政府は常々、沖縄に米海兵隊が駐留することが日本防衛のための抑止力になると主張していますが、海兵隊はもともとオスプレイで敵地に侵入したり、上陸用舟艇で敵前上陸するなど敵国を攻撃する部隊であって、日本の国土防衛とは無関係な戦力です。
近年になってアメリカは、経費削減などの理由で沖縄から撤退する意向を示しましたが、日本のいわゆる「安保で食う人たち」がそれを必死に押し留めて、現在に至っているといわれています。
日米外交の政策提言を行うシンクタンクの新外交イニシアティブ(ND、東京)は、「海兵隊の抑止力は虚像」であることを解明した「虚像の抑止力―沖縄・東京・ワシントン発 安全保障政策の新機軸」(旬報社)を7日に出版します。
著者の一人の柳沢協二元官房副長官補は、「抑止力は虚像であると沖縄の人に訴えたい」と述べています。
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海兵隊の欺瞞解き明かす ND「虚像の抑止力」出版へ
琉球新報 2014年8月2日
【東京】日米外交の政策提言を行うシンクタンクの新外交イニシアティブ(ND、東京)は、政府が沖縄に米軍基地を置き続ける理由に挙げる「海兵隊の抑止力」の欺瞞(ぎまん)性を解き明かす「虚像の抑止力―沖縄・東京・ワシントン発 安全保障政策の新機軸」(旬報社)を7日、出版する。
著者の一人、柳沢協二元官房副長官補は1日、政府が基地負担軽減策として提案した普天間飛行場のオスプレイの佐賀空港への暫定移転などについて「普天間の海兵隊がいなくても抑止力に影響はないと政府自ら認めたもの」と指摘し、集団的自衛権行使を容認する閣議決定をした安倍政権に対し「暴走を止めるのは沖縄の決断にかかっている。抑止力は虚像であると沖縄の人に訴えたい」と述べた。
米ジョージワシントン大のマイク・モチヅキ教授は「北朝鮮や台湾海峡で有事が起こっても海兵隊の役割はない。尖閣問題をめぐっても米国に中国と戦争するメリットはなく、在日海兵隊の意味はなくなっている」と指摘した。
著者はほかに半田滋東京新聞論説兼編集委員、屋良朝博元沖縄タイムス論説委員、猿田佐世ND事務局長。
NDは柳沢、半田、屋良の各氏らによる出版記念シンポジウムを25日午後7時から沖縄かりゆしアーバンリゾート・ナハで開く。コーディネーターを務める猿田氏は「基地の県内移設に反対する沖縄の声を米国に届けるには安全保障の理論が必要」として、「抑止力」の議論が起こることを期待した。シンポは参加費700円(前売り500円)、問い合わせは http://www.nd-initiative.org/http://www.nd-initiative.org/