2017年11月1日水曜日

米・北のチキンレースを煽るのは愚かなこと

 トランプ大統領は、空母を3隻も近海に投入して韓国との軍事演習をするなど、いまも盛んに北朝鮮を挑発していますが、米紙世論調査によると、米大統領の北朝鮮への対応を「支持しない」との回答が51%に達し、「支持する」の34%を上回っています。
 安倍首相はそんなトランプ氏と完全にタッグを組んで得意満面になっているわけです。
 トランプ大統領は、最悪の場合軍事衝突が起きても米本土には全く影響しないから・・・と考えているとも伝えられています。

「日々雑感」氏は、米と北朝鮮のチキンレースを煽るのは愚かなこととして、次のように批判しています。

 北朝鮮の核開発とミサイル開発は世界平和実現に対する重大な挑戦ではあるが、それは北朝鮮だけのことではなく、「安保理常任理事国」も大量の核兵器を保有しICBMを保有しているのだから、北朝鮮だけを批判するのは的外れである
 北朝鮮の核が邪悪で「安保理常任理事国」の核が正義だということはない。すべて他国を攻撃し侵略するための兵器や装備は「邪悪」で、ことに核兵器は悪魔そのものだが、今年の国連の核兵器禁止条約に参加しなかった安倍政府は北朝鮮の核兵器を批判することはできない筈である
 北朝鮮が孤立していると思い込んでいるのは日本だけで、北朝鮮は世界162ヶ国と国交があるので、制裁を課して貿易を制限しようと、隠れて北朝鮮を支援する国はいくらでもある。安倍政権は北朝鮮と米国のチキンレースを煽るべきではない。

 いずれも正論であり、安倍首相は認識を改めてそれを今後の言動に反映させるべきです。
 それとは別に、中国は北朝鮮に対して、再び豊渓里実験場で地下核実験を行えば山が崩壊し、取り返しがつかない結果になると警告しまし
 日本テレビのニュースも併せて紹介します。
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餓鬼じみたチキンレースを煽るのは暴走族に群がり見物する愚かな群衆と同じだ
日々雑感 2017年10月31日
 米紙ウォールストリート・ジャーナル電子版が29日に発表した世論調査によると、トランプ米大統領の北朝鮮への対応を「支持しない」との回答が51%に達し、「支持する」の34%を上回った。
 核実験や弾道ミサイル発射など挑発を繰り返す北朝鮮に対し、威嚇的な言動を続けるトランプ氏の手法を多くの人が疑問視していることを物語っている。

 トランプ氏が欧米など6カ国とイランが結んだ核合意の破棄を辞さない方針を表明したことに関しては「支持する」は24%にとどまり、45%が「支持しない」とした。
 来年秋の中間選挙に向けた投票行動に関し、46%がトランプ氏や共和党を監視するため、民主党の議席増を望むと回答。共和党の議席増を望む人は28%だった。

 トランプ氏の支持率は同紙の調査で就任後最低の38%、不支持率は58%。調査は今月23~26日に、900人を対象に電話で実施した
(以上「共同」より引用)

 ICBMの標的とされる米国でさえ北朝鮮の金正恩を「ロケットマン」と揶揄して挑発するトランプ氏に眉を顰める国民が過半数いる、ということだ。トランプ氏とタッグを組んで北朝鮮に強硬姿勢を見せる安倍氏が国民の広範な支持を得ているとは思えない。
 確かに北朝鮮の核開発とミサイル開発は世界平和実現に対する重大な挑戦で、許し難い暴挙だ。しかし、それは北朝鮮だけのことではない。戦勝国クラブの五ヶ国も大量の核兵器を保有し、ICBMを保有している。北朝鮮だけを批判することは的外れではないだろうか。
 北の核開発とミサイル開発が極東の平和を脅かす、というのなら北に核開発技術やミサイル技術を供与した中国やロシアやバキスタンやイランも当然批判されるべきだろう。国連の「安保理常任理事国」として世界にフンゾリ返っている戦勝国クラブ五ヶ国も自らの平和に反する姿勢を反省すべきだろう。

 北朝鮮の核が邪悪で戦勝国クラブ五ヶ国の核が正義だ、ということはない。すべての他国を攻撃し侵略するための兵器や装備は「邪悪」だ。ことに核兵器は悪魔そのものだ。
 安倍日本政府は北朝鮮の核兵器を批判する立場にあるのか。今年の国連の核兵器禁止条約に日本は参加しなかった。それが米国に遠慮してのことだとしたら安倍自公政権のありようは日本国民から批判されるべきだ。

 その時々で異なる判断を示すことは「ご都合主義」でしかない。ましてや麻生氏がポロリと本音を漏らしたように「北朝鮮の脅威」を選挙に利用したとするなら国民に対するだけでなく、世界平和に対する冒涜以外の何ものでもない。
 その行為は路肩に集まり暴走族を見物して暴走行為を煽っている愚かな群衆の一員と何ら違わない。いや批判しているのだ、と安倍氏が強弁しようが、北朝鮮が米国を対象国としてICBM開発に狂奔しているのを「制裁を課す」として、利きもしない強硬姿勢のみを示すのが外交ではない。
 北朝鮮が孤立していると思い込んでいるのは日本国民だけだ。北朝鮮は世界162ヶ国と国交がある。制裁を課して日本や米国が貿易を制限しようと、その裏で北朝鮮を支援する国はいくらでもある

 北朝鮮と米国のチキンレースを煽るのではなく、日本政府は極東と世界平和のために行動すべきだ。その前提となるのはすべての国の核兵器禁止条約の制定とその実行を戦勝国クラブの五ヶ国にも迫ることだ。
 世界を何万回も破滅させられる大量の核兵器を保有しているなぞ、人類は狂気の世紀を生きている。この世界破滅の淵に立たされている「狂気の世紀」を人類は一体いつまで続けるつもりだろうか。世界唯一の被爆国日本は世界平和の立場に立って発言し行動すべきだ。



中国学者「再び核実験で山崩壊」 北に警告
日本テレビ 2017年10月30日
 北朝鮮が核実験を行っている豊渓里の実験場について、中国の地質学者らが北朝鮮に対し、再び実験を行えば山が崩壊し取り返しがつかない結果を生むと警告していたことがわかった。

 中国政府の研究機関中国科学院は先月、北朝鮮の地質学者らを招待し意見交換した。香港の有力紙によると中国の研究者が、北東部の豊渓里実験場での核実験に言及し再び実験を行えば、山が崩壊し、取り返しがつかない結果を生むと警告したという。中国は、核実験の放射能漏れによって北東部が汚染されることを懸念していて、これについて警告したものとみられる。

 また韓国の気象庁は豊渓里の衛星画像を分析した結果、地下で実験が行われた山の山頂付近で地面が9.2平方キロにわたって崩れていて、最も大きいところでは3メートル沈下していると明らかにした。その上で核実験によるものである可能性が高いとしている。