2016年8月16日火曜日

戦没者追悼式 陛下「深い反省」2年続けて

 天皇陛下は皇后さまと全国戦没者追悼式に臨み、去年に続き「深い反省」という言葉を盛り込んで、お言葉を述べられました。
 天皇陛下は1989年の即位以来、毎年全国戦没者追悼式でおことばを述べられてきましが、戦後70年にあたる2015年は「さきの大戦に対する深い反省」との文言が初めて使われました。
 そして今年のおことばにも引き続き用いられました。
 
 安倍首相の式辞は、「戦争の惨禍を決して繰り返さない」と強調しましたが、2013年以降3回の式辞と同様に、歴代首相が触れたアジアへの加害と反省には言及しませんでした。
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全国戦没者追悼式 天皇陛下 ことしもお言葉で「深い反省」
NHK NEWS WEB 2016年8月15日
終戦の日の15日、天皇陛下は皇后さまと全国戦没者追悼式に臨み、去年に続き「深い反省」という言葉を盛り込んで、お言葉を述べられました。「生前退位」の意向がにじむお気持ちの表明後、天皇陛下が多くの人たちの前に姿を見せられたのは初めてです。
 
終戦から71年を迎えた15日、天皇陛下は皇后さまと、東京の日本武道館で行われた全国戦没者追悼式に臨まれました。そして、正午の時報とともに参列者全員で黙とうをささげたあと、お言葉を述べられました。
天皇陛下は冒頭で、例年どおり「さきの大戦において、かけがえのない命を失った数多くの人々とその遺族を思い、深い悲しみを新たにいたします」と述べられました。そのうえで、戦没者を追悼し平和を願う結びの一文に、戦後70年の去年初めて加えた「深い反省」という言葉を盛り込んで、「ここに過去を顧み、深い反省とともに、今後、戦争の惨禍が再び繰り返されないことを切に願い、全国民と共に、戦陣に散り戦禍に倒れた人々に対し、心から追悼の意を表し、世界の平和と我が国の一層の発展を祈ります」と述べられました。
天皇陛下が今月8日にビデオメッセージで「生前退位」の意向がにじむお気持ちを表して以降、多くの人たちの前に姿を見せられたのは初めてで、参列した遺族の代表らがお言葉にじっと耳を傾けていました。
 
天皇陛下のお言葉 全文
 
 本日、「戦没者を追悼し平和を祈念する日」に当たり、全国戦没者追悼式に臨み、さきの大戦において、かけがえのない命を失った数多くの人々とその遺族を思い、深い悲しみを新たにいたします。
 終戦以来既に71年、国民のたゆみない努力により、今日の我が国の平和と繁栄が築き上げられましたが、苦難に満ちた往時をしのぶとき、感慨は今なお尽きることがありません。
 ここに過去を顧み、深い反省とともに、今後、戦争の惨禍が再び繰り返されないことを切に願い、全国民と共に、戦陣に散り戦禍に倒れた人々に対し、心から追悼の意を表し、世界の平和と我が国の一層の発展を祈ります。