2015年1月24日土曜日

宇治民話の会 戦争体験証言第2集を刊行へ

 
 地域のお年寄りが語った太平洋戦争時代の記憶を2年前に冊子にまとめた宇治市の「宇治民話の会」が、今夏 戦争体験証言の第2集を刊行します
 2013年夏には、宇治市などに住む80~90代の約40人に戦争体験を聞き取って編集した冊子「この子らのために」を発表しました
 つらい思い出をありのまま記した作品の反響は大きく、続編を作ることになったものです
 メンバーは現在、同市の小倉公民館活動拠点にしていて、第2集は30人前後の体験談を収録する予定です
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戦争体験証言第2集を刊行へ 京都・
京都新聞 2015年1月23日
 地域のお年寄りが語った太平洋戦争時代の記憶を2年前に冊子にまとめた京都府宇治市の市民サークル「宇治民話の会」が、終戦70年を迎える今夏、第2集を刊行する。戦争体験者から聞き取りを重ねており、「戦争を知る世代が減る中、反戦への強い思いを若い人に語り継ぎたい」と証言に耳を傾けている。
 
 府南部の昔話や伝承の発掘に取り組む宇治民話の会は2013年夏、宇治市などに住む80~90代の約40人に戦争体験を聞き取って編集した冊子「この子らのために」を発表した。つらい思い出をありのまま記した作品の反響は大きく、続編を作ることにした。
 メンバーは現在、活動拠点の小倉公民館(同市小倉町)に体験者を招いたり、直接訪問したりして回想を書き留めている。第2集は30人前後の体験談を収録する予定という。
 
 東日本大震災で宮城県石巻市から避難した高橋幸子さん(82)=宇治市伊勢田町=は、家族とともに樺太(サハリン)で終戦を迎えた。ソ連兵の襲撃の恐怖におびえ、着の身着のまま船で日本に引き揚げたことなどを振り返った。ほかにシベリア抑留での過酷な重労働や帰国後の職探しに苦労したことを打ち明けた男性もいる。
 
 代表の阪田憲子さん(67)=同市宇治=は「体験者の根底には、二度と戦争をしたくないという強い思いがある。家族にも言えなかったつらい経験や記憶もあり、重い証言を後世に伝え残したい」と話している。

 
高橋さん(中央)から戦時中の体験談を聞き取る宇治民話の会のメンバー=宇治市小倉町・小倉公民館
高橋さん(中央)から戦時中の体験談を聞き取る宇治民話の会のメンバー=宇治市小倉町・小倉公民館