2014年7月29日火曜日

米は本気でロシアとの戦争を画策、世界は破滅に向かう

 28日の記事:「核戦争=世界破滅 の覚悟が求められている」で、あいば達也氏のブログを紹介しましたが、同じ28日に、アメリカのPaul Craig Roberts氏の“アメリカが本気でロシアとの戦争を画策し、世界は破滅を運命づけられている(趣旨)”とする論文の邦訳が、「マスコミに載らない海外記事」に載りました。
 まさにあいば氏の主張と軌を一にするものです。
 
 Roberts氏は常に歯に衣を着せずに、アメリカの不正義・欺瞞・謀略・侵略性・好戦性・独善性・横暴を具体例をあげて糾弾しています。
 そしてアメリカと比肩し対抗する勢力の存在は許さないとするウォルフォウィッツ・ドクトリンによって、今回はロシアがその標的にされているが、いずれは中国にも向かうだろうと述べています。
 
 同氏は、まず
 「ジョン・ケリー米国務長官などの、根拠のないウソの積み上げ=対ロシア・プロパガンダ(悪宣伝)によって、ロシアを悪魔化することに成功したアメリカは、いまは上院議員、NATO司令官アメリカ統合参謀本部議長などがロシアとの戦争開始に向けて、ロシア国境への軍隊の配備・軍需物資の配備を増強できる根拠を構築し、対ロシア戦争への世論を作り上げるべく懸命に段取を進めている。
 米参謀本部議長デンプシー大将は、ロシアがウクライナに侵入しているとして、それは1939年以来の重大なロシアの決断の下に行われたと煽っている。
 
 こんな風にアメリカはいまロシアとの戦争を開始しようと全力を挙げているのに、ヨーロッパ各国政府やマスコミは全く気づいていないようだ。自分たちの未来に関心がないのか。
 現実にアメリカは、これまでイラクやホンジュラス、リビア、セルビアなどの国の指導者を悪魔化し、打倒し、侵略してきた。それがロシアに向けて行われようとしている」
と述べ、ロシアがアメリカとの戦争を回避するための唯一の方法は、プーチンが国連でアメリカの対ロシア戦争に向けての準備を訴えることだと主張しています。
 
 そしてプーチンは国連で、次のことを明らかにすべきだとしています。
 選挙で選ばれたウクライナ政権を打倒したアメリカがクーデターを画策しクーデターに反対する人々への暴力行為を煽り、ロシアが、キエフ政権と親ロシア派との交渉を繰り返し訴えても、アメリカは耳を傾けようとはしなかったこと
② アメリカが、ロシア国境で兵力を増強し、戦争準備の法案を整備し、ロシア挑発し、孤立化させ、経済的・政治的損害を負わせようとしていること。
③ ロシアが受け入れられる挑発には限界があること
④ アメリカはABM条約から脱退し、ロシア国境ABM基地建設したこと。
⑤ アメリカ兵器による対ロシア先制攻撃を目論んでいること。
 
 さらに今後も世界がアメリカのウソと侵略を許し続ければ、あり得る結果は、単なる次の破滅的戦争でなく生命の絶滅であることを、プーチンははっきり述べなければならないとしています
 
 米国人のRoberts氏から見ると事態はそこまで切迫しているということです。
 
 追記) アメリカは、核の先制攻撃によってロシアを壊滅できると分析しているといわれます。
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欧米の無頓着さによって、世界は破滅を運命づけられている
マスコミに載らない海外記事 2014年7月28日
Paul Craig Roberts  2014年7月26日
(副題)さほど長くは生きられないと覚悟しよう
アメリカの対ロシア・プロパガンダと攻撃を可能にさせていることで、ヨーロッパ諸国政府と欧米マスコミは、世界を危機に追いやっている。
アメリカは、イラクのサダム・フセイン、アフガニスタンのタリバン、リビアのカダフィ、シリアのアサド、ベネズエラのチャベス、そしてもちろんイランの悪魔化に成功してきたと同様に、新たなヒトラー、あるいは新たなスターリンが率いる、危険な攻撃的な国として、ロシアを悪魔化する為の見え透いたウソを利用するのに成功した。
 
