2016年8月18日木曜日

米オバマの核軍縮政策を安倍首相が妨害していた

 6日付LITERAは、5日の『報道ステーション』(テレビ朝日)今年5月オバマ大統領が広島を訪問し演説した際に、「核の先制不使用」宣言を盛り込む予定であったにもかかわらず、日本側の強硬な反対で実現しなかったことを暗示した報道を取り上げました。
 
 それにしても、日本は安倍首相をはじめ政府高官・外務省幹部などが、オバマ大統領が打ち出そうとしている「核の先制不使用」政策になぜそれほど強硬に反対するのでしょうか。今日アメリカが「核の先制不使用」を宣言したからといって、どこかの国がアメリカやその友好国を先制攻撃するなどということはあり得ません。
 それを、アメリカが「核の先制不使用」を宣言すれば、北朝鮮の対日先制攻撃の可能性が高まるから・・・とアメリカに泣きつくとは、一体どういう思考なのでしょうか。
 
 「核の傘』論や「核抑止論は、敵国が攻撃して来たらそれを上回る反撃を行うと威嚇することによって敵の攻撃を抑止するものであって、核先制攻撃をするなどというものではありません。
 国連における「核兵器禁止条約」への対応なども含め、核兵器を巡る日本のあり方は、「唯一の戦争被爆国」のあり方から常に逸脱しています。
 
 米ワシントン・ポスト紙15日、オバマ政権が導入の是非を検討している核兵器の先制不使用政策について、安倍首相がハリス米太平洋軍司令官に反対の意向を伝えたことを報じました(毎日新聞)
 
 それを受けて16日のLITERAは、「もはやサイコパス 米オバマの核軍縮政策を安倍が妨害していた」とする怒りの記事を出しました。
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安倍首相 核先制不使用、米司令官に反対伝える 米紙報道
毎日新聞 2016年8月16日
 【ワシントン会川晴之】 米ワシントン・ポスト紙は15日、オバマ政権が導入の是非を検討している核兵器の先制不使用政策について、安倍晋三首相がハリス米太平洋軍司令官に「北朝鮮に対する抑止力が弱体化する」として、反対の意向を伝えたと報じた。同紙は日本のほか、韓国や英仏など欧州の同盟国も強い懸念を示していると伝えている。 
 
 「核兵器のない世界」の実現を訴えるオバマ政権は、任期満了まで残り5カ月となる中、新たな核政策を打ち出すため、国内外で意見調整をしている。米メディアによると、核実験全面禁止や核兵器予算削減など複数の政策案を検討中とされる。核兵器を先制攻撃に使わないと宣言する「先制不使用」もその一つだが、ケリー国務長官ら複数の閣僚が反対していると報道されている。同盟国も反対や懸念を示していることが明らかになり、導入が難しくなる可能性がある。 
 
 同紙は複数の米政府高官の話として、ハリス氏と会談した際、安倍首相は米国が「先制不使用」政策を採用すれば、今年1月に4度目の核実験を実施するなど核兵器開発を強行する北朝鮮に対する核抑止力に影響が出ると反対の考えを述べたという。同紙は、二人の会談の日時は触れていないが、外務省発表によると、ハリス氏は7月26日午後、首相官邸で安倍首相と約25分間会談し、北朝鮮情勢をはじめとする地域情勢などについて意見交換している。 
 日本政府は、日本の安全保障の根幹は日米安保条約であり、核抑止力を含む拡大抑止力(核の傘)に依存しているとの考えを米国に重ねて伝えている。先制不使用政策が導入されれば、「核の傘」にほころびが出ると懸念する声がある。 
 
 2010年には当時の民主党政権が、米国が配備している核トマホーク(巡航)ミサイルの退役を検討していることについて、日本に対する拡大抑止に影響が出るのかどうかを問う書簡を、岡田克也外相がクリントン米国務長官(いずれも当時)などに対して送ったと公表している。核軍縮を目指す核専門家からは「核兵器の廃絶を目指す日本が、皮肉なことにオバマ政権が掲げる『核兵器のない世界』の実現を阻んでいる」という指摘も出ている。 
 
【ことば】核兵器の先制不使用 
 核保有国が、他国から核攻撃を受ける前に先に核兵器を使わないこと。核兵器の役割を他国からの核攻撃脅威を抑止することに限定する。核兵器を使用するハードルが高くなり、核軍縮への理念的な一歩と見なされる。すべての国が対象だが、核保有国同士の約束の側面が強い。核拡散防止条約(NPT)で核兵器保有が認められている米、露、英、仏、中国の5カ国の中では現在、中国のみが先制不使用を宣言している。 
 
 
もはやサイコパス! 米オバマの核軍縮政策を安倍が妨害していた! 
日本を“中国の脅威”に晒す、安倍の犯罪的二枚舌
LITERA 2016年8月16日
 またしても、この男の二枚舌が暴かれた。本サイトでは今月6日、安倍首相が、オバマ大統領が核廃絶の一歩として推し進めようとしている核兵器の先制不使用の政策に対して真っ向から反対していることを報じたが、昨日、アメリカのワシントン・ポストは、安倍首相がハリス米太平洋軍司令官に「北朝鮮に対する抑止力が弱体化する」と伝え、オバマの核軍縮政策に安倍首相が反対していた事実を報じた。
 
 思い出してほしい。今年の広島・長崎で行われた原爆の式典でオバマ訪広を「核兵器を使用した唯一の国の大統領が、被爆の実相に触れ、被爆者の方々の前で、核兵器のない世界を追求する、そして核を保有する国々に対して、その勇気を持とうと力強く呼びかけました」と自らの実績として大々的にアピールした挙げ句、「世界の指導者や若者に被爆の悲惨な実態に触れてもらうことにより、『核兵器のない世界』に向け、努力を積み重ねてまいります」と宣言したではないか。
 
 だが、実際は、オバマ大統領の核軍縮に向けた動きを「唯一の戦争被爆国」のリーダー自らが打ち砕こうとしているのである。
 しかも、安倍首相の“罪”は、二枚舌で核のない世界を願う被爆した人びとを愚弄しただけではない。核の先制不使用に反対することは、安倍首相がしきりに喧伝する「中国の脅威」を高めようとする行為でもあるのだ。
 以下に本サイトがこの問題に言及した記事を再録するので、安倍首相がいかに日本を危険に晒そうとしているかを、あらためて知ってほしいと思う。 (編集部)
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安倍の原爆式典スピーチは口先だけ! 
オバマの広島での「核の先制不使用」宣言を日本政府が反対して潰していた
LITERA 2016年8月6日
以下 本文詳細は下記記事を参照
8月8日  米大統領の「核の先制不使用」宣言に日本政府が大反対