2014年7月22日火曜日

パン事務総長 イスラエルに即時停戦呼びかけ

 国連のパン・ギムン潘 基文事務総長は20日、訪問先のカタールで、イスラエル軍によるガザ地区東部への攻撃について、この残虐な行為を強く非難する。イスラエルは最大限自制し、市民の犠牲を出さないようにしなければならない」と述べ、改めて即時停戦を呼びかけました。
 
 イスラエル軍は、ハマスがロケット弾攻撃などに使っている地下トンネルを破壊するためとして、19日夜から20日にかけてガザ地区東部の町を集中的に攻撃しました。
 空爆が始まってからのパレスチナの被害は、死者501、(負傷者数千人:不詳、)避難した人8万1000人(21日朝NHK)に上りました。
 
 イスラエルとガザ地区パレスチナ間の軍事力は桁違いで、200対1と標榜される巨人と幼児の戦いです。決して「暴力の応酬」とか「暴力の連鎖」と呼べるようなものではありません。確かにガザ地区からロケット弾は発射されていますが、イスラエルの迎撃兵器アイアンドームに的確に迎撃されてあまり効果はなく、単なる反撃の象徴と看做されているということです。
 米国の威に服する欧州や日本の政府・メディアは、イスラエルを非難することはしませんが、いま起きていることは「一方的な」パレスチナ人民の殺戮です。
 
 21日に開かれた国連の安保理は、アメリカの反対でイスラエルを非難する決議が採択できないため、「イスラエルに対し市民の犠牲を避けるよう求める報道機関向けの談話発表に留まりました。
 
 そういう状況のなかで、潘事務総長が「この残虐な行為を強く非難する」と明言したのは、大いに評価できます。
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パン事務総長 イスラエルに即時停戦呼びかけ
NHK NEWS WEB 2014年7月21日
イスラエル軍がパレスチナ暫定自治区のガザ地区への攻撃を強め、多数の犠牲者が出るなか、国連のパン・ギムン事務総長は20日、訪問先のカタールで、イスラエル側に強く自制を求め、改めて即時停戦を呼びかけました。
 
イスラエル軍は、イスラム原理主義組織ハマスがロケット弾攻撃などに使っている地下トンネルを破壊するためとして、19日夜から20日にかけて、ガザ地区東部の町を集中的に攻撃し、市民を含む60人余りが死亡したほか、イスラエル軍の兵士も20日だけで13人が死亡しました。
こうしたなか、停戦を働きかけるために中東地域の訪問を開始した国連のパン・ギムン事務総長は20日、最初の訪問地のカタールでアティーヤ外相とともに記者会見しました。
この中で、パン事務総長はイスラエル軍によるガザ地区東部への攻撃について、「この残虐な行為を強く非難する。イスラエルは最大限自制し、市民の犠牲を出さないようあらゆる手段を講じなければならない」と述べ、イスラエルに強く自制を求めました。そのうえで、「イスラエル軍とハマスは国際人道法を順守し、暴力を直ちに止めなければならない」と述べ、改めて即時停戦を呼びかけました。
パン事務総長は、ハマスに影響力を持つカタールに停戦の実現に向け協力を求めるとともに、同じくカタールを訪れているパレスチナ暫定自治政府のアッバス議長とも会談し、パレスチナ側が結束して停戦に応じるよう、働きかけることにしています。
 
 
安保理 「イスラエルは市民の犠牲避けよ」
NHK NEWS WEB 2014年7月21日 15時13分
 イスラエル軍によるパレスチナ暫定自治区のガザ地区への攻撃で、この2日間で60人以上が死亡したことを受けて、国連安全保障理事会は、イスラエルに対し市民の犠牲を避けるよう求める報道機関向けの談話を発表しましたが、パレスチナは安保理の対応が不十分だと不満を示しました。
イスラエル軍は、イスラム原理主義組織ハマスによるロケット弾攻撃を阻止するためだとして、現地の19日夜から20日にかけて、ガザ地区東部の町を集中的に攻撃し、市民を含む60人余りが死亡しました。
こうした事態を受け、国連の安全保障理事会は20日夜(日本時間の21日午前)から、緊急の非公式の会合を開きました。
会合のあと、安保理議長国を務めるルワンダのガサナ国連大使が報道機関向けの談話を発表し、ガザ地区の情勢に懸念を示したうえで、イスラエルに対して「国際人道法を順守し市民の保護に当たるよう求める」としています。
このあと、パレスチナのマンスール国連大使は記者団に対し、「安保理がイスラエルを非難し、暴挙をやめさせる決議を採択することを望んでいた」と述べ、安保理の対応が不十分だと不満を示したうえで、イスラエルが安保理の談話に応じるのか厳しく見届けるとしています。
国連では、ガザ地区での犠牲者が増えるなかでも、アメリカがイスラエルに圧力をかける安保理決議などに反対し議論が停滞しているとして、パレスチナのほかアラブ各国の間でいらだちが広がっています。
 

ガザ情勢、パレスチナ側の死者500人超
AFP通信 2014年7月21日
【7月21日 AFP】イスラエル軍による攻撃が続くパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)で21日、イスラエル軍が前日に行った空爆で破壊された住宅跡から16人の遺体が新たにみつかった。イスラエルによる同地区への本格的な攻撃が始まってからのパレスチナ側の死者数は、これまでに501人に上っている。
 
 救急当局によると、16人の遺体は南部のハンユニス(Khan Yunis)の住宅跡から見つかった。イスラエルによる前日の空爆では、2006年のレバノン侵攻以降、1日としては最多の犠牲者が出ている。(c)AFP