外国特派員協会で9日、「北朝鮮のミサイルと核」をテーマに講演したランス・ガトリング氏は、米陸軍で米国と日本の連絡担当を務めた軍事専門家です。その彼が講演のなかで
「北朝鮮の大陸間弾道ミサイルを日本は(アメリカら購入した兵器で)迎撃できるのかと問われたら、答えは“ノー”です」
と語り、トランプ氏が「米国からの軍事兵器購入が完了すれば、北朝鮮のミサイルを撃ち落とせる」と述べたことを否定しました。
その理由は、日本に向ける場合はロフテッド軌道で打ち上げるので降下時には加速されるため迎撃は難しいというもので、水平に飛翔する場合について言及したものではありません。
しかし、水平の飛翔であっても中距離ミサイルでは秒速2~5km、長距離ミサイルでは秒速5~7kmものスピード※なので、迎撃が難しいというのは共通の話です。
もしもそうではなく、ある程度高い確率で当たるというのであれば米国はその証拠を示すべきです。
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防衛装備品“爆買い”の愚 元米軍人「ミサイル迎撃は困難」
日刊ゲンダイ 2017年11月10日
9日、外国特派員協会で、宇宙関連事業のコンサルティング会社社長のランス・ガトリング氏が「北朝鮮のミサイルと核」をテーマに講演した。ガトリング氏は、米陸軍で北東アジア地域の軍事問題について米国と日本の連絡担当を務めた軍事専門家でもある。
トランプ米大統領は、6日の日米首脳共同記者会見で「(米国からの)軍事兵器購入が完了すれば、安倍首相は北朝鮮のミサイルを撃ち落とせる」と胸を張っていたが、ガトリング氏は講演でこう語った。
「北朝鮮の大陸間弾道ミサイルを日本は迎撃できるのかと問われたら、答えは“ノー”です。(迎撃するには)どこからどこへ発射されるのか『正確』に捕捉しなければなりませんからね。加えて、北朝鮮が日本の上空に向けてミサイルを飛ばすときは、ほぼ真上に発射するロフテッド軌道になります。高高度を飛翔し落下スピードが速いため、通常軌道よりも迎撃が難しい。迎撃にセカンドチャンスはありません。当然ながら、推測ではどうにもできないのです」
北朝鮮のミサイル技術については、こんな見方を披露した。
「北朝鮮のミサイルは短・中・長距離どれをとってもソ連やウクライナ、エジプトなどの技術や部品が組み合わされています。アメリカやイギリス、日本の精密部品も使われています」(ガトリング氏)
元米陸軍人が「迎撃は難しい」と断言する一方で、安倍政権はすでに1基800億円の陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の導入を決めている。またカモられるだけか……。