年金積立金を運用するGDIFは、2016年4~6月期の運用結果が5兆2342億円の赤字だったと発表しました。15年度の運用結果は、5兆3098億円の赤字だったので、この1年3ヶ月で10兆5000億円余りの損失を出しました。
政府は、「アベノミクス」の下で株価を高く維持するために、2014年10月に、より効率的な活用を目指すとして国内・国外の株式への投資比率をそれまでの12%程度から25%程度にまでそれぞれ引き上げ、逆に国内債券への投資比率を60%から35%程度にまで引き下げました。
しかし結果的にそれが完全に裏目に出ました。アベノミクス効果=株高 を演出するために国民の大切な年金を犠牲にすることは決して許されません。
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年金運用4~6月期、5兆円損失 GPIF、株価下落で
東京新聞 2016年8月26日
国民年金や厚生年金の積立金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は26日、2016年4~6月期の運用結果が5兆2342億円の赤字だったと発表した。6月下旬の英国の欧州連合(EU)離脱問題を受け、株価が急落した影響で損失が膨らんだ。四半期では2期連続のマイナス。
7月29日に発表した15年度の運用結果は、5兆3098億円の赤字だった。
16年4~6月期の運用を資産別に見ると、国内株式が2兆2574億円、外国株式が2兆4107億円、外国債券が1兆5193億円の赤字。円高が外国株式と外国債券運用の足を引っ張った。(共同)
年金積立金5兆円の赤字 民進が臨時国会で追及へ
NHK NEWS WEB 2016年8月26日
民進党は、ことし4月から6月までの公的年金の積立金の運用実績が5兆2000億円余りの赤字となったことを受けて会合を開き、「大切な年金がアベノミクスの犠牲になっている」として、秋の臨時国会で政府与党への追及を強めていく方針を確認しました。
会合で、民進党の山井和則国会対策委員長代理は「非常にゆゆしき問題だ。アベノミクスと称して、株式の運用比率を倍増したことが大きな原因となって、1年3か月の間に10兆円もの年金が失われてしまった。私たちの大切な年金がアベノミクスの犠牲になっているのではないかという危機感を感じる」と批判しました。
そのうえで、山井氏は「秋の臨時国会では、年金制度改革の関連法案が審議されようとしており、その際には、積立金の運用損失の問題も出てくる。『年金国会』になると思っているので、きょうをスタートにしっかり議論していきたい」と述べ、民進党として、秋の臨時国会で政府与党への追及を強めていく方針を確認しました。