上陸を許さないということこそが防衛の基本であって、十分な警備艇などを持つことでそれは可能です。それとも他国の部隊の上陸を許した後に、おもむろに強襲揚陸艦を差し向けて戦闘を始めようというのでしょうか。
防衛省は安倍首相の姿勢と呼応して、いまや誰はばかることなく他国侵略のための軍備を拡充しようとしています。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
強襲揚陸艦導入へ調査費=離島防衛強化で-防衛省
時事通信 2014年8月3日
防衛省は3日、自衛隊部隊や各種装備を輸送し上陸させる機能を持つ強襲揚陸艦を海上自衛隊に導入するための調査費を、2015年度予算の概算要求に盛り込む方針を固めた。来年度から必要な機能や規模の検討を始め、早ければ19年度からの配備を目指す。
小野寺五典防衛相は先月、米サンディエゴの米海軍施設を訪問し、強襲揚陸艦「マキン・アイランド」を視察。その後、「島しょ防衛のために必要な部隊を展開できる多機能の輸送艦という意味合いで考えたい。速やかに計画に移したい」と記者団に述べ、検討に着手する考えを表明した。
政府が昨年12月にまとめた新たな防衛大綱は、中国の海洋進出を念頭に南西諸島の島しょ防衛重視を掲げた。防衛省は米海兵隊をモデルとする「水陸機動団」の創設や、陸上自衛隊への新型輸送機MV22オスプレイ配備を踏まえ、強襲揚陸艦の導入は離島防衛能力向上につながると判断した。
強襲揚陸艦は広い甲板を持ち、1000人以上の部隊の他に多数のオスプレイや上陸用の水陸両用車を運ぶことができる。有事には作戦を指揮する司令部の機能を担うこともできる。
東日本大震災の被災地支援では、米軍が強襲揚陸艦を救援物資の輸送基地として利用したこともあり、防衛省は災害時の活用も検討する。同省は調査費を使って、米英などの運用状況を研究する方針だ。
米海軍の強襲揚陸艦「マキン・アイランド」の甲板
=7月7日、米サンディエゴ(防衛省提供)