2017年9月22日金曜日

酷評されるトランプ大統領と安倍首相の国連演説

 19日のトランプ大統領の国連演説は、これ以上ないほど北朝鮮を挑発し威嚇するものでした。
 20日の安倍首相の演説も、トランプ大統領の尻馬に乗ったかのように、負けず劣らずに北朝鮮を攻撃し威嚇するもので、まるで喧嘩を売ろうとするかのような具合でした。
 それは別掲の記事が述べているように、朝鮮人民への思いなどは何もなく、米国の核先制不使用宣言を妨害した当事者であるという自覚も持たずに、自国防衛上の必要性から核を開発した北朝鮮を一方的に非難するものでした。米国の核保有は100%是認し、いざ米国が北朝鮮を壊滅させる軍事行動を始めようとしたときにそれを阻止する覚悟を持たない人間に、そんなことを言う資格はありません。

 安倍首相の国連演説を酷評する三つのブログ/記事を紹介します。
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「対話ではない、圧力だ」(安倍晋三) VS
   「対話こそ前に進むための唯一の方策だ」(マクロン仏大統領)
弱い犬ほどよく吠える。ちいせえなあ、シンゾー!
くろねこの短語 2017年9月21日
 国連という場で、「舐めた真似してると潰すぞ」、と言わんばかりに北朝鮮に脅しをかけたトランプの尻馬に乗って、ペテン総理が「史上最も確信的な破壊者によって、深刻な打撃を受けようとしている」「対話ではない、圧力だ」って息巻いたってね。これでますます北のカリアゲ君の日本憎しの思いは募っていくことだろう。「国民の生命と財産を守る」べき立場にありながら、いたずらに国民の生命と財産を危機に陥れてどうする!

安倍首相:北朝鮮は不拡散体制の「最も確信的な破壊者」-国連演説
延広絵美 Bloomberg  2017年9月21日
  ◆必要な行動は「対話ではない、圧力」-安倍首相
  ◆日米同盟、日米韓の結束で北朝鮮の脅威に立ち向かう-安倍首相
 米ニューヨークを訪問している安倍晋三首相は20日、国連総会の一般討論演説で、核・ミサイル開発を続ける北朝鮮によって核不拡散体制は「史上最も確信的な破壊者によって、深刻な打撃を受けようとしている」と非難した。
 全ての核・ミサイル計画を放棄させるために必要な行動は「対話ではない、圧力」だと強調。日本は日米同盟、日米韓の結束によって北朝鮮の脅威に立ち向かい、「全ての選択肢はテーブルの上にある」とする米国の立場を「一貫して支持する」と改めて表明した。

 国連総会では19日、トランプ米大統領も一般討論演説で、北朝鮮を名指しで批判し、核開発プログラムをめぐる対立が戦争にエスカレートした場合、同国は壊滅されることになると言明している。安倍首相は米国訪問から帰国する22日以降に衆院解散を最終決断する方針で、衆院選では情勢を巡る対応も争点になる。
 北朝鮮は7月4、28両日に日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下したミサイルについて、いずれも大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射に成功したと発表。8月29日、9月15日に発射した中距離ミサイルは北海道上空を通過し、太平洋に落下した。9月3日には6回目の核実験を実施した。

 それに比べりゃ、いろいろ問題も抱えているとはいえ、ヨーロッパの首脳の方ががどれだけ抑制的で冷静な判断をしていることか。フランスのマクロンは「北朝鮮を政治的解決の交渉に引っ張り出すことがわれわれの責任」と極めて真っ当なことを主張し、「対話こそ前に進むための唯一の方策だ」「いかなる軍事介入にも反対」といきり立つトランプに冷水を浴びせている。ジャイアンの陰に隠れるスネ夫みたいなペテン総理とは、政治家としての器が違いますよ。

大統領 トランプ氏との立場の違い示す
日テレ ニュース2017年9月20日
 アメリカ・ニューヨークの国連総会でフランスのマクロン大統領が19日、一般討論演説を行い、イラン核合意や北朝鮮問題などでトランプ大統領との立場の違いを示した。
 イランの核合意は、2015年、イランが核開発を大幅に制限する見返りに欧米諸国が制裁を一部解除するという内容で、最終合意に達したもの。19日、国連総会での演説でマクロン大統領は核合意の必要性を訴えた。
 マクロン大統領「ほかの提案をしないまま合意を破棄することは大きな過ちである。尊重しないのも無責任である。この協定は有用なもので平和に必要不可欠だ」
 この発言は、核合意をめぐりイランとの対立を深めるアメリカのトランプ大統領をけん制したものとみられる。また、トランプ大統領が国連総会での演説で痛烈に批判した北朝鮮に対し、マクロン大統領は対話の重要性を説いた
 マクロン大統領「我々の責任は、中国やロシアを含む全てのパートナーと共に北朝鮮を政治的解決の交渉テーブルへと断固として引き戻すことである」
 また、マクロン大統領はトランプ大統領が離脱を表明した、地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」にも触れ、協定の再交渉は認められないと従来の立場を改めて示した

