米国のブッシュ政権は2002年に、イラク、イラン、北朝鮮などを「ならず者国家」=「悪の枢軸」と極めつけ、まずイラクに対しては、繰り返し核査察をしたIAEAがその都度核兵器開発の疑いはないと証言したにもかかわらず、米国はイラクに侵攻してフセイン大統領を裁判にもかけずに処刑しました。
それを目の当たりにした北朝鮮は、イラクが核兵器を保有をしていなかったがために米国による侵略と元首の処刑を防げなかったのだと分析しました。それで何よりも核保有国になることが国家を永続させる絶対的条件であるとして、全力を挙げて核兵器の開発に邁進した結果、ついに水爆を所有するに至りました。
それと並行して大陸間弾道ミサイル(ICBM)の開発にも注力しました。北朝鮮は制空権とは無縁の国ですから、ICBMを開発・所有しないことには対米「核抑止力」にならないからです。
日本をはじめ世界はいま、北朝鮮が核実験やミサイルの試射を行う度に「挑発行為」呼ばわりをしますが、北朝鮮にとってはそれが自国を防衛する唯一のよすがなので、国連決議云々などと言われてもそれを意に介する余裕はありません。
現実問題としていまの国連には、北朝鮮をアメリカの侵略から防衛する力も意志もない以上、それは仕方がないことです。
スイスで行われた北東アジアの安全保障に関する国際会議に出席した北朝鮮代表は、帰国途中の中国・北京の空港で、15日の弾道ミサイル発射について、「核・ミサイル開発は自衛的な措置で、核抑止力強化のための正常な過程の一環だ」と述べ、トランプ政権が北朝鮮政策を転換しない限り、核・ミサイル開発を加速させる姿勢を重ねて強調しました。
ウソ偽りのない本音を述べたものです。
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北朝鮮外務省幹部「核抑止力強化の正常な過程の一環」
NHK NEWS WEB 2017年9月15日
北朝鮮外務省でアメリカを担当する幹部は、15日の弾道ミサイル発射について、「核抑止力強化のための正常な過程の一環だ」と述べ、アメリカのトランプ政権が北朝鮮政策を転換しない限り、核・ミサイル開発を加速させる姿勢を重ねて強調しました。
これは北朝鮮外務省北米局のチェ・ガンイル副局長が、スイスで行われた北東アジアの安全保障に関する国際会議から帰国の途中、中国・北京の空港で報道陣に述べたものです。
この中でチェ副局長は、15日の弾道ミサイル発射について、「われわれの核抑止力を強化するための正常な過程の一環だ」と述べて、ミサイルの性能向上のための発射だったという立場を示しました。
そのうえで、「アメリカがわれわれを敵視し続け、核で脅し続けるかぎり、われわれは絶対に核兵器とミサイルを協議のテーブルに載せない。まずアメリカが敵視政策と制裁をやめてこそ、対話になる」と述べ、トランプ政権が北朝鮮政策を転換しないかぎり、核・ミサイル開発を加速させる姿勢を重ねて強調しました。
また、スイスの会議での発言の内容を問われると、「核・ミサイル開発は自衛的な措置だ」とする主張を改めて示すとともに、日本に対しても「制裁の先頭に立つな。いかなる制裁もわれわれには通じない」と述べたとして、アメリカと連携して北朝鮮への圧力を強めていることを非難したと明らかにしました。