いくらトランプ大統領がハチャメチャに振る舞っているように見えても、彼が大統領選に於いて、ロシアと結託してヒラリー氏を貶めるプロパガンダを行ったなどということは、俄かには信じがたいことです。トランプ氏が事前にそんなルートを築いていたとは思えないからです。
逆に「ロシア側と称されるところ」からトランプ氏側に向けてその種の働きかけはあったようですが、「陰謀」や「謀略」にはそういう働きかけは付きものです。
トランプ氏が大統領選で勝利してからというものは、アメリカではひたすらトランプ氏が「ロシア側と結託していた」というプロパガンダが流されて貶められています。
しかしPaul Craig Robertsは、そうしたものは逆に全てヒラリー氏側が捏造したものであると述べました。
彼は決してデタラメなことを言う人ではありません。「陰謀と謀略の国アメリカ」の実像が窺われる話です。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
史上未曾有のワシントンの腐敗
マスコミに載らない海外記事 2017年11月 6日 (月)
Paul Craig Roberts 2017年11月2日
ロンドン・メトロポリタン大学のグローバル政策研究所研究員、ジョージ・サミュエリ博士はイギリス国民で、どこかのアメリカ政治党派を支持しているわけではない。彼は、いわゆるロシア書類を入念に調査し、丸ごとヒラリー民主党の仕業だったと報告した。
そもそも最初から、元CIA長官ジョン・ブレナンも、元FBI長官ジェームズ・コミーもこの事実を知っていたのだ。それなのに、二人とも、民主党全国委員会がでっちあげたロシアによる選挙ハッキング話と、トランプとロシアとの想像上の関係についてのクリストファー・スティールの似非“書類の話に乗ったのだ。
売女マスコミは、彼らとして語るべきウソをついた。この策謀の結果、トランプ大統領の最初の一年は無駄になり、トランプ大統領が、核大国ロシアとの間の危険なほど高い緊張を緩和するのを阻止したのだ。これはトランプ大統領のとってのみならず、アメリカ国民や、地球そのものにとっても大迷惑だ。
サミュエリ博士は、支配層の既得権益集団によってではなく、国民によって選ばれた大統領を破壊するための、腐敗したアメリカ支配体制による策謀の卑劣な詳細を説明している。
元FBI長官ロバート・ミュラーによるボール・マナフォート逮捕は、“法”を武器として利用する腐敗したワシントンの姿の一つだ。ミュラーは“ロシアゲート”を捜査しているはずだ。彼がマナフォートを逮捕したのは、ロシアゲートとは全く無関係だ。2006年、“ロシアゲート”の十年前、マナフォートが、ウクライナ政府の未登録代理人として受け取った所得を報告しなかったという申し立てを理由に、ミュラーはマナフォートを逮捕した。
当時の新聞報道によれば、元国防政策委員会メンバーで、国防次官補だったシオニスト・ネオコンのリチャード・パールは、トルコの未登録代理人をしていたが登録法違反のかどで逮捕されてはいない。
しかし、マナフォートは違うのだ。一時はトランプの大統領選挙対策本部長をつとめたマナフォートを逮捕することで、ミュラーにトランプに対する冤罪を提供して、マナフォートが抜け出すまで、ミュラーは、色々罪を積み上げることができる。
現在のアメリカ連邦裁判所では、告訴しても、それを証明する必要はもはやなく、主張するだけで良いのだ。トランプが軍安保複合体に屈し、ロシアとの関係を正常化する意志を放棄しても、軍安保複合体が受け入れるのに、トランプが十分でない場合、マナフォートが、ミュラーが彼に与える話が何であれ、それに同意するまで、ミュラーは、マナフォートを締め付けることができるのだ。マナフォートやトランプは、決して公正を期待することはできない。アメリカの “司法” 制度には、ここ何十年も、公正は皆無だ。
Paul Craig Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼 の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Order.が購入可能。
記事原文のurl: