しんぶん赤旗が安倍暴走政治の5年間を総括しました。
2013年12月の秘密保護法の強行から、2017年7月の稲田朋美防衛相の辞任までがまとめられています。
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安倍暴走政治の5年の悪政 総選挙で退場の審判を
しんぶん赤旗 2017年9月29日
今回の総選挙の最大の争点は、憲法をないがしろにし、民意を踏みつけてきた安倍暴走政治をこのまま続けていいのか、ということです。2012年12月に発足し、4年9カ月におよぶ第2次安倍自公政権がやってきた数々の暴走を振り返ります。
戦後の歴代政権で立憲主義をないがしろにし、ここまで戦争放棄・戦力不保持を明記した憲法9条を敵視した政権はありません。
安倍政権は2014年7月、歴代政権が「憲法違反」としてきた集団的自衛権の行使を容認する「閣議決定」を強行。これに基づき、圧倒的多数の国民や憲法学者などの反対を押し切って安保法制=戦争法を強行しました。
16年3月の施行後は南スーダンPKO(国連平和維持活動)部隊への「駆け付け警護」付与、今年に入って北朝鮮情勢を理由にした「米艦防護」「給油」などの任務を実行。
さらに、国民の目・耳・口をふさぐ秘密保護法、武器輸出を全面的に認める「防衛装備移転三原則」の閣議決定、内心の自由を踏みにじる「共謀罪」法など、憲法を踏みにじって「戦争する国」づくりを進めてきました。
こうした動きの上に、安倍首相は今年5月、ついに憲法9条改悪への着手を明言。自民党は年内に改憲原案を国会に提出する方針を変えていません。
2013 12・6 秘密保護法を強行
2014 4・1 武器輸出を推進する「防衛装備移転3原則」を閣議決定
7・1 集団的自衛権の行使容認などを「閣議決定」
2015 9・19 安保法制=戦争法を成立強行
2016 11・15 南スーダンPKO「駆け付け警護」付与を閣議決定
2017 5・1 戦争法初の任務「米艦防護」を実施
5・3 憲法9条の改悪を表明
6・15 「共謀罪」法を強行
暴走きわまる民意踏み付け
安倍政権は憲法破壊に加え、民意を踏みつけにした政権としても際立っています。
沖縄県民の7~8割が反対し、2014年の三大選挙―名護市長選、県知事選、総選挙で示された民意を一顧だにせず、名護市辺野古の新基地建設を強行。非暴力で抗議する市民らを機動隊や海上保安庁が暴力で排除するなど、これ以上にない乱暴な手法で地方自治・民主主義をじゅうりんしています。
福島原発事故を体験し、原発再稼働にどの世論調査でも国民の5~6割が反対していますが、安倍政権は原発の再稼働を認め、「ベースロード電源」とするエネルギー基本計画を閣議決定(14年4月)。その決定に基づいて、原発再稼働をごり押ししています。
安倍政権は、全国の単位農協や都道府県農協中央会などの反対の声や慎重審議を求める国民の声を無視して環太平洋連携協定(TPP)と関連法を強行採決(16年12月)。その直後にカジノ推進解禁法を強行するなど、暴走がきわまりました。
2014 4・11 原発再稼働を明記した新エネルギー基本計画を閣議決定
7・1 名護市辺野古の新基地建設に向けて臨時制限区域を閣議決定
2016 12・9 TPP承認・関連法を強行
12・15 カジノ推進解禁法を強行
格差と貧困広げるアベノミクス
安倍政権の経済政策「アベノミクス」は格差と貧困を広げてきました。
最たるものが14年4月の消費税率8%への引き上げです。家計を直撃して内需を冷え込ませ、いまも経済に打撃を与え続けています。一方、法人税率は大幅に引き下げました。消費税を10%にすれば、家計と経済はますます落ち込みます。
社会保障も高齢化などによる自然増分を毎年大幅に削減。合計額は1兆4600億円に上ります。小泉構造改革時の削減額1兆1800億円を上回ります。医療、年金、介護などあらゆる分野が改悪されました。
労働法制の改悪も推進しています。派遣を正社員の代わりにしてはならないという大原則を踏みにじる派遣改悪法を強行。総選挙後は残業代ゼロ法案の提出を狙っています。
2014 4・1 消費税率を8%に引き上げ
6・18 あらゆる分野で負担増・給付減を強いる医療・介護総合法を強行
2015 5・27 国保料引き上げにつながる医療保険制度改悪を強行
9・11 「生涯派遣」に道を開く改悪労働者派遣法を強行
2016 12・14 年金カット法強行
2017 5・26 一定所得以上の介護利用料を3割に引き上げる改悪介護保険関連法を強行
国政私物化と疑惑隠ぺい
安倍暴走政治が行きついたのが国政私物化と疑惑隠ぺいです。
「森友・加計疑惑」は、安倍首相夫妻の「お友だち」なら国有地が特別に値引きされる、獣医学部新設で特別な便宜がはかられるという安倍政権による国政私物化疑惑です。国民の7~8割が「首相の説明は納得できない」と言っているのに、安倍政権はキーパーソンの証人喚問を拒否。冒頭解散で疑惑隠しにひた走りました。この疑惑を放置していては、日本は法治国家とはいえません。
南スーダンPKO(国連平和維持活動)派遣部隊の「日報」隠ぺい問題では、稲田朋美防衛相(当時)の隠ぺい関与の疑いが濃厚であり、稲田氏をかばってきた首相の責任は重大であるにもかかわらず、稲田氏の辞任で真相を闇に葬り去ろうとしています。
2015 4・2 獣医学部新設を申請した愛媛県今治市の担当者が首相官邸を訪問
2016 6月 国有地を鑑定価格から8億1900万円値引きして売却
2017 7・28 南スーダンPKO「日報」問題で稲田朋美防衛相が辞任