2017年9月23日土曜日

安倍首相の誤算 野党共闘実現なら 自民は大量落選

 政府は、選挙をしても改憲勢力は維持できるからという見込みがあったから、なりふり構わずに臨時国会の冒頭解散に踏み切ろうとしている筈ですが、毎日新聞の試算によると〈民進、共産、自由、社民4党が候補者を一本化すれば、計58の小選挙区で与党の現職を逆転する可能性がある〉ということです(日刊ゲンダイ)

 また週刊現代は、解散前後の議員数について 自民:286⇒222(64減)、公明:35⇒31(4減)、維新:15⇒16(1増)(野党関係は省略)と予想していて、改憲勢力は新しい2/3の基準310議席を割る見込みです。

 問題は野党共闘が実現するかですが、市民連合の高田健氏は会見で「野党協力は政党間だけの問題ではない。4野党と市民の共闘です」と語り、現在、47都道府県で市民連合が安倍退陣を求め野党共闘を願って活動しているということです。
 市民運動は全国レベルで着実に根付きつつあります(日刊ゲンダイ)。

 また田中龍作ジャーナルによると、民進党の前原代表「小選挙区制なので相手は自公。1対1の戦いにどう持ち込めるかが大事。それぞれの党とは幹事長が話し合いをさせて頂く」と述べ共産党との候補者調整に踏み込んだということです。
 
 日刊ゲンダイと田中龍作ジャーナルの記事を紹介します。
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安倍首相の誤算…「野党共闘」実現なら自民58人落選も
日刊ゲンダイ 2017年9月22日
「今なら勝てる」と来週9月28日に解散する安倍首相。野党側が準備不足の今なら負けないと計算したのだろうが、果たして思惑通りに運ぶのかどうか――。

 そもそも、現在288議席もある自民党が大きく議席を減らすのは間違いない。しかも国民は「大義なきモリ・カケ隠し解散」に対して、不信の目を向けている。
 実際、自民党がこれまで実施してきた選挙情勢調査でも「自民党30~50議席減」という結果だったという。問題は、30議席程度のマイナスで済むかどうかということだ。最近、二階幹事長は「60議席以上を減らす覚悟が必要だ」と危機感を強めているらしい。

「自民党が政権を奪回した12年総選挙や、14年総選挙のように圧勝することはないでしょう。国民は今回の解散がミエミエの党利党略と見抜いている。森友・加計疑惑で見せた傲慢な対応も忘れていません。パワハラ暴行疑惑の豊田真由子議員のように風に乗って当選した100人以上の“魔の2回生”は当然、淘汰されるはずです」(政治評論家・伊藤達美氏)
 安倍首相の誤算は、野党共闘が急ピッチで進んでいることだ。20日、民進党など野党4党は幹事長・書記局長会談を行い、候補者の一本化を模索していくことを確認。民進と共産は200超の選挙区で候補者が重複しているが、これが解消されると、自民党は、二階幹事長の懸念通り、60議席減らす可能性が高い。

 こんな衝撃のデータがある。毎日新聞の試算によると、〈民進、共産、自由、社民4党が候補者を一本化すれば、計58の小選挙区で与党の現職を逆転する可能性がある〉という。
 14年衆院選の結果に基づいて試算したものだ。今回から衆院小選挙区の定数が「0増6減」となるため多少の誤差はあるものの、大きくは変わらないはずだ。
「ひょっとすると、今回の選挙の最大の不安要因は安倍首相かもしれません。都議選の最終日の演説で秋葉原の聴衆に向かってキレたように“暴発”をすれば、58議席以上減らす可能性もあり得ます」(伊藤達美氏)

 たとえ自公で過半数を維持できたとしても、自民党議員が58人も落選したら、開票直後から党内で退陣を求める声が公然と噴出するのは間違いない。国民のシッペ返しを今から覚悟しておいた方がいい。


総選挙へ市民連合がノロシ 「野党共闘」要求は全国に拡大
日刊ゲンダイ 2017年9月22日
 カギを握るのは市民の力だ――。昨年の参院選や新潟県知事選で野党共闘に尽力してきた「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」が21日、来る総選挙での野党協力を求める緊急アピールを発表。参院議員会館内で会見した。

