「戦争をさせない1000人委員会」は、18日、「安全保障法制の整備に関する与党協議会」の座長である高村正彦氏に対して、集団的自衛権行使容認の閣議決定の断念を求める要請文書を提出し、その文書をホームページで公表しました。
安倍首相共々、憲法違反の閣議決定に異様な執念を見せている高村氏に、要請を受け入れる余地があるのかは不明です。
このところの同氏の滅茶苦茶ぶりに、安倍首相に強要されて投げやりになっているのではないかというような「好意的」な見方をする人もいるようですが、投げやりな気持であれほど熱心になれるはずもありません。
いま自分たちがやろうとしていることの本質に気づいて、早く正気に戻って欲しいのはやまやまですが・・・
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
2014年6月18日
安全保障法制の整備に関する与党協議会
座長 高村 正彦 様
戦争をさせない1000人委員会
事務局長 内田 雅敏
「集団的自衛権」行使容認の閣議決定を断念することを求める要請書
現在、自民党と公明党両党議員で構成される「安全保障法制の整備に関する与党協議会」において、「集団的自衛権」の行使を「限定的」に容認する閣議決定文案が議論されていると報道されています。
私たちは、17日の与党協議で提示された「わが国または他国に対する武力攻撃が発生し、わが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されるおそれ」という集団的自衛権行使の要件は、具体性を欠き、きわめて曖昧であると考えます。「おそれ」という曖昧な文言は、行使の要件を無分別に拡大しかねないものです。また、「集団的自衛権」を行使することによって、直接利害関係のない日本が敵対国と認定され、戦争に巻き込まれる可能性は否めません。
挙げられている「集団的自衛権」行使の可能性の事例は、軍事的常識に照らしても、およそ現実性のないものです。追加された、ホルムズ海峡で機雷除去の活動の議論など、地理的に離れた地域での軍事関連活動にまで言及されていることは、戦争に関して将来に大きな不安を抱かせるものです。
「ホルムズ海峡は、日本にとって死活的に重要だ」とする安倍晋三首相の言葉は、「満蒙は日本の生命線」と喧伝し、1931年から15年もの長期にわたる泥沼の戦争に突入した日本の過去を想起します。
日本は戦後、憲法9条のもと、非戦・非軍事を謳って来ました。戦争は、取り戻すことがかなわない、甚大な被害を人々にもたらすものであり、私たちは痛切な反省の中で、その過ちをふたたび繰り返さないことを誓ったのではないのでしょうか。戦争の悲惨さを決して忘れてはなりません。他国との問題は、外交的対話による平和的解決を追求していくべきです。
私たちは、日本が、軍事力や軍事的産業に頼ることなく、ましてや生命や環境を破壊することない、平和的な社会経済の発展をめざすことを望みます。どうか、戦後一貫して守り続けてきた、「日本国憲法は集団的自衛権の行使を認めていない」とする憲法解釈を変更することのないよう、心から要請いたします。