2019年2月9日土曜日

09- 「2・27米朝会談」でも日本は蚊帳の外 莫大な資金援助の話も

 拉致問題が1ミリも進まないなか、米朝首脳会談が2728日にベトナムで開催されることになりました。一体「拉致問題の安倍」はどうなったのでしょうか。拉致被害者家族たちは今でも安倍首相に全幅の信頼を寄せているのでしょうか。それは信じがたいことです。
 
 2回目になる今回は米側が態度を軟化させ、ビーガン北朝鮮担当特別代表は「信頼醸成措置を議論する用意がある」と言及しました。
 会談後の人道支援や連絡事務所の相互設置、制裁の一部解除、さらに朝鮮戦争の終戦宣言まで浮上しているということです。
 米朝が相互に信頼関係を深める措置として、人道支援、制裁の一部解除等が実現するのは喜ばしいことですが、今回も日本は全く「蚊帳の外」です。
 
 北朝鮮との宥和は米中韓が中心となって進められます。先日のテレビ朝日によれば、その際に日本からの莫大な資金援助が求められるのではないかということです。
 日本はまだ北朝鮮には戦後賠償を行っていないので、それに代わるものとして北朝鮮に受け止めて貰う必要があります。しかし安倍政権下ではその誠意は伝わらない可能性が大です。
 トランプ大統領に言われれば安倍首相は拒否できないので、多分資金援助は実現することになるのでしょうが寂しい話です。
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安倍政権を揶揄する金正恩 「227米朝会談」で狙う日本外し
日刊ゲンダイ 2019年2月8日
 停滞する北朝鮮の非核化は進展するのか。8カ月ぶり2回目の米朝首脳会談が27、28日にベトナムで開催されることになったが、焦点は目に見える成果だ。米国が完全非核化に向けた具体的措置を求めるのに対し、北は「相応する措置」として制裁緩和・解除などの見返りを要求。議論は平行線をたどっていた。
 
 6日の一般教書演説でトランプ大統領は対北外交を自賛。「核実験は止まり、ミサイル発射は15カ月以上行われていない。私が米大統領に選ばれていなかったら今頃、北朝鮮と大規模な戦争のさなかにあり、何百万人もの死者が出る可能性があった」などと交渉力を誇示していた。
 
 米国は北が廃棄の意思を示す寧辺の核施設などの査察受け入れや核関連のデータ提出などで合意を目指す一方、態度を軟化ビーガン北朝鮮担当特別代表は「信頼醸成措置を議論する用意がある」と言及し、会談後の人道支援や連絡事務所の相互設置、制裁の一部解除、さらに朝鮮戦争の終戦宣言まで浮上している
 朝鮮半島情勢に詳しい国際ジャーナリストの太刀川正樹氏は言う。
「経済制裁で弱り切った北朝鮮は外資誘致で局面打開を狙っています。韓国との協力事業である開城工業団地や金剛山観光の再開のほか、欧米などからの投資をのどから手が出るほど欲している。非核化協力リストとともに援助要請リストを米国に渡し、段階的な同時実行をのませた可能性がある。もっとも、制裁を主導してきた米国が支援に回れば面目丸潰れ。表向きの成果は朝鮮戦争終結の基本合意で落ち着くのではないか」
 
■電撃終戦で一点突破か
 再会談と前後して、米中首脳会談の開催も取り沙汰されている。朝鮮戦争の休戦協定は米中朝が締結。ベトナムで3カ国による電撃終戦という展開もあり得る。南北融和に動く韓国が反対する理由はない。そうなると、北朝鮮を巡る駆け引きは米中韓が中心となり、拉致問題を抱え、独自制裁を強める日本はますますのけ者だ。
 こうした展開を見越したように、北朝鮮の宣伝サイト「わが民族同士」が5日、日本を「蚊帳の外にいるキツネ」と揶揄する動画をアップ。レーダー照射問題で韓国と対立する日本について、「挑発行為を反省せず、事実を歪曲して南朝鮮に謝罪を要求している。日本は島国根性と領土拡大欲を捨てず、軍国主義の夢を捨てずにいる。世界が平和と繁栄を望む中、南北融和の努力を妨害する日本は孤立する道を進む」などと警告した。
 トランプと「完全に一致」し、「100%支持」してきた安倍首相は、新展開にどう動くのか。