2018年2月3日土曜日

03- 米ミサイル迎撃実験失敗 イージス・アショア

「イージス・アショア」に搭載する予定改良型迎撃ミサイル「SM3ブロック2A」が迎撃実験に2回連続で失敗しました。
 高性能を演出するための実験なので、標的の模擬ミサイルの軌道や速度を熟知の上 最高のコンディションで行った筈ですが、それでもこの体たらくです。
 これは迎撃ミサイルが標的に当たる方が不思議なのであって、当たらないのが当たり前なのです※。むしろこれまで迎撃できたとされたケースの方が眉唾物と思うべきです。

「イージス・アショア」は当初1基800億円と言われていましたが、あっという間に1000億円にアップしました。またそれに搭載されるミサイルは当初1基10億円くらいとみられていましたが、今では36億円と言われています。
 価格だけは桁外れに立派ですが、当たらないことには絵に描いた餅です。売る側の米国は当たろうが当たるまいが知ったことではなく、買いたい国があって莫大な利益が上がればそれでいいわけです。
 
 湾岸戦争の時に、イラクから飛来する低速なスカッドミサイルに対しても、パトリオットミサイルは殆ど迎撃できなかったと言われています。
「イージス・アショア」2基の購入は、2000億円を大幅に上回る買い物になるのは確実です。それが全く役に立たないと分かった時に「性能は承知の上で買った筈だ」と言われたらどうするのでしょうか。
 安倍政権には当然、血税を無駄にすることを避ける義務と責任があります。
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米ミサイル迎撃実験失敗 対北防衛に影響も
東京新聞 2018年2月2日
 【ワシントン=共同】北朝鮮の核・ミサイルに対抗するため、日米両国で共同開発した改良型迎撃ミサイル「SM3ブロック2A」が迎撃実験に二回連続で失敗した。北朝鮮が米本土に届く核ミサイルの運用能力獲得を急ぐ中、ミサイル防衛体制の信頼性に影響が生じる恐れも指摘されている。

 日本が導入する地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」に搭載予定のため、防衛省内からは国民の不信感拡大を懸念する声が上がった。
 実験は一月三十一日にハワイ沖で実施。イージス・アショアの試験場から発射されたブロック2Aが標的の模擬弾を迎撃する計画だったが、命中しなかったとみられる。
 ブロック2Aの実験失敗は昨年六月に続いて二回目。国防総省は、前回の失敗はコンピューター設定などの人為ミスで、ミサイル本体に問題はなかったとしていたが、今回は詳細な説明をしていない。

 中央情報局(CIA)のポンペオ長官ら政権高官が、北朝鮮が米本土を核攻撃できるようになるまで「わずか数カ月」などと危機感を表明した中での失敗だけに、国内外に動揺が広がるのを避ける思惑もありそうだ。
 日本はブロック2Aを二〇二一年度に導入する予定。海上自衛隊のイージス艦が使用するSM3を改造したもので、イージス艦や、二三年度の運用開始を目指しているイージス・アショアに使う想定で、迎撃範囲が飛躍的に拡大するとみられている。今回の実験失敗が導入計画へどう影響するかは不明だが、米メディアはアジア太平洋のミサイル防衛網構築にとって「後退」を意味すると警鐘を鳴らした。


新型ミサイル迎撃実験失敗、米が公式に認める
TBSニュース 2018年2月2日
 日本が導入する地上配備型のミサイル迎撃システム「イージス・アショア」に搭載する新型ミサイルについて、アメリカ国防総省は先月31日に迎撃実験を行ったものの「目標を達成できなかった」と失敗を公式に認めました。

 「目標を達成できなかったが、実験からはいつも何かしらを得ることができる。今回もそうだ。引き続き、能力の向上を目指す」(国防総省 ホワイト報道官)
 このミサイルは日米が共同開発している新型の迎撃ミサイル「SM3ブロック2A」で、国防総省は31日にハワイで迎撃実験を行ったものの失敗に終わったことを公式に認めました。失敗の原因については現在、調査中だとしています。
 国防総省は去年2月に初めての迎撃実験に成功していますが、6月の実験に続いて2回連続で失敗したことになります。アメリカ政府は日本に対し、このミサイル4発などをおよそ1億3300万ドルで売却することを決めています。


「新ミサイル」計画変えず 防衛相、迎撃試験失敗認める
東京新聞 2018年2月2日
 小野寺五典防衛相は二日の記者会見で、米軍による日米共同開発の改良型迎撃ミサイル「SM3ブロック2A」を使った迎撃試験に関し「迎撃できなかった。うまくいかなかった」と話し、失敗を認めた。同時に「(改善すべき点は)生産段階で十分調整できる」として、取得計画や予算要求の変更は必要ないとの考えを示した。

 小野寺氏は、今回の試験がブロック2Aとレーダーなどとの連携を確認する試験だったと明らかにした上で、米国が今後実施する試験データの解析に協力すると指摘。「弾道ミサイル防衛能力を抜本的に向上する上で必要不可欠なものだ」とブロック2A導入の意義を強調した。日本政府は二〇二一年度のブロック2A導入を目指し、一七年度予算や一八年度予算案に取得費を計上している。