 ようするに、ペテン総理は戦争したくてたまらないんじゃないのか。でなけりゃ、何百発という北朝鮮のミサイルが日本に向けて配備されている事実がありながら、「対話ではない、圧力だ」なんて拳を上げられるものではありません。「活動的な馬鹿より恐ろしいものはない」とゲーテは名言を残したが、まさにその通りのチキンが「最高責任者」でやりたい放題のこの国は、まさに沈没寸前だ。

 解散総選挙が現実味を帯び、「大義」がどうしたこうしたとかまびすしいが、「ペテン総理にこれからもこの国をまかしていいのか」こそが問われる選挙であることは声を大にして言いたい金曜の朝である。


安倍首相も“異次元”国連演説 北問題に「必要なのは圧力」
 日刊ゲンダイ 2017年9月21日
 安倍晋三首相が現地時間の20日午後(日本時間21日未明)、米ニューヨークの国連総会で一般討論演説を行った。ほとんどを北朝鮮批判に充て、「北朝鮮の完全破壊」を叫んだ米トランプ大統領の前日の演説に続く、“異次元”の内容だった。

 冒頭で安倍首相は、他にも話したいテーマがあるものの北朝鮮問題一点に集中せざるを得ないとした上で、度重なるミサイル発射や核実験強行を非難。「脅威はかつてなく重大」「このたびの危機は、独裁者が大量破壊兵器を手に入れようとするたび、我々がかいくぐってきたものと質において、次元の異なるものだ」といつもの独特の言い回しで力説した。
 その後も「対話による問題解決の試みは無に帰した」「北朝鮮の全ての核・弾道ミサイル計画を完全で検証可能かつ不可逆的な方法で放棄させなくてはならない」「必要なのは圧力だ」とまくし立てた

 ただ、世界が注目したトランプ演説とは違って安倍首相の演説時は議場に空席が目立った。まあ、それも織り込み済みで、安倍首相の演説の目的は、もっぱら衆院解散に向けた国内向けアピール。有権者に危機対応は万全だと印象付けるために国連演説を利用したようなものだ。


聞くに堪えないトランプ・安倍コンビの北朝鮮叩き演説
天木直人のブログ 2017年9月21日
 これまでにも国連総会演説で他国を名指しであしざまに言う演説は多々あった。
 しかし、それらは三流国の独裁者と相場は決まっていた。
 いやしくも、世界をリードする主要国の首脳が、ここまで格調低く、他国を批判、挑発したことはなかった。

 無理もない。トランプ大統領には、いまだにまともなブレーンも手足になる優秀な官僚もいない。ツイッターで好き勝手言い放題のトランプに、まともな演説などできるはずがない。
 一方の安倍首相は、もはや、少しでも良識のある国民なら誰でも感じているほど頭の粗雑な首相だ。ペラペラと自分の間違った考えを臆面もなく人前でしゃべる無神経さだけが取り柄の首相だ。
 その首相が、外交のできないトランプに知恵をつけて北朝鮮叩きに走ったのだから、こうなる事はあきらかだ。

 私が驚いたのはトランプが横田めぐみさんに言及したことだ。こんな発言がトランプの方から自発的に出てくるはずがない。
 これは安倍側近の補佐官や外務官僚たちが、トランプ陣営に入れ知恵して語らせたのだ。
 つまりトランプのまわりにまともな官僚がいない事をいい事に、安倍側近が演説原稿づくりを手伝ってやったのだ。こんな演説が世界に響くはずがない。

 そう考えた時、ロシアのプーチン大統領が今度の国連総会をボイコットした理由がよくわかる。
 いうまでもなくプーチンは北朝鮮や北朝鮮の核を脅威とは思っていない。その事を何度も世界を前に語ってきた。
 トランプや安倍が北朝鮮非難一色の演説をすることを見越して、反論することも馬鹿らしいと思ったに違いない。
 トランプに言われるまでもなく国連安保理はもはや機能不全だ。それにもかかわらず国連安保理常任理事国メンバー入りをいまでも本気で希望し、画策している日本外交はピント外れの極みだ。手のつけられないほど地に落ちた安倍外交である(了)