菅官房長官記者会見での東京新聞の望月衣塑子記者の活躍ぶりに、内閣官房が東京新聞にクレームを出すという「お笑い」まで付きましたが、その果敢な姿勢は記者間に着実に伝わって、最近は、菅氏のいい加減な回答に記者たちが簡単には引き下がらなくなったということです。(^○^)
それで困った官邸が記者クラブに「公務がある時は会見を短くしてほしい」と要請したということで、記者クラブは一応「時間制限には応じられない」と型どおりに突っぱねたものの、実際には、その後 ある程度時間が経過すると幹事社が記者の質問を遮るようになったということです。
これは記者クラブの幹事社を口説き落とせば官邸側の要求が通るということで、ここでも記者クラブ制度の欠陥が露呈されました。長らく言われていることなのに、一向にこの「世界的に異様な制度」の廃止に向かおうとしない日本のメディアのダメさ加減です。
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“公務”理由に質問打ち切り 菅長官&麻生財務相の会見逃れ
日刊ゲンダイ 2017年9月13日
官房長官会見での加計問題をめぐる東京新聞の女性記者の質問に不適切な点があったとして、東京新聞に異例の抗議文を送ったばかりの官邸。今度は記者クラブに“頼んで”質問をバッサリ打ち切り始めた。
12日午前の会見からこれまでと様子が変わったという。14分ぐらい経った頃、官邸の広報官が「今、手を挙げている方、1問でお願いします」と発言。挙手していた東京新聞記者の質問に、菅長官が「仮定の問題なので控えます」と素っ気なく答えた直後、別の記者がさらに質問をしようとすると、幹事社が「よろしいでしょうか」と遮る。するとほぼ同時に広報官が「ハイ。ありがとうございました」と言って会見を打ち切ったのだった。
官邸は先月、記者クラブに「公務がある時は会見を短くしてほしい」と要請。クラブ側が「事情は理解するが、会見の主催はクラブなので時間制限は受け入れられない」と一応は突っぱねたという。しかし、12日のやりとりを見る限り、事実上、時間制限を受け入れたも同然。官邸とクラブの「あうん」の呼吸の下、菅長官は公務を理由に、一部記者のしつこい質問から逃れる算段のようだ。
「東京新聞記者に触発されて、最近は他の記者も簡単に引き下がらなくなり、菅長官は困っていた。今月末の臨時国会を前に手を打ったのでしょう」(官邸関係者)
■政治家に“忖度”する記者クラブ
麻生財務相の会見逃れもヒドイ。森友疑惑の中心である財務省のトップでありながら、記者が麻生大臣に徹底追及する場面は見ない。記者の遠慮もあるだろうが、麻生大臣はちゃんと会見せず、ぶら下がり取材でお茶を濁しているのだ。
8月以降、閣議後の財務相会見9回のうち、ナント7回はぶら下がり。麻生大臣は2問ほどの質問にサクッと答えると、はやてのように去っていく。これでは、やりとりにならない。ぶら下がりが多い理由を財務省に聞くと、「大臣の日程等を踏まえて決めています」(広報室)と、麻生大臣の“多忙ぶり”を強調する。
安倍首相の言う“丁寧な説明”からほど遠い対応の菅長官と麻生大臣。忖度する記者クラブも同罪か。