2015年1月8日木曜日

物価は上がり放題、それでも特例・支援給付金はばっさりカット

  6日付の日刊ゲンダイが「1月~3月値上げカレンダー」を掲載しました。
 それを見ると食料品の他にも文房具1千品目以上や、自動車、パソコンなどと多岐にわたり、その値上げ率はほとんどが平均5%以上で、政府が口にしていた2%などというものはまずありません。
 4月以降も値上げラッシュは続きますし、円安が1ドル120円で収まらなければ値上げ率は更に跳ね上がります。
 そしてその値上げが賃上げなどない人たちのフトコロを直撃します。
 
 その一方で安倍政権は、消費税アップによる国民の負担を減らす目的で作られた制度を殆ど中止するか、先送りすることを決めました。
 
 5日付のNEWSポストセブンによれば、まず中学生以下の子供を持つ子育て世帯(1350万世帯)に支給するだった1万円の「子育て世帯臨時特例給付金」の支給中止し、低所得者世帯(2400万人)に対して、最高1万5000円給付する筈だった「臨時福祉給付金」は6000円に減らし、低所得の年金生活者(790万人)への月5000円の「年金生活者支援給付金」は支給を先送りにするという具合で、カットされた給付金の総額は実に9000億円に上ります
 昨年4月 消費税を8%に上げるとき、その増収分は「社会保障にしか使わない」と言っていたのではなかったのでしょうか。
 
 安倍首相が自らを励ますよすがになっていたらしい株高もいよいよ下落を始めました。9000円まで落ちるという見方もあります。
 それでもまだ「アベノミクス」に何か意味があるかのような幻想に浸っているのでしょうか。

 そんな幻想からは一刻も早く現実に立ち帰ってもらい、自分が行っている政治が極めて冷酷なものであることを早く自覚して欲しいものです。
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安倍首相 1万円の「子育て世帯臨時特例給付金」支給中止へ
NEWSポストセブン2015年1月5日
週刊ポスト2015年1月16・23日号
 安倍晋三・首相は、消費税率10%への再増税を2年先送りしたことを「国民への施し」とでも思っているようだ。だからこそ、“増税を延期してやったんだからいいだろう”とばかりに平然と別の負担を国民に押し付けてくる。
 
 まず中学生以下の子供を持つ子育て世帯(1350万世帯)には、支給するはずだった1万円の「子育て世帯臨時特例給付金」の支給中止を決めた。低所得者世帯(2400万人)に対しては、最高1万5000円だった「臨時福祉給付金」を6000円に減らす。そして低所得の年金生活者(790万人)への月5000円の「年金生活者支援給付金」は支給の先送りを決めた。
 
 いずれも「増税による国民の負担」を減らす目的でつくられた制度だ。いまも国民は物価上昇で財布の紐を固く締め、消費税8%の痛みに耐えている。それなのに、“10%にはしなかったから、こっちはおあずけ”と取り上げた。
 
 安倍氏は昨年4月に消費税率を3%引き上げた時、「社会保障にしか使わない」と語ったが、国民からカネだけ取って社会保障を真っ先に切ったわけである。3つの給付金の中止と減額で国民は懐に入るはずだった9000億円を奪われた。
 
 
アベノミクスの弊害 生活を直撃「値上げカレンダー2015」 
日刊ゲンダイ 2015年1月6日
 あれ? いつもより値段が高くないか。昨年末にカップ麺を買ったときは170円(税抜き)だったのに、年が明けたら180円に値上がりしていた。ささいな価格アップだが、値上がりはカップ麺だけじゃない。文房具や輸入ワインなども新年になった途端に値上がりしたので、トータルではかなりの支出増となる。
 
 「昨年まで値上げを我慢してきた企業が、年明けと同時に続々と値上げに踏み切っています。食料品が多いので、家計を直撃するでしょう」(大手スーパー関係者)
 
 日清食品は1月1日出荷分から「カップヌードル」や「チキンラーメン」を値上げした。明星食品の「チャルメラ」、サンヨー食品の「サッポロ一番」などサラリーマンになじみ深い即席麺も同様だ。5日にも食用油やスパゲティ、ティッシュなどが値上げされた。
 2月には冷凍食品やカレールー、3月はアイスクリームや冷蔵麺、オリーブオイルなどの価格が上昇する(別表参照)。
 
 昨年、アベクロの脱デフレ路線の悪影響で円安が加速。現在は1ドル=120円水準にあり、食材や資材を輸入する企業は悲鳴を上げている。安倍政権が発足した12年末に比べ、ドル円相場は35円も円安に振れた。率にして40%以上だ。
 
■07年6月相場が節目
 「企業努力にも限界があります。このまま円安が止まらなければ、あらゆる分野で、さらなる値上げラッシュが起きるかもしれません」(株式評論家の倉多慎之助氏)
 マネーパートナーズの武市佳史チーフアナリストは、「ドル円は07年6月につけた1ドル=124円14銭を目指す」といっている。円安はますます加速し、値上げラッシュも勢いを増す可能性が高いのだ。
 「パソコンは円安の影響で輸入部品が高値となり、一部製品は10%ほど値上がりしています。この先、デジカメやスマホも影響を受けることになるでしょう」(電機関係者)
 
 給与が上がれば、まだ何とかしのげるが、14年11月の賃金は前年同月比で1.5%減の27万2726円。9カ月ぶりに減少に転じた。実質賃金は4.3%減と17カ月連続で減っている(厚労省の毎月勤労統計調査)。
 電気・ガス料金にしても、東京電力、中部電力、東京ガス、大阪ガスなどが2月に値上げする。
 政府・日銀の過度な円安誘導で、15年は庶民生活をどん底に突き落とす恐怖の「値上げイヤー」になりそうだ。