2017年9月29日金曜日

消費税率のアップなど飛んでもない(日々雑感)

「日々雑感」氏の記事「国民は本気で怒った方が良い」(=国民は消費税のアップに本気で怒った方が良い)を紹介します。
 国はデフレから脱却するためという口実で既に数百兆円(=500兆円以上)を使ってきた(⇒デフレ脱却の効果はゼロ)というのに、なぜさらにデフレを深刻化させる「消費税率のアップ」に奔ろうとするのでしょうか。
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国民は本気で怒った方が良い
日々雑感 2017年9月27日
 日銀は26日、7月19、20日の金融政策決定会合の議事要旨を公表した。多くの政策委員が、景気は個人消費などが堅調で緩やかに拡大している一方、物価は根強いデフレ心理が響き「弱めの動き」との見方を示した。物価上昇率2%の達成には「構造改革が重要だ」と、政府の取り組みを期待する委員もいた。
 米欧が金融政策の正常化に向かい、大規模緩和を続ける日銀との方向性の違いが表れてきたことに関し、複数の委員は「それぞれの経済・物価情勢に即して行われるものだ」として問題はないとの考えを示した。
 平成31年10月に予定される消費税率10%への増税をめぐっては、8%に引き上げた前回と比べて経済への影響は「小幅なものにとどまる」との見方で一致した。この会合では、物価目標の達成時期を「31年度ごろ」とし、6回目の先送りを決めた
(以上「産経新聞」より引用)

 2年以内2%程度の物価上昇を約束して安倍氏によって指名された黒田日銀総裁は異次元金融緩和に乗り出した。しかし2年たとうが4年たとうが2%を越える物価上昇は見られていない。それどころかデフレ下経済から未だに脱却できていないのは明らかだ。
 その原因は「消費増税8%」や地域限定的効果に留まる「国家戦略特区」、さらには一連の「構造改革」と称する派遣業法の緩和など「デフレ化」政策を推進する、という安倍政治の失敗にあることは明白だ。

 グローバル化政策は日本においてはデフレ化をもたらす、というのは常識のある経済学者なら百人が百人とも指摘する常識的な話だ。それがどうしたことか、学識経験者が集まる官邸の「国家戦略特区」の民間委員たちは「構造改革」、すなわちグローバル化の使徒たちばかりだ。
 これではデフレ下経済から脱却できるわけがない。更に安倍官邸政治が強力に推進する「外国人労働移民」政策は労働力単価の切り下げに貢献こそすれ、デフレ下経済からの脱却に資するものではない。

 つまり日銀が「更に進めるべき」と指摘した「構造改革」は日本においてはデフレ化をもたらすものでしかなく、失政だったと結果が出ている。それを一層推進すべきとは日銀に集っている連中の頭脳は大丈夫か、と疑うしかない。
 日銀はいつまで手詰まりになった異次元金融緩和を続けるつもりなのだろうか。すでに欧州のユーロと米国のドルは金融緩和の出口戦略に転じようとしている。そこで日本だけが金融緩和路線をとることは不可能だ。
 安倍自公政権は日銀だけに経済政策を丸投げして、官邸中心の友達政治に終始してきた。その実態は前述したとおりデフレ化を推進するグローバル化政策のオンパレードで、決して国民が貧困から脱却するための政治ではなく、むしろ労働所得が減少し国民が貧困化する「構造改革」路線を驀進するものだ。

 日銀は今度予定される8%から10%への消費税増税は大した影響はない、と判断しているようだが、それもお前たちの頭脳は大丈夫かと反論するしかない。なぜなら2%消費増税がどれほどのインパクトがあるか、橋本政権下の3%から5%に消費増税を実施した際に表れた総需要不足による景気停滞と税収減という経験があるからだ。
 5%から8%へ増税した際のインパクトは今もなお国民は経験している。いかに凄まじいものか、私たちは格差拡大と貧困化という経済状況の中に暮らして骨身に沁みている。それより1%ほど少ないから10%増税は大したことはない、とホザイているのは給与が景気によって減額されることのないタックスイーター(税金で食っている人)たちの実感でしかない。
 もちろん政治家諸氏もタックスイーターだ。彼らの実感は官僚たちと共通だ。その他、公務員に準じて報酬が定められるNHKなどの「準・公務員」たちも景気の動向とは無縁だ。

 しかし圧倒的多数の一般国民は景気の動向により年収が増減する。非正規・派遣労働者に到ってはデフレ下の影響をモロに被っている。安倍氏がテレビに強圧的に出演して持論を展開しようとするが、デフレ下経済から脱却していないのは数字に表れている。「政治は結果だ」と民主党政治を批判していた安倍氏に民進党国会議員はそっくり「お言葉」を返すべきだ。
 政治は国民のためにある。もちろん金融政策を司る日銀も日本国民のためにある。日本国民の存在しない日本はナンセンスだし、国民経済無視の日銀政策もナンセンスだ。
 そうした根源的な問いかけをしなければならないほど、現在の「専門家」たちが特定の人たちだけに奉仕する利害関係者に堕している。官邸に巣食う連中はもとより、日銀の金融政策を実施している連中も当初の公約を果たせなくてもズルズルと居座り、あまつさえ異次元金融緩和策を無に帰した無能・無策な安倍自公政治を擁護するとは言語道断だ。

 国民は本気で怒った方が良い。国家が「借金まみれだ」というのは財務官僚とマスメディアがデッチ上げた大嘘だ。国家は世界に冠たる債権国家、つまり金持ち国家だ。「借金まみれ」なのは政府だ。そして政府に金を貸しているのは国民だ。
 そうした簡明なことを「借金まみれ」だから返済するために国民は負担すべきだ、借金を未来に残してはならない、などと荒唐無稽なことを政府や政治家やマスメディアたちは言っている。それに国民は洗脳されている。
 しかし洗脳から醒めて、国民は本気で怒らなければならない。その怒りを選挙の投票で表現するのが民主主義だ。「国民の生活が第一」の政治こそが今こそ必要な時はない。
 消費増税など飛んでもない、必要なのは消費減税だ。すべてに等しく一律税率を課す日本の消費税がいかに重税か、私たちは世界の国々が実施している消費税の詳細を知るべきだ。それはネットを少しだけググれば分かることだ。