2014年7月24日木曜日

オスプレイを佐賀空港に配備 国が県に要請

 防衛省の武田良太副大臣は22日、古川康佐賀県知事と会談し、自衛隊が2015年度から導入予定の垂直離着陸機オスプレイ17機を佐賀空港に配備したいと要請しました
 副大臣はそれに加えて、(1)近隣に配備されているヘリ50機を同空港に移転し、700~800人規模・70機程度とする (2)空港西側の民有地20~30ヘクタールを18年度までに駐機場など整備する (3)長崎県佐世保市駐屯地に新設する「水陸機動団」の一部として運用する  などの方針説明しました
 要するに中国をにらみ、九州を「日本版海兵隊」の一大拠点にするという狙いです
 
 管理する民間専用空港が突然に軍用基地化されるわけで、県民に怒りや不安が広がっています。
 
 同日、安倍総理は、アメリカ軍普天間基地に配備されているオスプレイについて、名護市辺野古の代替施設が完成するまでの間、佐賀空港を暫定的に使用するようアメリカ側に働きかけていくことを明らかにしました。そして「アメリカ軍の抑止力は、国民の命を守り、日本の平和と安全を守るためには必要不可欠だ。その負担をみんなで分かち合うことが大切である」と述べました。
 
 もともとオスプレイは、レーダー網をかいくぐりながら超低空を飛行して、敵陣深く侵入する攻撃兵器であって、日本の防衛には不必要なものです。従ってアメリカの要求に基いて日本が大量に購入する必要もなければ、オスプレイを抱える米海兵隊を日本に駐在させておく必要もないものです。
 そうしたそもそものボタンの掛け違いが、このようにいろいろな害悪を撒き散らす展開になってきているわけです。
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首相 オスプレイ佐賀空港使用に理解を
NHK NEWS WEB 2014年7月23日
安倍総理大臣は群馬県甘楽町で記者団に対し、沖縄の基地負担の軽減に向けて、アメリカ軍普天間基地に配備されている新型輸送機オスプレイが佐賀空港を暫定的に使用することに、佐賀県の理解を求めていく考えを示しました。
 
政府は、沖縄のアメリカ軍普天間基地に配備されている新型輸送機オスプレイについて、普天間基地の移設先となっている名護市辺野古の代替施設が完成するまでの間、佐賀空港を暫定的に使用するようアメリカ側に働きかけていく方針です。
これについて安倍総理大臣は「沖縄の負担軽減のため、できることはすべて行うというのが安倍政権の基本的な姿勢だ。先日、普天間基地に駐留するKC130の岩国基地への移駐がスタートしており、地元の皆様の理解をいただいた結果だ」と述べました。
そのうえで安倍総理大臣は「アメリカ軍の抑止力は、国民の命を守り、日本の平和と安全を守るためには必要不可欠だ。その負担をみんなで分かち合うことが大切であり、そのことをご理解いただくよう、これからも丁寧に努力していきたい」と述べ、沖縄の基地負担の軽減に向けてオスプレイが佐賀空港を暫定的に使用することに、佐賀県の理解を求めていく考えを示しました。
 
 
オスプレイ 17機配備計画 防衛省が県に要請 米軍暫定配備も
佐賀 軍事拠点化に怒り
しんぶん赤旗 2014年7月23日
 防衛省の武田良太副大臣は22日、佐賀県庁で古川康知事と会談し、陸上自衛隊が2015年度から導入を予定している米国製の垂直離着陸機オスプレイ17機の佐賀空港への配備を要請しました。防衛省は8月にまとめる来年度概算要求に関連経費を盛り込み、19年度から配備する構えです。 
 
ヘリ含め70機に
 同空港は1998年7月に開港した県管理の民間専用空港です。県が90年3月に地元漁協などと交わした協定では、自衛隊との共用はしないことを確認しています。突然の配備要請に県民の怒りや不安が広がっています。
 武田副大臣は加えて、(1)近隣の陸自目達原(めたばる)駐屯地(吉野ケ里町)に配備されているヘリ50機を同空港に移転し、700~800人規模・70機程度とする (2)空港西側の民有地20~30ヘクタールを取得し、18年度までに駐機場などを整備する (3)長崎県佐世保市の陸自相浦(あいのうら)駐屯地に新設する「水陸機動団」の一部として運用する  方針も説明。安倍政権は中国をにらみ、九州を「日本版海兵隊」の一大拠点にする狙いです。
 
 さらに、「沖縄の負担軽減」を口実に、米海兵隊普天間基地(宜野湾市)所属のMV22オスプレイの訓練移転や、同県名護市辺野古の新基地が完成するまでの「暫定配備」にも言及しました。これが強行された場合、自衛隊機とあわせて70機を超える可能性があります。
 
 古川知事は「なぜ佐賀空港なのか。オスプレイが安全なのか。政府として責任を持って説明することが必要だ」などと述べて回答を留保しました。ただ、今後の協議には応じる考えを示しました。
 武田副大臣は8月までの了承を求めましたが、古川知事はこれを否定。9月の県議会で議題とする考えを示しました。
 
「自衛隊との共用しない」
※  佐賀県が交わした公害防止協定(抜粋)
 覚書に「自衛隊との共用はしない」旨を明記されたい。
 〈県の考え〉県は佐賀空港を自衛隊と共用するような考えを持っていない。また、このことは協定第3条の「空港の運営変更」にもなることであり、当然に「事前協議」の対象となるものであると考える。
 
市民が抗議集会 県庁前 「撤回を」知事に申し入れ
 防衛省の武田良太副大臣がMV22オスプレイ17機の佐賀空港への配備を要請した22日、日本共産党などの政党、労組、市民団体など約150人が佐賀県庁前で抗議集会を開きました。共産党県委員会は「計画の撤回を」と古川知事あてに申し入れました。
 
 「佐賀の空にはオスプレイはいらない」「軍事基地化に反対」「ふるさとをまもろう!」などの横断幕を掲げて、抗議の声を上げました。
 
 新日本婦人の会佐賀県本部の田中秀子会長は「平和な佐賀の空に危険なオスプレイの配備を計画するなんて驚きました。安倍首相のタカ派ぶりに怒りを禁じ得ません。命を生み育む女性の立場でも、子どもたちの未来に佐賀を戦争の足場にしたくありません」と話しました。
 
 「居ても立ってもいられない」と佐賀空港の近くから駆けつけた男性(72)は「騒音問題や多発事故を起こすオスプレイを佐賀空港に配備するなんて気は確かか。自然豊かな有明海にオスプレイは似合わない」と怒りました。