東京・中央区の公立小学校がことし春から、高級ブランド・アルマーニの制服を導入することにしたということです。
校長が独断で決めたということですが、その価格は一揃いで4万円余りということです。非常識と言うしかありません。
区の教育委員会は慌てて、着用は強制ではないとしたうえで、「校長には保護者にしっかり説明するよう指導し、不安を取り除くよう対応したい」と話したということですが、強制でなければいいというようなものではありません。それにこんな非常識な決定を、一体どう説明すれば父兄の不安が解消されるというのでしょうか。
ただ呆れ返るだけですが、周囲がこのように腰の引けた対応しか取れていないのは、第一次安倍政権以来、ひたすら教育制度を改悪し、教職員会議を形骸化させ、校長の権限を最大限に拡大した結果です。
そういえば安倍首相は強引に道徳教育を教科に取り入れましたが、「息をするように嘘を吐く」といわれている自らの存在がまさに「道徳」の対極にあるという事実をどう認識しているのでしょうか。
猪野亨弁護士が、校長の非常識を痛烈に批判するとともに、こうした事態をもたらした安倍政治の所業を糾弾しています。
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小学校の制服にアルマーニという非常識
東京都中央区立泰明小学校、和田利次校長の暴走 止めない政権
弁護士 猪野 亨のブログ 2018年2月9日
(NHK2018年2月8日)
「東京・中央区の公立小学校がことし春から、高級ブランドが手がけた最大8万円余りの“制服”を導入する方針を示したのに対し、保護者などから困惑や批判の声が上がっています。区の教育委員会は、着用は強制ではないとしたうえで、『校長には保護者にしっかり説明するよう指導し、不安を取り除くよう対応したい』と話しています。」
イタリアブランドのアルマーニだそうですが、一揃いすれば8万円という高額なもの、しかも小学生は成長期にあるし、汚しもします。家計に莫大な負担がかかります。
それを校長の一存で導入を決めたというのですから、非常識も甚だしいというべきものです。
校長の和田利次氏ですが、糾弾されて当然でしょう。このような暴挙をよくも恥ずかしげもなくできたものです。背景には自民党政権による管理職の権限強化があり、職員会議を単なる校長の意思伝達の場にしてしまったこともあります。この和田氏は、教職員はもとより直接、影響の受ける児童家族に対してすらも全く意見を聞くこともなく、一方的に導入を通告したものであり言語道断です。
いずれ中学、高校の制服も廃れていくでしょう
イタリアブランドのアルマーニだそうですが、一揃いすれば8万円という高額なもの、しかも小学生は成長期にあるし、汚しもします。家計に莫大な負担がかかります。
それを校長の一存で導入を決めたというのですから、非常識も甚だしいというべきものです。
校長の和田利次氏ですが、糾弾されて当然でしょう。このような暴挙をよくも恥ずかしげもなくできたものです。背景には自民党政権による管理職の権限強化があり、職員会議を単なる校長の意思伝達の場にしてしまったこともあります。この和田氏は、教職員はもとより直接、影響の受ける児童家族に対してすらも全く意見を聞くこともなく、一方的に導入を通告したものであり言語道断です。
いずれ中学、高校の制服も廃れていくでしょう
何よりもこの制服着用が強制ではないから問題なしということにはならないということです。
高級ブランドの制服など、それ自体が非常識だし、その発想自体が下品だということです。
保護者たちとの意思疎通の問題ではないし、説明責任の問題でもありません。
教育委員会が「保護者にしっかり説明するよう指導し、不安を取り除くよう対応したい」と述べているのは、はっきりとずれています。制服そのものが高いということなのですから、今から説明して不安が払拭されるものではありません。
このように説明しろ、というのであればまだわかります。
「制服」着用は義務ではない、自由です、単なる標準服です。今まで通り、自由な服で登校させて頂いても全く構いません。
そのような説明はしないんでしょうけれど。
こちらの反省の方が重要です。
「中央区教育委員会事務局の森下康浩学務課長はNHKの取材に対し、『教育委員会として進捗(しんちょく)状況をしっかり確認しておくべきだった。変更は保護者や地域の人たちと何年もかけて話し合いながら進めるべきことだったと反省している』と話しています。」(前掲NHK)
とはいえ、このような高級な「標準服」なるものを導入すること自体がおかしな話です。
国会で答弁を求められた麻生財務相、林文科相の答弁は、いかにも他人事です。
「麻生太郎氏、泰明小アルマーニ制服「8万円は高い」」
高級ブランドの制服など、それ自体が非常識だし、その発想自体が下品だということです。
保護者たちとの意思疎通の問題ではないし、説明責任の問題でもありません。
教育委員会が「保護者にしっかり説明するよう指導し、不安を取り除くよう対応したい」と述べているのは、はっきりとずれています。制服そのものが高いということなのですから、今から説明して不安が払拭されるものではありません。
このように説明しろ、というのであればまだわかります。
「制服」着用は義務ではない、自由です、単なる標準服です。今まで通り、自由な服で登校させて頂いても全く構いません。
そのような説明はしないんでしょうけれど。
こちらの反省の方が重要です。
「中央区教育委員会事務局の森下康浩学務課長はNHKの取材に対し、『教育委員会として進捗(しんちょく)状況をしっかり確認しておくべきだった。変更は保護者や地域の人たちと何年もかけて話し合いながら進めるべきことだったと反省している』と話しています。」(前掲NHK)
とはいえ、このような高級な「標準服」なるものを導入すること自体がおかしな話です。
国会で答弁を求められた麻生財務相、林文科相の答弁は、いかにも他人事です。
「麻生太郎氏、泰明小アルマーニ制服「8万円は高い」」
(日刊スポーツ2018年2月8日)
麻生氏「まあ、高けえちゃ、高いでしょう。あなたの背広がいくらか知らないが、8万円は高いものだと思う」
林氏「制服を決める過程で、保護者がステークホルダーと話をされて決めていればな、という印象を持った」
一校長が暴走しているわけですから、もっと強く言って然るべきなのに、このような「感想」程度しか言えないのは、学校における管理職の権限強化という制度の根幹に関わってくるからです。
権限強化によって、こういった非常識な管理職が出現してくる、それは民主的な過程をすべて否定してきたことの結果でもあります。
権限強化による暴走の典型例だということです。