2017年9月6日水曜日

06- 官邸で不協和音 やってられないと匙を投げる事態も

 第2次政権発足当初から安倍首相を支えてきた側近2人が相次いで離反の動きを見せているということです。
 一人は永田町では「陰の総理大臣」と呼ばれてい総理首席秘書官の今井尚哉氏で、安倍首相は彼をべた褒めしているものの周囲からは逆に彼に「操られている」のではないかと疑われているということです。
 こちらは安倍総理が今井氏に対する不平を漏らしたことを間接的に聞いた今井氏が『今すぐ秘書官を辞めてやる』と言ったところ、首相が謝って収まったという他愛のないものです。
 しかし、外務省の出身で安保政策の司令塔である「日本版NSC」の谷内正太郎局長の方は、今井秘書官が首相が許容のもとで外交・安保政策に干渉し、NSCの意向を無視した “二元外交” を展開してきたのに我慢ができなくなったもので、表面上は何とか収まっていますが実態は深刻なようです。

 トップが一人の人間を過大に評価して重用し、勝手に振る舞わせていれば当然起きる事柄です。しかもその実態が「身びいき」そして「無規律」ということであれば統率力以前の問題です。
 日刊ゲンダイはそれらの問題が外部に流出すること自体、異常事態であり、求心力の低下を物語っているとしています。
   (関係記事)
2016年11月14日 破綻している安倍首相の側近政治
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首相の懐刀も「辞めてやる」 三行半相次ぐ官邸の不協和音
日刊ゲンダイ  2017年9月5日
 一丸となって北朝鮮危機に対応しているはずの安倍官邸に、Jアラート並みの不協和音が鳴り響いている。第2次政権発足当初から安倍首相を支えてきた側近が、相次いで離反の動きを見せているのだ。

 そのひとりが、“陰の総理”とも呼ばれる今井尚哉首相秘書官。常に安倍に寄り添い、経済政策から外交政策までを取り仕切る「懐刀」である。その今井氏が、8月16日に行われた記者とのオフレコ懇談で語った内容のメモが出回り、政権内部に衝撃が走っている。
 すでに一部週刊誌などで報じられているが、本紙も【取扱厳重注意】と書かれた問題のオフレコメモを入手。そこには、今井氏のこんな生々しい発言が記されているのだ。

 <安倍総理が「最近今井さんが僕に厳しい」と最近漏らしたと聞いたから、俺は机を叩いて「国民のために総理をお支えすることに命をかけている。総理がそんな姿勢なんだったら今すぐ秘書官を辞めてやる」と言ったんだ。そしたら、安倍総理が謝ってきた>
 <このまま行けば、安倍政権は来年の9月で終わりだと思う。次は石破が90%、岸田が10%だろう>

 首相秘書官が、机を叩いて「今すぐ辞めてやる!」とは穏やかでないし、それで首相が謝るというのも情けない。どちらの立場が上なのか。その上、「安倍政権は長くない」と見限っているわけだ。
 こういう発言が流出すること自体、異常事態であり、求心力の低下を物語っているが、実は、三くだり半を突きつけたのは今井氏だけではない。安保政策の司令塔である「日本版NSC」の谷内正太郎局長も辞任を願い出たというのだ。

「8月の内閣改造に合わせて、『お役御免をこうむりたい』と申し出たそうです。正式に辞表を出したという話も聞きますが、箝口令が敷かれている。総理が慰留し、NSCは何事もなかったかのように危機対応に当たっていますが、その後も谷内さんは常に辞意を漏らしているような状況だそうです。原因は、経産省出身の今井秘書官が外交・安保政策にも干渉し、NSCの意向を無視した “二元外交” を展開してきたことと、それを許している総理への不満といわれている。我慢の限界ということです。総理を支えるという目的で、同じ方向を向いていたはずの側近が反目し、官邸内の人間関係がギクシャクしているのは間違いありません」(官邸関係者)

 そんな状態で有事対応ができるのか。“腹心の部下”2人から見放され、要を失った安倍官邸は、内部崩壊し始めている。