2018年2月12日月曜日

南北融和を歓迎できない日本に9条護憲を語る資格はない(天木直人氏)

 韓国と北朝鮮は、もともと一つの国家であったものが不幸な事情で南北に分断されているのですから、機を見て統一に向かうのは当たり前のことです。平昌五輪を機会に、南北融和の気運が高まったことは喜ばしいことです。

 アメリカがそれを喜ばないのは、南北が統一されると韓国や日本に築いた橋頭堡が無意味になり、撤退にもつながりかねないからと見られるし、安倍首相も、北朝鮮の脅威をダシにして軍備拡張を叫ぶことが出来なくなるので喜びませんが、いずれも喜ばない側に問題があります。

 天木直人氏によれば、朝日毎日東京新聞などの日本のメディアも、「非核化の目標を堅持せよ」(朝日)、「平和攻勢に惑わされるな」(毎日)、「南北だけを先行させるな」(東京)などと、南北の融和を警戒しているということです。

 朝日新聞の「非核化の目標を堅持せよ」は非核化が統一の前提になるといういい方ですが、それは安倍首相が「北が核兵器を保有したままで、この“朝鮮危機”を収束させてはならない」とする主張と同根のものです。一体、アメリカの新方針「先制核攻撃」に直ちに賛成した日本にそんなことをいう資格があるのでしょうか。
 もしも北朝鮮が「日本の人工衛星は認められない。それ用のロケットの製造は認められない」と言ったときにはどうするつもりなのでしょうか。

 天木直人氏は「北朝鮮の核は韓国と共有」すればいいと述べています。それは理想からは遠いものの、現実的な対応として頷ける話です。どうやら南北統一の最大の障害の一角に安倍首相がいるようです。
 東京新聞の記事も併せて紹介します。
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南北融和を歓迎できない日本に9条護憲を語る資格はない
天木直人のブログ 2018-02-11
 9日夜の平昌五輪開会式を見て、平和と南北統一を訴えるその思いに、私は圧倒された。
 翌10日には、金正恩は妹の金与正に親書を託し、文大統領を招聘した。
 「私が特使です」
 「これが金正恩の意思です」と金与正に言わせて。
 両首脳が会えば解決できないことはない、と言わんばかりだ。

 朝鮮戦争が停戦されて以来、南北融和の気運がここまで高まった時はなかった。
 この機会をさらに発展させていけば、南北統一も夢ではない
 逆に、もしこの機会を生かす事が出来なければ、南北統一は遠のき、戦争が起きることすらあり得る。
 そう思わせるほどの歴史的分水嶺に我々はいま立っている。

 米国が南北融和を望まないのは当然だ。
 アジアを分断し、戦争状態にしておかないと、米軍をアジアに駐留させる根拠がなくなる。
 米軍を国内に封じ込めていては、国が成り立たない。
 それが米国という国だ。

 しかし、日本が南北融和を望まない理由はどこにもない。
 ましてや憲法9条を世界に掲げる日本は、いまこそ世界のどの国よりもこの動きを歓迎し、支援すべき国である。
 しかも日本には朝鮮を侵略した負の歴史もある。
 いまこそ日本はこの歴史的南北融和の動きを、隣国として最大限に支援すべきだ。

 ところがどうだ。
 きょう2月11日の各紙の社説は、金正恩のほほえみ外交に警戒一色だ。
 対米従属の安倍首相が水を差すのはわかる。
 安倍首相を応援する読売や産経がそう書くのはあたりまえだ。
 しかし、朝日も毎日も、東京も、「非核化の目標を堅持せよ」(朝日)、「平和攻勢に惑わされるな」(毎日)、「南北だけを先行させるな」(東京)などと注文をつけている。
 一億総警戒だ。
 一億総北朝鮮憎しだ。
 そして、文在寅大統領に対する一億総反発だ。
 この国は、憲法9条を語る資格はない。

 しかし、1億を超える日本国民の中には、私のように、今度の南北融和の動きを全面的に歓迎し、文在寅大統領の英断を褒め称え、そして金正恩に、北朝鮮の核はアジアに向けられることはない、北朝鮮の核は韓国と共有する、そう宣言させたい、と考える国民は必ずいる信じている。
 本当にそう願う100万人の国民がいれば、その国民と共に、新党憲法9条を実現することを私はあきらめない。
 戦争国家の米国をアジアから叩き出し、南北統一の韓国と、軍事覇権国中国を憲法9条を掲げて説得し、戦争に満ち溢れた今の世界から、少なくとも東アジアだけは解放する、東アジアに恒久的平和体制を構築してみせる、そんな外交・安保政策を正面から日本国民に訴える政党こそ、これからの日本の政治に必要なのである。
 それを教えてくれた平昌五輪である(了)


「心合わせ難関突破を」と文氏 金与正氏と楽団公演観覧
東京新聞 2018年2月12日
 【ソウル、仁川共同】平昌冬季五輪に合わせて訪韓した北朝鮮の三池淵管弦楽団が11日夜、ソウルで公演を開き、金正恩朝鮮労働党委員長の特使として訪韓した妹の金与正党第1副部長が、韓国の文在寅大統領の隣で観覧した。文氏は与正氏ら北朝鮮側に対話・交流の継続と拡大を求め「心を合わせ、難関を突破しよう」と話した。

 韓国大統領府が明らかにした。核問題を巡る緊張状態を念頭に置いた発言と見られる。文氏は「この出会いの小さな火がたいまつになるよう南北が協力しよう」とも述べた。

 金与正氏と金永南最高人民会議常任委員長ら高官代表団は観覧後、仁川国際空港から北朝鮮へ向け出発した。