内閣府が発表した「7~9月期の国内総生産GDP情報」に関して、しんぶん赤旗が国民生活の側から厳しく批判した「主張」を載せました。概略以下のようにのべています。
今年7~9月期の国内総生産は、4~6月期に比べて実質で0・3%増となったものの、外需の0・5%増に対し内需は0・2%減で、輸出依存のゆがんだ姿が改めて浮き彫りになりました。
GDPの約6割を占める個人消費は実質で前期比0・5%減と7四半期ぶりの落ち込みとなり消費の低迷は明らかです。
安倍氏が政権復帰後に強行した14年4月の消費税率5%⇒8%への引き上げの後、家計調査の消費支出が前年より増えたのは42カ月中わずか4カ月しかなく、これではどうしようもありません。
何よりもまず大企業のための「アベノミクス」を中止し、消費税の増税も中止し、国民の暮らしを助ける政策に転換する必要があります。
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[主張]7~9月期GDP 消費立て直す抜本策が不可欠
しんぶん赤旗 2017年11月17日
内閣府が発表した今年7~9月期の国内総生産(GDP、季節調整済み速報値)は、4~6月期に比べて実質で0・3%増と7四半期連続の増加となったものの、外需の0・5%増に対し内需は0・2%減で、輸出依存のゆがんだ姿を改めて浮き彫りにしました。とくにGDPの約6割を占める個人消費(民間最終消費支出)は実質で前期比0・5%減と7四半期ぶりの落ち込みとなっており、消費の低迷は明らかです。国民の所得が伸び悩んでいるうえに消費税や社会保険料などの負担増が続いているためで、消費を立て直す抜本策が不可欠です。
「アベノミクス」の破綻
GDP統計によれば、内需は個人消費だけでなく、民間住宅(0・9%減)、政府の最終消費支出(0・1%減)、公共投資(2・5%減)なども軒並み減少しています。安倍晋三政権は、2012年末に政権に復帰して以来、5年近くにわたって“目玉”にしてきた経済政策「アベノミクス」で景気の回復が続いていると宣伝し、今回の個人消費などの落ち込みも天候不順による一時的なものと主張しています。しかし、5年たっても本格的な景気回復が実現していないこと自体、「アベノミクス」の破綻を証明しています。
GDP全体で前期比0・3%増といっても、この伸びが1年間続くと計算した年率換算では1・4%増にしかならず、極めて低い経済成長です。4~6月期には前期比0・9%増となっていた内需が今期は0・2%減と逆転したことも深刻です。輸出などが増えたという外需も世界的な景気回復を「追い風」に、自動車や電子部品などの輸出が拡大したのが中心で、大企業のもうけは増やしても中小企業を含めた国民生活全体の改善とは程遠い限りです。
GDP統計以外の最近の政府の経済統計を見ても、「アベノミクス」の破綻は鮮明です。総務省が発表する家計調査報告でも、9月の消費支出は1年前に比べ実質0・3%の減少です。厚生労働省の毎月勤労統計調査によれば、5人以上の事業所の9月の実質賃金は、現金給与の総額で前年比0・1%減、残業代などを除いた決まって支給する給与では同0・3%減です。円安や株高で大企業や大資産家の所得やもうけを増やせば、回り回って国民の暮らしが良くなるという“トリクルダウン(滴り落ち)”が売り物の「アベノミクス」は、大企業や大株主のもうけや「ため込み」を増やしただけで、国民には回っていません。
加えて安倍政権が強行した消費税の増税や社会保障の改悪で国民の負担は増えており、安倍氏が政権に復帰した後に強行した14年4月からの消費税の5%から8%への引き上げの後、家計調査の消費支出が前年より増えたのは42カ月中わずか4カ月です。構造欠陥だらけの「アベノミクス」の中止と国民の暮らしを応援する政策への抜本的転換が不可欠です。
まず消費税の増税中止を
安倍首相は先の総選挙で、「少子高齢化が国難」だと主張、再来年10月からの消費税の8%から10%への引き上げを予定通り行い、使途を見直すなどといいました。しかし問われているのは暮らしを破壊する増税そのものの是非です。消費税増税の中止こそ国民生活を立て直す最優先課題です。