 アピールでは、北朝鮮の「脅威」に多くの国民が恐怖を抱いている状況を奇貨としての解散を<ナチスの手口を想起させるもの>と批判。<小異にこだわり分断されてはなりません>として野党候補一本化を訴えた。

 メンバーで九条の会事務局員の高田健氏は会見で「野党協力は政党間だけの問題ではない。4野党と市民の共闘です」と語ったが、その通りだ。昨年の参院選では、全1人区で野党統一候補を実現し、11選挙区で勝利した。新潟県知事選では野党票を集約した米山知事が当選。ともに、市民連合の後押しがあってこその成果だ。
 前原代表は、野党協力について「地域事情を考慮する」と繰り返している。会見で山口二郎法政大教授は「地方レベルでも市民連合の結成の動きはあちこちで進んでいる」と言った。高田氏によると現在、47都道府県で市民連合が活動。今や、安倍退陣を求め、野党共闘を願う市民運動は、全国レベルで着実に根付きつつあるのだ。

 個々の選挙区で野党共闘を望む市民の声が大きくなれば、野党4党はその選挙区の「地域事情」を考慮せざるを得ないだろう。市民の力こそが野党共闘を牽引できる。


「1対1にどう持ち込めるか」民進・前原代表、共産との選挙協力に踏み込む
田中龍作ジャーナル 2017年9月21日
 民進党の前原誠司代表はきょうの定例記者会見で、総選挙への姿勢を明らかにした。
 前原代表が共産党との選挙協力にあたかも消極的であるかのような報道が目立つ。
 記者クラブメディアからは両党の選挙協力がさも困難であるかのような「誘導質問」が飛び出した
 「共産党の求めに応じて候補者を取り下げるのか?」「今後、共産党と共通政策を結ぶのか?」
 前原代表は「理念の一致が大事」としながらも「小選挙区制なので相手は自公。1対1の戦いにどう持ち込めるかが大事。それぞれの党とは幹事長が話し合いをさせて頂く」と述べた。共産党との候補者調整に踏み込んだのである。

 「社会保障=増税」「憲法改正」などがいかにも選挙の争点であるかのような見出しが新聞に踊る。だが、「加計隠し」であることは高校生でも分かる。
 安倍官邸の意向を忖度したのかどうか分からないが、記者クラブメディアからは案の定「増税」や「憲法改正」などの質問が相次いだ。
 前原代表は、しかし、「争点つぶし(加計隠し)の疑念がある」として安倍政権とは同じ土俵に乗らない姿勢を示した。

 中学生以下の知的レベルしかなく、法の支配を破壊する安倍晋三に憲法改正をさせるわけにはいかない。
 とはいえ、改憲反対ばかりを唱えていたら安倍晋三の思うツボだ。
 野党共闘を促す市民連合の緊急記者会見が、きょう、国会内であった。「緊急」というので出席したら主催者は「立憲主義」ばかりを繰り返した。
 田中は、共産党も含めた野党共闘に大きく踏み出した前原代表の姿勢を紹介しながら、それでも「加計隠し」を先に持って行かないのか? と質問した。

 法政大学の山口二郎教授は「安倍首相による権力の私物化ということでくくって、それを我々は攻撃するんで・・・田中さんの指摘は甚だ心外だ」と激怒した。あげくに傲慢な口調で「私の本に書いてある」とまで言い放った

 田中は、310議席を割り込ませれば、権力の私物化を防ぐことができるし、憲法も守れるのではないか・・・と質問を継ごうとしたが、山口教授は質問さえも遮った。
 記者会見を傍聴していた市民2人が後で田中に話しかけてきた。「よく言ってくれました」「有難う。(山口教授って)ピント外れでどうしようもない」と
 人々が何に怒っているのかも わきまえず に、高邁な思想を満足させるためだけの運動。これを続ける限り安倍政権は倒れない。

会見で自説を とうとう と説く山口二郎教授(右)。言ってることが観念的過ぎた。先ずは国民に分かりやすい具体的なテーマで選挙に勝つことの方が大事なのではないだろうか。写真説明)
〜終わり~