トランプ大統領は安倍首相に莫大な額の米兵器を購入することを約束させて意気揚々と日本を去りました。
トランプ氏は共同記者会見で「安倍首相は様々な防衛装備を米国からこれから購入することになるだろう」と述べ、YAHOOニュースによれば、トランプ氏が「非常に重要なのは、日本が膨大な兵器を追加で買うことだ」と言ったのに対して、安倍首相も「日本の防衛力を質的に、量的に拡充していかなければならない」と応じています。
トランプ氏が初めに日米の貿易不均衡に大きな不満を持っていると脅したのは、何のことはない、超高額な米兵器を膨大な量日本に買わせることを安倍首相に約束させるためのハッタリ(ブラフ)であったわけです。
元々彼の言う「貿易不均衡」なるものは、日本の製品は高性能で廉価なので米国人が沢山買い、アメリカのものは高くて良くないので日本人は買わないだけの話で、別に「不均衡」と騒ぎ立てるようなものではありません。それが不満であれば、日本製品を買わないように米国人が我慢すれば済むことです。
米国のやり方を熟知している外交のプロ:天木直人氏と孫崎享氏は二人の対談の中で、北朝鮮問題は日本に膨大な米兵器を買わせるための「仕掛け」であるという見方をしています※1。
アメリカは日本に対して兵器の価格はアメリカが一方的に決められるという仕掛け(FMS)を作り、不良品や未完成品(1機が150億円もするF35戦闘機など)を売りつけ上に、日本が金を払ったのにいつまでも兵器を納入しないなどの滅茶苦茶な対応をしています。
そもそもいまや米兵器は陳腐化していてロシア製に適わないと言われています※2。
(マスコミに載らない海外記事)
性能がいまいちの兵器であってもアメリカの威光でいくらでも売れるということになれば、兵器メーカーは開発・改良に資金を投じなくなるので、その結果として現れているものです。
目下米国が最大の売り物にしている「イージス・アショア」などの迎撃ミサイルも、迎撃成功のシーンとして見せられているものは単なるテレビゲーム様の画面であって 真の性能は全く不明です。常識で考えても秒速2キロを超えるミサイルを体当たり方式で正確に迎撃できる筈がありません。
安倍首相はトランプ氏にいい顔をしようとするばかりで国益の概念を失っているようですが、この先そんなものを無尽蔵に買っていてはいくら金があっても足りません。財政はさらに急速にひっ迫するし、その結果として民生はさらに圧迫されます。
LITERAとYAHOOニュースの記事を紹介します。
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御用マスコミが報道しなかった来日トランプのトンデモ言動!
属国扱い、武器売りつけ、北ミサイル迎撃強要
LITERA 2017年11月7日
トランプ米大統領はきょう、離日し、韓国に向かった。安倍首相は今回の来日について「日米同盟の揺るぎない絆を世界に示すことできた」と自画自賛しているが、バカも休み休み言え。
この米大統領は、日本を徹頭徹尾、“米国の属国”扱いし、食い物にしようとしていただけではないか。
来日前からその兆候はあった。トランプは立ち寄ったハワイで「パールハーバーを思い出せ。戦艦アリゾナを思い出せ。決してあの日を忘れない」とツイートしたのだ。いうまでもなく“Remember Pearl Harbor”は真珠湾を奇襲した日本の卑劣さを忘れるなという意味で、日米開戦のスローガンとして使われた言葉だ。
さらに、信じられないのが米軍横田基地から日本入りしたことだ。通常、歴代米大統領が首都圏に来る場合、羽田空港を使う。ところが、トランプはあえて日本の入国審査や法体系が通用しない米軍基地に降り立ったのである。これは明らかに“日本には主権などない、いまも米国の支配下にある”とのメッセージにほかならないだろう。
しかもその日、トランプ大統領は横田基地での演説で「横田基地は日本のみならず世界でもっとも能力の高い基地だ」とした上で、こう言い放った。
「我々は空を支配し、海を支配し、地上と宇宙を支配している! 単にいま最高の装備を持っているからではない。これからたくさんやって来るのだ。諸君も予算を知っているだろう。過去とは比べものにならない。素晴らしい新装備がこれからたくさん送られてくることになる。そして、アメリカ以上にそんな装備を作ることができるものなどいない。アメリカだけだ」
他国の駐留基地で「空と海と地上を支配している」などというセリフを平気で口にするというのは、日本を属国扱いしている証拠である。