本当の悪魔達、クリントン、ブッシュ、オバマ、つまり“例外的で必要欠くべからざる人々”は、悪魔化の対象にならずに済んでいる。連中の恐ろしい本物の犯罪は人目につかないまま、虚構の犯罪が、例外的ではなく、必ずしも必要ではない国民や国家のせいにされてしまう。
アメリカが特定の指導者や国家を悪魔化して表現する理由は、アメリカがその指導者や国家に対して、武力を行使して活動できるような状態を生み出せるようにする為だ。
“ロシア(の)侵略”を主張するひっきりなしのアメリカのウソが、何の根拠もなく、「ロシア(の)侵略」を作り出してしまった。ジョン・ケリーと国務省のマリー・ハーフは毎日新たなウソを発しているが、裏付ける証拠は皆無だ。舞台準備ができたので、アメリカ上院議員、NATO司令官やアメリカ統合参謀本部議長が、戦争の輪を勢いづけるのに懸命だ。
 
上院法案2277は、ロシア国境における軍隊強化を可能にし、ウクライナの立場を“アメリカ同盟国”に嵩上げして、アメリカ軍がウクライナの“テロリスト”に対する戦争を支援できるようにする為のものだ。http://un.ua/eng/article/522930.html 下記も参照。
 
NATO司令官ブリードラブ大将は、アメリカ/NATO軍が、より迅速にロシアを攻撃できる様にすべく、軍需物資をロシア国境に備蓄する計画を準備している。
 
アメリカ統合参謀本部議長のマーティン・デンプシー大将は、来るべき戦争の為、アメリカ世論を作り上げる作業中だ。
7月24日、デンプシーは、アメリカの意見を形成する為の幹部レベルの集まり、アスペン安全保障フォーラムで、ウクライナにおける、プーチンの侵略は、1939年のスターリンによるポーランド侵略にも比すべきもので、ロシアの脅威は、ウクライナや、東ヨーロッパに限られず、世界的なものだと述べた。
デンプシーが、彼等に、ウクライナにおけるロシアの(そう主張されているだけで、証明されてはいない)関与、自国の目標を達成する為、他の主権国家内部で、軍事力を行使するという意識的な決断をロシアがしたのは、1939年以来、始めてのことだと言った際に、アスペン・フォーラムに出席していた知識人達はドット笑いだしはしなかった。過去三代の大統領政権時代に、アメリカが一体何をやってきたのかを、誰もデンプシーに質問しなかった。クリントンがセルビアで、ブッシュとオバマがアフガニスタン、イラク、ソマリア、パキスタン、イエメンで、オバマがリビアとシリアでしてきたことについては。
 
デンプシーの発言はこうだ。“他の主権国家内で、その狙いを実現する為に、軍事力を使用すると、ロシア政府は意識的な決断をしたのです。1939年以来始めて、あるいはそれに類することです。彼等は明らかに、東ヨーロッパでのみならず、ヨーロッパ中枢や、アメリカ合州国に対して、自らの違う主張方法をとろうとしているのです。”
世界は自分が好きなようにできるのだというアメリカの見方は余りに無知で、デンプシーも、アスペン・フォーラムでの彼より高位な聴衆も、発言のばからしさには気付かなかった。アメリカも洗脳されたアメリカ国民も、“例外的で、必要欠くべからざる国民”は、他の国々の主権による制限を受けずに行動できて当たり前だと思い込んでいる。
 
アメリカは、他の国々で、その国自体の法律より、アメリカ法が優先して当たり前だと思い込んでいる。アメリカ政府は、外国の金融機関や大企業に対して、誰と商売をして良く、誰と商売をしてはいけないか、命じることができるのかどうか、フランスやスイスに質問してみて頂きたい。イランとの事業をするのを邪魔された、あらゆる国々や大企業に質問してみて頂きたい。アメリカは、どの国でも、その指導者を悪魔化し、打倒し、侵略できるのかを、イラクやホンジュラス、リビア、セルビア等々に質問してみて頂きたい。パキスタンやイエメン等、アメリカが戦争状態にはない外国の国民に対して、アメリカは、軍事作戦を行えるのかどうかを。
こうしたこと全てが可能なのは、“神に選ばれた国民”という肩書きを、アメリカが、イスラエルから獲得した為だ。もちろんイスラエルがその肩書きを失ったからといって、イスラエルが同じやり方を改めたわけではない。
 
