総選挙の翌日の10月23日、政府税制調査会は所得税の給与所得控除の廃止・縮小や公的年金等控除の引き下げを提言しました。勿論選挙前に決まっていたことです。
それが実行されれば現役世代は「年間40万円」の負担増となり、年金生活の高齢者には「年間15万円」の年金増税が降りかかります。
また現在40歳以上の国民が負担している介護保険料(全国平均は月額5642円)も、厚労省は対象を「20歳以上」に広げることを検討しています。
そこに例の「消費税10%の負担」が加わるわけです。
安倍首相は選挙中は一言も口にしなったのに、日本はこれから未曽有の重税国家へ突き進もうとしています。
安倍首相は選挙中は一言も口にしなったのに、日本はこれから未曽有の重税国家へ突き進もうとしています。
YAHOOニュースと日刊ゲンダイの記事を紹介します。
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日本は未曽有の重税国家へ 全世代で生活ギリギリに
YAHOOニュース 2017年11月7日
(週刊ポスト 2017年11月17日号)
日本は2018年に未曽有の重税国家となる。給与所得控除の廃止・縮小や公的年金等控除の引き下げといった政府税調の増税議論が実行に移されると現役世代は「年間40万円」の負担増となるサラリーマン増税を強いられ、年金生活の高齢者は「年間15万円」の年金増税に直撃される。
さらに住民税、観光税、森林環境税、宿泊税など続々と検討されている増税で身動き取れなくなったところに、社会保障の負担増が重なる。
それというのも、来年は、診療報酬の改定を含めた医療と介護制度の抜本改革が行なわれ、医療費や介護施設を利用した際の窓口負担が増えるのは確実だからだ。
「介護はずっと先の話」と考えている若い世代にも深刻な影響が及ぶ。現在、介護保険料は40歳以上の国民が負担し、全国平均は月額5642円に達している。それでも介護保険財政が大幅に悪化して財源が足りないことから、厚労省は対象を広げて「20歳以上」の国民全員から保険料を徴収することを検討している。
この介護保険料はサラリーマンの場合は給料から天引きされるため、気づいた時には手取りが5000円以上減る。比較的所得の少ない20~30歳代はこれだけでいきなり年間約6万円の負担増になる。
そうして若い世代から高齢者まで生活がギリギリまで追い詰められたところで、いよいよ2019年10月からは消費税率10%への引き上げで生活を完全に破壊される。
500万円世帯で年30万円…「サラリーマン大増税」が急浮上
日刊ゲンダイ 2017年11月7日
2019年10月に消費税率を10%に引き上げる構えの安倍政権。消費税増税に隠れて、もうひとつ、サラリーマンを狙った超大型増税が検討されている。10.22総選挙の翌日、政府税制調査会が総会を開き、所得税の「給与所得控除見直し」を提言したのだ。
給与所得控除とは、サラリーマンが、勤務をする上で発生する必要経費には課税しない制度だ。スーツやワイシャツなどは、サラリーマンとして働くのに最低限必要でしょうと、経費として認め、あらかじめ一定額を控除している。
例えば、年収500万円、専業主婦と子ども2人(16歳未満)の世帯では、必要経費として154万円控除される。
ところが、財務省はこれが「過大だ」と主張しはじめているのだ。政府税調の総会で財務省が報告した実態調査によると、年収500万円クラスの必要経費は年間わずか19万円だという。現在の154万円とは、135万円もの差がある。内訳は、衣料品1万3000円、つきあい費6600円、理容・洗濯7500円など、超少額になっている。しかも、<実際には勤務と関係ない支出も含まれる>とし、これでも高いと言いたげだ。安倍政権はこの数値をベースに増税議論を一気に加速させる意向だ。
仮に、前出の年収500万円世帯で給与所得控除額が、現行154万円から19万円になると、どうなるのか――。立正大客員教授で税理士の浦野広明氏の試算では、所得税が10万円から24万円に、住民税は21万円から36万円へと、合計約30万円もの増税になるという。浦野氏が言う。
「財務省は消費税と違って、給与天引きの控除見直しなら、それほど騒がれずに増税できると踏んでいるのでしょう。しかも、選挙中は何も言わなかったのに、開票翌日に打ち出すとは、サラリーマンをなめ切っています。そもそも“必要経費”という考え方自体が間違っています。給与所得者は体ひとつで労働力を提供しています。自ら健康を維持し、次世代の後継者を育て、労働力を再生産しているのです。勤務と直接関係しているものだけが、かかっている経費ではありません」
次の国政選挙は19年の参院選。安倍政権は、選挙のない18年にサラリーマン増税を強行するつもりだ。ただでさえサラリーマンの生活は苦しくなっている。年収500万円世帯で30万円も増税されたら生活できない。絶対に許してはダメだ。