トランプ大統領の訪日を受けて、安倍首相は膨大な米兵器を購入することを約束させられました。
それでなくても安倍政権はアメリカのボロい兵器商売の術中にはまり、これまで単年度で賄い切れない高額兵器の購入時に、次年度以降に分割して支払う「後年度負担」をフル活用して、米国の言い値で高額兵器を買いまくった結果、後年度負担のツケは約5兆円の年間予算とは別に5兆円以上もたまっています。
しかも肝心の兵器は使い物にならないポンコツが多く、日本はいいカモにされているということです( ⇒ 下掲記事 「日本はいいカモ 米兵器は使い物にならないポンコツだらけ」)。
それに加えて新たにアメリカの余剰のシェールガスの売り捌きのために1兆円を投じることを約束させられました。
米国産LNG(シェールガス)は石油や他国のLNGと比べて割高なので買い手が付かず、当初の約束で今年から輸入を始めた日本の電力会社は、それがコスト押し上げの要因となって苦しんでいます。
それなのにトランプ氏は、何とアメリカがシェールガス(LNG)を東南アジア各国やインドなどに売り込めるようにと、日本が現地でLNGの発電所や運搬船基地などの建設を支援することを強制しました。その総額は「1兆円規模」になるということです。アメリカの利益のために、日本の国費を投入してそれらを建設するというわけです。
かつてジョージ・ブッシュ大統領はイラクや北朝鮮のことを「ならず者国家」と呼びましたが、アメリカこそはその名に値する国です。
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トランプがむさぼる8兆円 安倍政権“大盤振る舞い”の代償
日刊ゲンダイ 2017年11月8日
蜜月アピールの代償は、やはり大きかった。トランプ米大統領が3日間の日本滞在を終え、次の訪問先の韓国へ飛び立ったが、度肝を抜かれたのは安倍首相の気前の良さだ。先立って来日した長女・イバンカ補佐官が関わる女性起業家の支援基金に、ポンと5000万ドル(約57億円)を拠出すると表明したのはホンの序の口。トランプに渡した“手土産”の額は軽く1兆円を上回る。
「米国は日本との間に年700億ドル(約8兆円)もの貿易赤字を抱えている。対日貿易は公正ではなく、開かれてもいない」
ゴルフなどの接待漬けも通用せず、トランプが安倍首相に一歩も譲らなかったのが、対日貿易赤字の是正だ。
第2次安倍政権になってから、単年度で賄い切れない高額兵器の購入時に、次年度以降に分割して支払う「後年度負担」をフル活用。米国の言い値で高額兵器を買いまくり、後年度負担のツケは約5兆円の年間予算とは別に5兆円以上もたまっている。
日米両政府はきのう(6日)の首脳会談に合わせ、新興国へのエネルギーインフラ輸出で協力する覚書を締結。東南アジア各国やインドなどに、米国のシェール由来の液化天然ガス(LNG)を売り込むため、日本が官民挙げて現地でLNGの発電所や運搬船基地などの建設を支援する。支援額について、日本政府は「1兆円規模」(世耕経産相)と表明した。
■米国の輸入“地ならし”に1兆円差し出す馬鹿さ加減
シェールガスの輸出が増えれば、米国の貿易赤字も削減できる。トランプに手っ取り早く赤字を解消してもらうお膳立てに1兆円ものジャパンマネーを差し出すのだ。
「米国産LNGは石油や他国のLNGと比べて割高です。今年から輸入を始めた日本の電力会社も、コスト押し上げの要因となって苦しんでいます。北極圏開発を進めるロシアが、より格安のLNGを売る計画もある。日本が輸出の“地ならし”をしても、新興国が米国産LNGの調達に二の足を踏めば意味がない。1兆円規模の支援が単なる外交目的の『捨て金』となりかねません」(経済評論家・斎藤満氏)