「安倍は様々な防衛装備を米国から買うことになる」
しかも、トランプが今回の来日で目的にしていたのは、日米同盟の結束などではない。
安倍首相との共同記者会見でトランプはこう断言した。
「安倍首相は様々な防衛装備を米国からこれから購入することになるだろう」「そうすれば上空でミサイルを打ち落とすことができる」
そう、トランプは、武器を売りつけていたのだ。もともと、「バイ・アメリカン」(アメリカ製品を買おう)をスローガンにかかげ、とりわけ軍需産業の活性化によって国内経済を立て直したいという思惑をもつトランプだが、北朝鮮を挑発して危機感を煽ることでアメリカの武器を買うよう、日本に要求していたのだ。まるで“ヤクザ”まがいのやり口だがが、しかし情けないのが、その“ヤクザ”に言われるがまま状態の安倍政権だ。
安倍首相はこれまで国会で「我が国は最先端の技術を用いた米国の装備品を導入しているが、これらは我が国の防衛に不可欠なもの」として、「結果として、米国の経済や雇用にも貢献するものと考えている」などと宣い、8月の日米安全保障協議委員会(2プラス2)でも、北朝鮮危機を理由に小野寺五典防衛相が新たなアメリカ製弾道ミサイル迎撃システム「イージス・アショア」を導入したいとアメリカ側に伝えた。イージス・アショアは1基につき約800億円で、日本は2基・約1600億円分を購入する予定だという。
そして、昨日の日米首脳共同記者会見で安倍首相は、あらためて「北朝鮮情勢が厳しくなるなかで、日本の防衛力を質的に量的に拡充していかないといけない」と明言し、具体例としてF-35戦闘機などをあげて「米国からさらに購入することになる」とトランプの前で確約。貿易摩擦を軍事装備で解消するとのアメリカの目論見を丸呑みしてしまったのだ。
しかも、あらためて言っておくが、こうした安倍政権の軍事装備の大量購入は、日本を守るためではなく、単にアメリカの懐を潤すことにしかならない。むしろ、トランプによって、これから日本は北朝鮮との戦争参加を強要されていくだろう。
「武士の国なのに北朝鮮のミサイルをなぜ迎撃しない」
事実、トランプは日本の対北朝鮮への姿勢にかんして、恐るべき発言をしていた。今年8、9月に北朝鮮が日本列島上空を通過する弾道ミサイルを発射した際、日本政府は「我が国に飛来する恐れがないと判断した」(小野寺防衛相)として、イージス艦や地対空誘導弾PAC3などで破壊措置を実施しなかった。ところが、これについてトランプは、東南アジア諸国の複数の首脳に「迎撃するべきだった」「武士の国なのに理解できない」などと、不満げに語っていたというのである。
「武士の国」などという言い方がネトウヨとそっくりで笑ってしまうが、それよりも、この男は日本が北朝鮮のミサイルを迎撃するということがどういう意味をもつのか、わかっていっているのか。
日本政府は8月と9月のミサイル発射の際、事前にその兆候を掴んでいたといわれるが、そもそも、落下地点はそれぞれ襟裳岬から東に約1180km、2200km先太平洋上の公海で、日本の領海どころか排他的経済水域の外側だ。
北海道を通過したといっても、高度は推定550km(8月)と800km(9月)で、日本の領空のはるか上である。
それを、トランプが言うように、日本が迎撃していたらどうなっていたか。そもそも技術的問題として可能だったかはおくとしても、もし上空のミサイルを撃ち落としていれば、逆に日本の先制攻撃とみなされうる。言わずもがなその場合、北朝鮮が日本を攻撃する口実を与えることになる。
おそらく、トランプはそのことを期待していたのだろう。日本が北朝鮮のミサイルを迎撃し、北朝鮮が日本を攻撃すれば、心置きなく戦争に突入できる。
しかも、その場合の日本の被害など一顧だにしていない。ようするに、トランプはアメリカの安全が守られれば、日本なんてどうでもいい。もっといえば、アメリカを守るための盾としか考えていないのだ。
しかし、繰り返すが、こんな姿勢を露骨に示されても、安倍首相は、トランプ大統領を散々もてなしてご機嫌をとり、武器の大量売りつけを丸呑み。国内マスコミも、武器輸入の問題にほとんど沈黙するだけでなく、まるで報道協定を結んでいるかのごとくトランプ批判を封印した。それどころか、読売新聞、産経新聞などの安倍応援団は、安倍首相同様、トランプ来日の意義を「同盟を盤石なものとする絶好の機会」(産経)、「相互の信頼は一段と深まった」(読売)などと手放しで礼賛している。
日本を属国扱いするトランプを“愛国”標榜のネトウヨが大歓迎
