2017年11月19日日曜日

「スウェーデンで近く米朝協議」と元ロシア外務官僚

 北朝鮮が核/ミサイル実験を少なくとも2カ月止めていた」ことから、「実験を少なくとも2カ月間止めれば対話に応じるしていた米国は、北朝鮮との会談を行うことを、極秘の外交ルートやロシアを通じて北朝鮮に伝えたということです
 元ロシア外務省朝鮮部長で、ロシア科学アカデミー経済研究所のトロラヤ・アジア戦略センター長が東京新聞の取材に応じ、スウェーデンで近く米朝協議が行われるとの情報があることを明らかにし、「重要な交渉になる。事態が動く可能性はある」との見通しを示しました。
 米朝の話し合いに向けて一歩踏み出す方向に向かったのは喜ばしいことです。

 スイス・ジュネーブに駐在する北朝鮮のハン大使のコメントを報じたNHKの記事も併せて紹介します。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「スウェーデンで近く米朝協議」 元ロシア外務省朝鮮部長が見解
東京新聞 2017年11月18日
 核・ミサイル開発を続ける北朝鮮を巡り、元ロシア外務省朝鮮部長で、ロシア科学アカデミー経済研究所のトロラヤ・アジア戦略センター長(61)が本紙の取材に応じ、北欧のスウェーデンで近く米朝協議が行われるとの情報があり、「重要な交渉になる。事態が動く可能性はある」との見通しを示した。 (モスクワ・栗田晃、写真も)

 北朝鮮は核・ミサイル実験を二カ月にわたり行っていない。この点に関しトロラヤ氏は「『実験を少なくとも二カ月間止めれば、対話に応じる』との米国からの要望に基づく」と解説。米国の要望は、極秘の外交ルートやロシアを通じて北朝鮮に伝えられたという。
 トロラヤ氏は十月、国際会議出席のためモスクワを訪れた北朝鮮外務省の崔善姫(チェソンヒ)北米局長と懇談。核・ミサイル開発と、米韓合同軍事演習を同時に凍結する提案に関しては、崔氏が核開発の進展で状況が変わったとして、「既に時機を逸した」と指摘したという。
 北朝鮮と米ロ、中国の間にはここ二年ほど、同時凍結を模索する動きがある。トロラヤ氏は、演習停止に加え北朝鮮が「制裁緩和や経済支援など、米国からより多くの交換条件を引き出そうとしている」とみる。

 トロラヤ氏は十月に北朝鮮北東部の経済特区、羅先(ラソン)を訪問。ガソリン不足など制裁強化の影響は徐々に出ているが、「軍事目的の燃料備蓄は十分あり、制裁の効果が上層部に達するのは国民が苦しんでからだ」と指摘。制裁を強めるほど、北朝鮮はサイバー犯罪や麻薬取引など非合法な手段で外貨獲得を狙うことになるとして、米国や日本の圧力強化の方針に疑問を呈した

 <ゲオルギー・トロラヤ> モスクワ国際関係大を卒業後、1978年にソ連外務省入省。在北朝鮮ロシア大使館参事官や、ロシア外務省第1アジア局副局長などを歴任。


北朝鮮大使 米韓軍事演習の停止が話し合いに応じる条件の1つ
NHK NEWS WEB 2017年11月18日
国連ヨーロッパ本部のあるスイス・ジュネーブに駐在する北朝鮮の大使は、「アメリカがわれわれの玄関先で戦争ゲームを続ける限り、交渉は行わない。もしも、わが国に対する軍事演習をやめるのであれば、将来何をすべきか考える」として、アメリカ軍と韓国軍による合同軍事演習の停止が話し合いに応じる条件の1つだとする認識を示しました。
国連ヨーロッパ本部のあるスイス・ジュネーブに駐在する北朝鮮のハン・デソン大使は、17日、ロイター通信のインタビューに応じました。

この中でハン大使は、「アメリカの核の脅威が存在する以上、われわれは自衛的な核抑止力の構築を続けていくだろう」と述べ、北朝鮮が続ける核・ミサイル開発を正当化しました。そのうえで、「アメリカがわれわれの玄関先で戦争ゲームを続ける限り、交渉は行わない。もしも、わが国に対する軍事演習をやめるのであれば、将来何をすべきか考える」と述べ、アメリカ軍と韓国軍による合同軍事演習の停止が話し合いに応じる条件の1つだとする認識を示しました。