また、高村自民副総裁は記者団に「日米防衛協力のためのガイドラインの改定の事前折衝に、秋口には入らないいけないので、20日までには閣議決定しなければいけない」と説明しました。国益に全く反する手前勝手の事柄を並べ立てられても、何の説明にもなっていません。
ただストッパー役を期待されている公明党も、「会期内は難しい。党内の合意、支持者の理解が必要だ」などと述べるなど、いまいち断固拒絶する意思があるのかがはっきりしません。
そんな弱腰を見透かすように、飯島勲内閣官房参与は10日、ワシントンで講演し、公明党と支持母体の創価学会の関係をめぐり、「政教一致という批判が出てきてもおかしくない」と言及しました。
これは閣議決定への合意を公明党に強制するための巧妙な揺さぶりです。
もしもそんな脅しに屈するようなことがあれば、公明党はこの先も重要段階で常のこの手を使われることになります。
平和志向の信念があるのであれば、宗教的な信念も含めて、そんな党利党略的な圧力に対しては毅然とした態度を示して欲しいものです。
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集団的自衛権の閣議決定 「今国会中」正式要請 自民幹事長
東京新聞 2014年6月11日
自民党の石破茂幹事長は十一日午前、公明党の井上義久幹事長と都内で会談し、武力で他国を守る集団的自衛権の行使を容認する解釈改憲の閣議決定について「今国会中に与党合意を得て、閣議決定したい」と、安倍晋三首相の意向を正式に伝えた。
石破氏は会談で、井上氏に「より徹底した議論を公明党内でもお願いしたい」と要請した。これに対し、井上氏は「会期内は難しい。党内の合意、支持者の理解が必要だ」と難色を示した。会談には両党国対委員長も同席し、二十二日までの今国会会期は延長しない方針も確認した。
これに関連し、与党協議座長の高村正彦自民党副総裁は与党の合意時期について、記者団に「二十日までには遅くともしなければいけない」と明示した。高村氏はその理由について、年末に予定する日米防衛協力のための指針(ガイドライン)の再改定を挙げ「(米国との)事前折衝に遅くとも秋口には入らないと。全体像をつくるのに、最低二、三カ月かかる」と説明した。
「解釈改憲」公明けん制 飯島氏「政教一致」持ち出す
東京新聞 2014年6月11日
【ワシントン=竹内洋一】飯島勲内閣官房参与は十日、ワシントン市内で講演し、集団的自衛権の行使容認に慎重な公明党と支持母体の創価学会の関係をめぐり、これまで「政教分離原則」に反しないとしてきた政府の解釈について「もしも内閣法制局が答弁を一気に変え、政教一致ということが出てきてもおかしくない」と見直しの可能性に言及した。
創価学会広報室は従来の集団的自衛権の憲法解釈を支持するコメントを五月に発表。飯島氏の発言はこれに歩調を合わせて解釈改憲に反対する公明党をけん制したものとみられる。飯島氏は「公明党あるいは創価学会の幹部の心理を推測すれば、そのこと(政教分離)を一番気にしているのではないか」とも述べた。