さらに失笑せざるをえないのが、ふだん「愛国」をふりかざしている安倍応援団やネット右翼の連中だ。
トランプ来日と前後して、日本に暮らすアメリカ人や市民が集まり、トランプ大統領の排外主義や北朝鮮への挑発を批判するデモが行われたが、一方の「保守派」は新宿などで来日歓迎のデモや街宣を行ない、「反トランプは在日だ」などとのたまいながら星条旗を振りかざしていた。ネット上でも、トランプを批判する発言を「反日」「売国奴」扱いし、逆に「真珠湾を思い出せ」ツイートについては見て見ぬふりを決め込んでいる。
日本内の米軍基地からの“裏口入国”を許すなど、国の主権を散々踏みにじられている行為を看過し、米国のためでしかない無用な軍事装備を大枚叩いて買わされ、あげく戦争まで起こせと言われている。これの一体どこが日本の「国益」になるのか、連中に聞いてみたいものだ。
「保守」を名乗る連中は、リベラル派を「思考停止のお花畑」と揶揄するが、トランプのむちゃくちゃな要求に両手を上げて受け入れ、対米従属のポチ犬ぶりをさらけ出す安倍政権を盲目的に賛美する。そういう奴らのほうが明らかに「思考停止のお花畑」と呼ばざるをえない。
いずれにせよ、トランプが朝鮮半島情勢の緊迫を奇貨として、日本に対する経済的圧力を強め、あまつさえ戦争さえけしかけているのは明らか。このままトランプ・安倍の暴走を許してしまったら、それこそ「売国」どころか「亡国」の事態になりかねない。(編集部)
トランプ氏「日本の膨大な兵器購入、重要」日米首脳会談
YAHOOニュース 2017年11月6日
安倍晋三首相は6日、来日中のトランプ米大統領と東京・元赤坂の迎賓館で首脳会談を行った。北朝鮮に対する圧力を最大限に高めることで一致。安倍首相が提唱する「自由で開かれたインド太平洋戦略」を共通の方針として掲げることでも合意した。良好な同盟関係を示したものの、米側が貿易赤字の解消を求める通商問題は継続協議とした。
トランプ氏の就任後、5回目となる首脳会談は北朝鮮への対応が主要議題となった。会談で両首脳は、日米が北朝鮮に「最大限の圧力をかける局面」との認識で一致。安倍首相は日本独自の制裁措置を強化し、北朝鮮の35団体・個人の資産を凍結する方針を伝え、トランプ氏は歓迎した。
会談後、共同会見にのぞんだ安倍首相は「日米が百%共にあることを力強く確認した」と述べた。トランプ氏も「我々は黙って見ていない。『戦略的忍耐』の時期は終わった」と北朝鮮を牽制(けんせい)した。
首脳会談では、日本が米国製の防衛装備品をさらに購入していくことも議題となり、会見でトランプ氏は「非常に重要なのは、日本が膨大な兵器を追加で買うことだ」と指摘。米国での雇用拡大と日本の安全保障環境の強化につながるとの考えを示した。首相も会見で「日本の防衛力を質的に、量的に拡充していかなければならない」とした。
米、対日圧力アピール=FTAで支持回復狙う
時事通信 2017年11月6日
【ワシントン時事】トランプ米大統領は6日、日本との自由貿易協定(FTA)交渉入りに意欲を示した。米産業界、議会には環太平洋連携協定(TPP)に代わる日米FTAに強い期待があり、トランプ政権は対日強硬姿勢をアピールすることで低迷する支持率を上向かせたい考えのようだ。
「何らかの貿易協定を結ぶよう速やかに動いてほしい」。米有力企業が加盟する米日経済協議会のロビンス会長は3日、首脳会談への期待を語った。トランプ氏は1月、就任直後にTPP離脱を宣言。米国の自動車、サービス、牛肉などの業界は、対日協定を締結済みのオーストラリアなどに日本市場で押されることを懸念し、議会や政権に「TPP代わりの日米FTA」を求めている。
トランプ政権は今のところ、カナダ、メキシコとの北米自由貿易協定(NAFTA)や対韓国FTAの再交渉、対中国貿易の再構築を最優先している。元米政府高官は「日本とのFTA交渉に割く余力は少ない」とみる。
しかし、政権は医療保険制度改革(オバマケア)撤廃といった主要公約が頓挫し、政策の行き詰まりが深刻だ。来年秋の米中間選挙を前に「日米交渉開始」などの実績づくりを狙い、さらに圧力を強める可能性がある。
F35戦闘機ソフトが未完成
防衛省が航空自衛隊の次期戦闘機として米国から導入するF35戦闘機のソフトウェアが未完成となっており、機関砲は撃てず、赤外線ミサイルも搭載できないことが防衛装備庁への取材でわかった。
現状では戦闘機として求められる緊急発進(スクランブル)の任務につけないことになり、最新鋭戦闘機とは名ばかりの「単なる航空機」にとどまっている。