2015年1月14日水曜日

安倍政権は佐賀県知事選でも大敗

 11日に投開票された佐賀県知事選は、山口祥義氏自公推薦の樋渡候補に4万票の大差をつけて勝利しました。
 当初は樋渡優勢が伝えられていたのに蓋を開けてみればこの逆転で、安倍政権はこれで滋賀県、沖縄県に続いて主要知事選3連敗となりました(福島県では民主党の候補に抱きつきました)。
 これで4月の地方選が面白くなりました。
 
 安倍政権は佐賀県知事選を「どんな手を使ってでも勝たないといけない」重要な戦いと位置付けて、菅官房長官や谷垣禎一幹事長ら、それに公明党の太田国交相を投入して総力戦を展開しました。
 途中からはナント“電話で安倍首相の録音メッセージを流す”てこ入れ」を図ったということですが、受話器の向こうから安倍首相のテープの声が流れてくれば、有権者は樋渡氏に投票するとでも思ったのでしょうか。安倍氏の声では誰が考えても逆効果しかないのに、よくもそんなことを思い付くものです。

 そういうことを首相にすすめて「いい子」になろうとする取り巻きの感覚はどうかしていますし、それに応じる安倍氏もどうかしています。首相はツイッターで賛成してくれる「ネトウヨ=ネット右翼」の応援メッセージを読んでは悦に入っていると書かれているので、それを国民多数の声とでも錯覚したのでしょうか。3分の2という議席に満足して、それが対有権者比で4分の1の支持によるものという事実を忘れているようです。
 
 受信者の意向を無視して、無差別かつ大量に一括して送信される迷惑メールをスパムメールといいますが、日刊ゲンダイはそれになぞらえてスパム電話と呼んで、それが県民の怒りに火を注いだと書いています。
 
 日刊ゲンダイの記事を紹介します。
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佐賀でも大敗…自民党“知事選3連敗”統一地方選に重大影響 
 日刊ゲンダイ 2015年1月13日
 11日に投開票された佐賀県知事選の「大惨敗」に自民党が真っ青になっている。告示前は自民党が全面支援した前武雄市長の樋渡啓祐氏(45)が「圧勝」とみられていたのに、フタを開ければ、総務官僚出身の山口祥義氏(49)に4万票もの大差で敗れたからだ。
 
  自民党は選挙戦で、菅官房長官や谷垣幹事長、公明党の太田国交相などの大物閣僚を次々と樋渡の応援演説に投入した。昨年7月の滋賀、11月の沖縄の両県知事選に続く「3連敗」は避けたいと“万全”の態勢を敷いたはずだった。それがまさかの苦杯だ。大メディアは安倍政権が「岩盤規制」と位置付ける農協改革に対し、地元の農協が反発した――などと解説しているが、そうじゃない。
 
  そもそも、知事選が行われたのは、官邸サイドが「九州電力玄海原発の再稼働」と「佐賀空港のオスプレイの配備」をスンナリと進めるため、古川康前佐賀県知事に任期途中の国政転身を促したからだ。古川は衆院選(佐賀2区)で当選し、官邸は古川氏と同様に官邸の意のままに動く“操り知事候補”として樋渡氏をゴリ押しした。こうした地方の民意を無視し、身勝手な政策を押し付ける安倍政権の中央集権的な姿勢に地方の有権者が怒りを爆発させたのである。
 
■安倍首相の肉声「スパム電話」が怒りに火
 「安倍政権のやり方がヒド過ぎると、『県農政協議会』や『県有明漁協』など自民の支援団体が続々と反旗を翻しました。沖縄と同じ構図ですよ。選挙期間中、安倍政権が米軍基地移設計画に反対して当選した翁長雄志沖縄県知事に対し、政府関係者を面会させず、予算を削減するという『報復措置』が報じられ、ますます有権者の反感が高まりました。さらに安倍首相の録音テープによる『スパム電話』も県民の怒りに火を注ぎました」(佐賀県政記者)
 
 「佐賀の乱」は、地方の声をないがしろにする安倍政権の末路を示していると言っていい。今後、地方から「安倍降ろし」の声が高まるのは確実で、4月の統一地方選でも安倍自民は絶対勝てない。