安倍首相が人気取りのため、トランプに拉致被害者の家族と面会させたことにもデメリットはある。トランプが核・ミサイル問題に加え、拉致という人権問題にまでクチバシを突っ込めば、北朝鮮はさらに反発。いよいよ対話の糸口を探すのが困難となる。
「会計検査院は先日、米国から調達した武器の購入費を巡り、過払いの可能性を指摘。計64件、総額約672億円の支払いに過払いの疑いがあるのです。安倍首相も首脳会談の席で『調べて返金せよ』とトランプ大統領に迫るべきなのに、逆に『日本は大量の装備品を買うことが好ましい』と念を押される始末。消費税率10%引き上げで見込まれる5兆円強の増収分を全額、武器購入に充てなければ許されない勢いで、心配になります」(斎藤満氏)
安倍首相の隷従外交により、トランプは完全に図に乗ってしまった。今後も8兆円の赤字が埋まるまで、対日FTA交渉などで容赦なく無理難題を押しつけてくるに違いない。
日本はいいカモ 米兵器は使い物にならないポンコツだらけ
日刊ゲンダイ 2017年11月8日
「軍事兵器購入が完了すれば、安倍首相は北朝鮮のミサイルを撃ち落とせる」「安倍首相は大量の軍事兵器を購入するだろうし、そうすべきだ」
6日の日米首脳共同記者会見で、トランプ米大統領に防衛装備品の購入を迫られた安倍首相。まるで悪徳業者に布団を押し売りされる高齢者のようだったが、ニコニコしながら「日米は100%共にある」なんて胸を張っていたからどうかしている。
「すでに日本は米国から1機当たり約150億円の戦闘機F35を計42機と、1基800億円の陸上配備型迎撃ミサイルシステム『イージス・アショア』の導入を決定していますが、米国製の軍事兵器といえばポンコツというのが自衛隊の共通認識です」(防衛省関係者)
会計検査院の調べによると、防衛装備庁が米国との有償軍事援助(FMS)で装備品を調達した際、装備品自体の欠陥や、購入国に出荷した証拠となる「計算書」の不備が見つかるケースが少なくない。2016年2月の衆院予算委員会でも、民主党(当時)の原口一博衆院議員がFMSの装備品について〈対戦車ヘリコプターに装備する70ミリロケット弾の調達が行われていない。対戦車ヘリなのにロケット弾がない。7年たっても8年たっても、お金は払っているのに武器が来ない〉などと問題を指摘していた。
FMSには①価格および納期は米政府の見積もり②代金前払い③米国側から一方的に契約解除可能――といった条件がある。さらに、購入した装備品に不具合がある場合は「出荷日から1年以内」に日本側から米側に「是正要求」をしなければならない。
「受領検査をしますが、期限を過ぎてから要求しても米政府から却下され、払い戻しはありません。調達した装備品の中に破損品や旧型がまじっている理由は不明です」(防衛装備庁担当者)
■日本はいいカモにされているだけ
要するに “バッタ品” をつかまされても、是正要求をしないまま1年過ぎてしまえば、そのまま使わざるを得ないということ。典型的な「送り付け商法」だ。元自衛隊レンジャー隊員の井筒高雄氏がこう言う。
「サビや溶接の不具合といった不備がほとんどだとは思いますが、そもそも軍事技術研究が未発達の日本において、モデルチェンジする大型装備品の欠陥を『1年以内』に見つけることは簡単なことではありません。日本はアメリカにとって武器を買ってくれる “いいカモ”。トランプ大統領と安倍首相の関係を見ても分かるように、言い値で売りつけられても文句を言えない従属関係なのでしょう」
イザとなれば使い物にならないかもしれない中古兵器をバカ高い金額で買わされて「ヘイヘイ」と揉み手でスリ寄っているのが安倍首相なのだ。日本メディアは「日米友好関係が築けた」なんてバカ騒ぎしているが、何も分かっちゃいない。