佐川宣寿・前理財局長が国会答弁で、土地売却に当たり森友学園と打ち合わせをした事実を全否定し、「関係書類は全て破棄した」と繰り返しましたが、それを否定する証拠書類がこのところ続々と財務省から提出され、その頁数は300頁とも400頁ともいわれています。
これで佐川氏が国会でウソにウソを重ねてきた事実は明らかになりましたが、一体どういうことからこのようなことになったのか不思議です。
これまで、佐川氏は満身に疑惑の汚れをまといつつ安倍夫妻を守り切ったのに、その彼が参考人に招致されるようになれば、財務省は官邸に対してどんな反撃をするかわからないと言われてきましたが、その財務省が何故こんなことをするのか、財務省の方針が変わったのか、それはどういう理由なのか疑問は深まるばかりです。
9日には自民党の森山裕国対委員長が「参考人招致の問題について対応を協議したい」と記者団に明言しました。「対応を協議する」とは「国会招致に応じる」とほぼイコールだということです。
いずれにしてもこの問題が明確にならないことには国民は納得せず収まりはつきません。
LITERAと日刊ゲンダイの記事を紹介します。
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いまさら? 財務省が破棄したはずの森友学園記録を300ページ提出!
嘘確定の佐川国税庁長官をすぐ国会招致せよ
LITERA 2018.02.09
まったく、よくヌケヌケとこんなことを堂々とやれるものだ。本日、財務省が国会に対し、森友学園との土地取引にかんする文書を提出した。その数は20件、なんと300ページにもおよぶ文書だ。
奇しくもきょうは、森友学園への土地売却額が非公表になっている事実を朝日新聞が報じてからちょうど1年になる。その後、国会では再三にわたって財務省に文書の提出を求めてきたが、現国税庁長官である佐川宣寿・前理財局長は、国会の答弁で「破棄した」と断言。その上、会計検査院の調査にも提出しなかったのに、いまごろになって300ページも出してきたのだ。しかも、提出されたのは、安倍首相が平昌五輪開会式出席のために韓国へ飛び立った直後というタイミングで、である。
文書のその内容については精査がおこなわれている最中だが、きょうの衆院予算委で麻生太郎財務相は「近畿財務局内の法律相談の記録であり、森友学園との交渉記録ではない」と答弁。しかし、1月19日に開示された近畿財務局の文書では、森友サイドがゴミが見つかったとして「開校が遅れたら大変なことになる」「土地を安価に買い受けることで問題解決を図りたい」などと財務局にもちかけており、売却担当者は「国は貸主として法的にどういう責任を負うか」と法務担当者に質問するなど、交渉の一端が窺い知れる内容が含まれていた。
こうしたものを「交渉記録ではなく法律相談の記録」と言うのはゴマカシでしかないが、これほどまでに文書を提出してこなかった理由を、麻生財務相はきょう、このように答弁した。
「財務省に不利な情報が入っているわけでもありませんし、早めに出しても何ら不都合のない文書」
この答弁、裏を返せば「財務相に不利な情報が入っていれば出さない」と言っているようにも聞こえるが、これが本音なのだろう。実際、これだけ文書が出てきていながら、直接的な交渉記録が出てこないとは、あきらかに不自然だからだ。
事実、先日新たに共産党が入手した森友側と国側の協議の様子が収められた2016年3月16日のものとみられる音声データでは、出てきたゴミについて国側が“新たなゴミ”であるとし、「後から出てきた場合は(国の)瑕疵になる」と発言。これには、国側が退室したあとに籠池夫妻と設計担当者も「(新たなごみがあると)『うん』と言ってほしいように言っていた」「今日のあの解釈すごいと思う」と驚く場面さえ残されていたという(東京新聞2月3日付)。籠池夫妻さえ驚嘆する解釈で8億円の値引きに導いたのは、財務省にほかならない。
しかも前述したように、佐川前理財局長は記録について「破棄した」と断言してきたのだ。その佐川氏を国税庁長官に据えたことを安倍首相は「適材適所」と言って憚らないが、これでは確定申告に影響が出ても致し方がないだろう。
一体いつまで安倍首相と麻生財務相は“佐川隠し”をつづけるつもりなのか。確定申告が開始される2月16日には、佐川国税庁長官の罷免を求める緊急デモが国税庁周辺で展開される予定だが、佐川氏をもう一度、国会に引きずり出すには、ここで国民の怒りを見せつける必要があるだろう。(編集部)
佐川長官の喚問「協議する」 自民の豹変は“昭恵夫人隠し”
日刊ゲンダイ 2018年2月11日
佐川宣寿国税庁長官の国会招致が実現するか――。これまで、かたくなに佐川長官の国会招致を拒否してきた安倍自民党が突然、態度を変えている。
9日、自民党の森山裕国対委員長が、「参考人招致の問題について重く受け止め、対応を協議したい」と記者団に明言したのだ。「対応を協議する」とは、永田町用語では「国会招致に応じる」とほぼイコールだ。なぜ、豹変したのか。どうやら、巧妙な“アッキー隠し”らしい。
「安倍首相は国会で“モリカケ疑惑”を追及されることを本気で嫌がっています。とくに、昭恵夫人の国会喚問を求められることに強いストレスを感じている。そこで“昭恵喚問”を消し去るために、佐川長官をいけにえとして差し出すつもりだろう、とみられています。佐川長官は理財局長時代、安倍首相を守るために平然と虚偽答弁を重ねたように、答弁はお手のモノ。参考人招致されてもボロは出さないでしょう。安倍官邸は、佐川長官の国会招致に応じることで、森友疑惑をジ・エンドにするつもりです。参考人招致しても新事実が出てこなければ、野党が昭恵夫人の招致を要求しても、“佐川長官の招致に応じたから十分だ”“参考人招致しても新事実は出てこない”と突っぱねられると計算しているようです。実際、参考人招致しても野党の追及が不発に終われば、森友問題は“終わった感”が広がるでしょう」(官邸事情通)
佐川長官や国税庁にとっても、参考人招致に応じることは、決してマイナスではないという。
「週明けの2月16日から確定申告がスタートします。国会で“資料は廃棄した”と開き直った佐川長官は就任以来、会見も開いていない。このままでは、現場の職員が納税者から強い反発を受けるのは確実です。佐川長官が形だけでも国会で“国民に誤解を与えたことは申し訳ない”と頭を下げれば、納税者の批判も少しは沈静化できる。一度も会見を開いていない佐川長官もケジメをつけたことになります」(霞が関関係者)
絶対に野党は、昭恵夫人の喚問逃れを許してはダメだ。