アメリカは今、戦争の輪を回転させようとしている。戦争の輪が一度回転を始めてしまえば、慣性で前進が始まる。愚かな、実際全く馬鹿なヨーロッパ各国政府やマスコミは、自分達の未来、というより未来の欠如を、アメリカが画策していることに気がつかないように見えるが、それとも連中は自らの未来には無関心なのだろうか。連中は無頓着さで、自らと全人類とを破滅に追いやっているのだ。イギリス首相や、フランス大統領や、ドイツ首相が、ホワイト・ハウスに招待されなかったり、あるいはポーランドの取るに足らない連中が、アメリカから給料を貰いそこなったりすれば、大変なことだ。
 
解決策の無い問題に耐えられない読者の皆様がいつも解決策を要求して来られる。そこで、解決策はこうだ。
戦争を避ける唯一の可能性は、プーチンが国連に提訴することだ。アメリカが、コリン・パウエルを、いかなる真実ももたせずに国連に派遣して、イラク戦争というアメリカの主張をさせたのであれば、プーチンは、国連でアメリカの対ロシア戦争に関する彼の主張を訴えることが可能なはずだ。
王様は裸だという主張は容易なはずだ。
 
アメリカと違い、プーチンは、ウクライナで一体誰が何をしているかに関して、ロシアが持っている証拠を進んで共有しようとしている。選挙で選ばれた政権を打倒したアメリカが画策したクーデターや、クーデターに反対する人々への暴力行為の支持や、ロシアが、キエフと分離主義者に対して、意見の相違の交渉を繰り返して訴えても耳を傾けようとはしなかったことを証明するのは簡単なことだろう。
 
プーチンは、アメリカが、ロシア国境で兵力を増強し、更なる増強を呼びかけ、アメリカの戦争準備として読める上院法案2277や、アメリカ最高位の将軍達や政府幹部による対ロシアの挑発的な行動や非難や、ロシアを孤立化させて、ロシアに、経済的・政治的損害を負わせようという取り組みで、対ロシアの挑発的軍事段階を発展させ続けていることを、世界に明らかにすべきなのだ。
プーチンは、ロシアが受け入れられる挑発には限界があること、ロシアがアメリカからの先制核攻撃を受ける危機にあると考えていることを、世界に明らかにすべきなのだ。プーチンは、ABM条約からのアメリカ脱退や、ロシア国境へのABM基地建設や、アメリカの核戦力を、報復的役割から、先制第一撃の役割へ格上げするアメリカ戦争教義の正式な変更についても説明できる。こうした行為がロシアに向けられていることは明らかだ(そして中国だ。目覚めよ中国! 次はあなた方の番だ!)。
プーチンは、世界がアメリカのウソと侵略を許し続ければ、ありうる結果は、単なる次の破滅的戦争でなく、生命の絶滅であることを、はっきり述べなければならない。
 
世界中の政府、特にヨーロッパ、カナダ、オーストラリアや、日本のアメリカ家臣連中には、自分たちがアメリカの攻勢を可能にさせてしまっているのを止めるのは連中の責任であり、さもなくば、第三次世界大戦は彼等のせいであることを認めろと言ってやることが必要だ。
少なくとも我々全員、傲慢なサマンサ・パワーズと、意気地なしのイギリス・ポチが立ち上がり、国連の会議から歩き去るのを目にして楽しむことが出来るだろう。アメリカがこの非難に反論できないことについては、全く疑念の余地がない。
 
アメリカ外交政策を支配し、地球に死を宣告するウォルフォウィッツ・ドクトリンを再度掲載しておこう。
“我々の第一目標は、旧ソ連地域であれ、他の場所であれ、かつてソ連が引き起こしていた規模の脅威をもたらす新たなライバルの再登場を防ぐことだ。これは新たな地域防衛戦略の根底にある主要な考え方であり、統合的に管理すればグローバル・パワーを生み出すに十分な資源がある地域を、いかなる敵対的勢力にも支配させないよう、我々は尽力しなければならない。”
アメリカの家臣でないあらゆる国が敵対勢力と定義されうるのだ。
 
ウォルフォウィッツ・ドクトリンが、アメリカ合州国と、アメリカ国民と、だまされやすいEUのアメリカ同盟諸国と、その国民を、ロシアと中国との戦争に巻き込むのだ。ロシアと中国が降伏しない限り、世界は破壊されるだろう。
世界の破壊こそ、愚かなEU政府と欧米売女マスコミが、連中がアメリカのウソと侵略を可能にしてきたことによって促進してきたものにほかならない。