2014年7月25日金曜日

国連人権理事会がイスラエル非難の決議 ガザ戦闘

 国連人権理事会は23日、国連欧州本部で開いた緊急会合で、イスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザ地区への攻撃を非難し、人権侵害の実態を調べる国際調査団の派遣を盛り込んだ決議案を賛成29、反対1、棄権17で採択しました(構成47カ国)これでようやく国連が国連らしい決議を出すに至りました。
 
 決議案採決では中東・中南米諸国やロシア、中国などが賛成票を投じ、米国が反対し、欧州諸国や日本などは棄権しました。日本はこれまで一貫して米国の意に染まない投票行動はとらないようにしてきました
 
 会合で、パレスチナ自治政府のマルキ外相は「イスラエルの行動は人道に対する罪だ」と糾弾し、ピレイ国連人権高等弁務官はイスラエル軍の民間人殺害が「国際人道法に違反している」と指摘しました。
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ガザ戦闘:国連人権理事会がイスラエル非難の決議
毎日新聞 2014年07月24日
 【ローマ福島良典、ワシントン和田浩明】国連人権理事会(構成47カ国)は23日、スイス・ジュネーブの国連欧州本部で開いた緊急会合で、イスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザ地区への攻撃を非難し、人権侵害の実態を調べる国際調査団の派遣を盛り込んだ決議案を賛成29、反対1、棄権17で採択した。
 
 決議案はパキスタンなどが提出した。決議はイスラエル軍の攻撃を「広範かつ組織的で重大な人権・自由の侵害」と非難し、住宅地などへの爆撃が「国際犯罪にあたる可能性がある」と指摘している。一方で、ガザ地区からイスラエルをロケット弾で攻撃しているイスラム原理主義組織ハマスについては名指しでの批判はしていない。
 
 決議案採決では中東・中南米諸国やロシア、中国などが賛成票を投じ、米国が反対、欧州諸国や日本などは棄権した。イスラエル大使は「決議案はバランスを欠き、(紛争の)火に油を注ぐもの。人権理にイスラエルの自衛を止めることはできない」と反発した。
 
 米国務省のハーフ副報道官も23日の定例記者会見で「偏向した反イスラエル行動の一つだ」と強い調子で批判し、「我々はたとえ一国でも、イスラエルのために立ち上がる」と述べた。
 決議によると、調査団「独立国際調査委員会」の主目的は「東エルサレムを含むパレスチナ占領地、特にガザ地区におけるあらゆる国際人権・人道法違反」の調査と「責任者」の特定。今後、調査団の構成などが詰められる見通しだが、イスラエルの協力が得られるめどは立っていない。
 
 会合ではイスラエルとパレスチナが非難合戦を繰り広げた。「戦争犯罪をおかしているのはハマスだ」と主張するイスラエル大使に対して、パレスチナ自治政府のマルキ外相は「イスラエルの行動は人道に対する罪だ」と糾弾した。ピレイ国連人権高等弁務官はイスラエル軍による民間人殺害が「国際人道法に違反している可能性が大きいとみられる」と指摘した。
 
 人権理の緊急会合を開くには構成47カ国の3分の1(16カ国)以上の賛成が必要。今回はエジプト、パキスタン、パレスチナ自治政府の要請を受け、ロシア、中国を含む21カ国が開催を支持した。