2014年6月16日月曜日

集団自衛 反対の声と行動広がる 地方議員のネットワークも 

 安倍首相は異様な執念をもって集団的自衛権の行使容認の閣議決定を目指しています。これまで国会審議などで積み上げてきた憲法解釈が、つの異常な内閣によって破壊されようとしています。
 
 この性急な動きに対して各地の弁護士会をはじめ九条の会、学会、宗教界、作家協会、映画演劇界などで反対の声が広がっています。
 
 また、集団的自衛権の行使を容認する憲法解釈の変更に反対する地方議員215人が、15日、都内で新たなグループ「自治体議員立憲ネットワーク」の設立総会を開きました。
 グループでは1000人を目標に参加する地方議員を増やしたいとしています。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
集団的自衛権 解釈改憲認められない 広がる声・行動 声明や集会 各界各層次つぎ
しんぶん赤旗 2014年6月15日
 集団的自衛権の行使容認に執念を燃やす安倍内閣。「他国に対する武力攻撃が発生」した場合でも無限定に自衛隊が武力行使をできる「要件」までつくろうとしています。国会審議などで積み上げてきた憲法解釈を一内閣が勝手に破壊しようとする暴挙に対し、日本共産党や民主団体はじめ、各地の弁護士会、各界各層で反対の声が大きく広がっています。
 
弁護士会
 日本弁護士連合会(日弁連、村越進会長)はじめ、少なくとも46弁護士会・連合会などは、会長声明や決議で集団的自衛権行使容認の動きに反対を表明。シンポジウムやパレードにたちあがっています。
 横浜弁護士会日弁連関東弁護士連合会は12日夜、横浜市で憲法問題シンポジウムを開催。1100人定員の会場が満席でした。横浜弁護士会の小野毅会長は、解釈改憲による集団的自衛権行使容認は「法律家として許せない」とのべ、17日に行うパレードへの参加を呼びかけました。
 埼玉弁護士会は9日、さいたま市で、集団的自衛権の行使容認に反対するパレードを行いました。市民団体も呼びかけに応え、550人が参加しました。
 大阪では7月6日、扇町公園で、大阪弁護士会主催の野外集会「平和主義が危ない!秘密保護法廃止!!」が予定されています。
 日弁連は5月30日、「立憲主義及び徹底した恒久平和主義に反するものとして、強く反対する」と決議しました。
 
九条の会 学者 宗教者
 「九条の会」は発足10周年を迎えた10日に「集団的自衛権と憲法9条」と題して講演会を開き、東京・渋谷公会堂を満席にしました。全国で7500にまで増えた「九条の会」が多彩な行動を展開しています。
 憲法学者だけでなく文学や哲学など幅広い分野の学者・研究者の呼びかけでつくった「立憲デモクラシーの会」(4月18日結成)の賛同者は1000人を突破。9日には国会内で記者会見を開き、呼びかけ人から「声を上げるべき決定的な時期に入った」との声が上がりました。
 宗教界では真宗大谷派が最高議決機関「宗議会」で「集団的自衛権の行使容認に反対する決議」を全会一致で採択(10日)。「集団的自衛権の行使容認への動きに対して、深い悲しみと大きな危惧を覚え、強く反対の意思」を表明。宗派を超えた共同アピール「集団的自衛権の行使に反対し、いのちと憲法9条を守ろう」には5238人の賛同が寄せられています。
 
劇作家 映画演劇人
 日本劇作家協会(坂手洋二会長)は13日、昨年出された日本弁護士連合会の「集団的自衛権の行使容認に反対する決議」に賛同を表明する、との声明を出しました。声明では、「表現者として…論理的に破綻し、手続きも全て無視した解釈改憲という憲法違反を許すわけにはいきませんし、今後も広く国民世論に働きかけていきます」とのべています。
 
 
地方議員が憲法解釈変更反対でグループ
NHK NEWS WEB 2014年6月15日
集団的自衛権の行使を容認する憲法解釈の変更に反対する地方議員およそ200人が、15日、都内で新たなグループの設立総会を開きました。
 
新たなグループは「自治体議員立憲ネットワーク」で、集団的自衛権の行使を容認する憲法解釈の変更に反対する北海道から九州までの地方議員215人が参加しています。
 
都内で開かれた設立総会では、法政大学の山口二郎教授が「限定的な集団的自衛権という考え方自体が矛盾している。アメリカの要求に応じず、日本だけ限定的に行使するのは現実的に不可能ではないか」と指摘しました。
そして、「憲法解釈の変更は、ほかの国の戦争に日本が参加する道となる。党派に縛られず横につながり、足元から民主主義を再構築していくべきだ」などとする決議文を採択しました。
 
グループでは1000人を目標に参加する地方議員を増やしたいとしています。
集団的自衛権を巡っては、全国の65の地方議会で、行使を容認する憲法解釈の変更に反対したり、慎重な議論を求めたりする意見書が可決されています。