2019年6月11日火曜日

安倍首相の「イラン訪問」と「対朝鮮無条件の首脳会談提起」の隠れた真実

 安倍首相のイラン訪問に、米国・イラン間の関係改善を期待する向きは皆無でしょう。日本とイランの関係は悪くないとは言ってもそれに安倍首相は一切関与していません。イランにしてみれば、米国と殊の外親しくイスラエルとも親しい安倍首相が一体何をしに来るのかという思いだけでしょう。
 そもそも米・イ両国の対立は米国が一方的に仕掛けたものですから、仲介も何も、トランプ氏がイランに対する制裁を止めればそれで済むことです。トランプ氏がわざわざ安倍首相に何かを頼むという筋合いのものではありません。
 それを敢えて「仲介」と称して安倍首相が行くのは、「それでも効果がなかったのはイランが悪いからだ」ということで、米国更なる対イラン強硬政策を行う格好の口実にするため、というのが天木直人氏の見解です。
 そしてそれがトランプ氏の意向であるにしても、安倍首相がイランを相手にそんな芸当をするのは極めて危険なことだとしています。
 
 天木氏はまた、元農水大臣秘書官をしていた池田和隆氏が、官邸筋から聞いた話として、「安部首相は外務省の北米担当ルートを通じて『拉致問題を棚上げするというスタンスをアメリカが歓迎している』ということを知り、拉致問題を棚上げするために『前提条件なしの日朝首脳会談』を突如表明した」との情報を紹介しました。
 その結果安倍首相の思い通りに、朝鮮側に「安倍晋三は図々しい」と名指しで批判させ、拉致問題を棚上げすることに成功したということです。
 安倍首相は米国に迎合するためなら、拉致問題を棚上げすることには何の躊躇もないことでしょう。
 
 天木直人氏の二つのブログを紹介します。
お知らせ
都合により12日の記事の更新は午後からになります。ご了承ください。
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安倍首相のイラン訪問はパフォーマンスにしてはあまりに危険だ
天木直人のブログ 2019-06-10
 安倍首相がイランを訪問すると突然発表した時は、私はまたパフォーマン外交かと思った。
 それにしても、G20の大阪開催という安倍外交の見せ場を直前に控えて、イラン仲介外交というパフォーマンスをしている余裕がよくも安倍首相にあるものだと思った。
 よほど国会に出たくないに違いないと思った。
 
 ところが6月5日の日経新聞を見て、それがトランプ大統領から頼まれたものだった事を知って合点が行った。
 トランプ大都領から仲介してくれと頼まれれば断れない。
 どうせ行くなら、米・イランの危機が回避されるように頑張ってきてもらいたい。
 日本にその影響力はなく、トランプ大統領の使い走りに終わるだろうが、せいぜい頑張って来てもらいたい、そう私は6月5日のメルマガ第417号でほめ殺した。
 
 ところが、それは甘かった。安倍首相はトランプ大統領の対イラン強硬政策の片棒を担ぐために行くのだ。
 安倍首相はイラン訪問を前にしてトランプ大統領と電話会談したと報じられた。
 それだけにとどまらない。
 イスラエルのネタニヤフ首相と電話会談しイスラエルとの協力強化を約束している。
 おまけにサウジアラビアとアラブ首長国連邦の元首と電話会談している。
 イラン包囲網の国のオンパレードだ。しかもトランプ大統領は安倍首相のイラン訪問を前にして、イランの生命線ともいえる石油基幹産業を軒並みに制裁対象にした。
 これを要するに、安倍首相のイラン訪問は、米国の更なる対イラン強硬政策の格好の口実になるのだ。
 すなわち、平和国家でイランとの関係が深い日本の首相が仲介に赴いてもイランは聞く耳を持たなかったと。もはやイランは叩き潰すしかないと。
 
 こんな米国の片棒を担ぐ様な外交をしていると、今後こそ日本はテロの攻撃に巻き込まれる事になる。
 安倍首相は、中東外交だけはパフォーマンス外交が通じない事を知るべきだ。
 中東外交に失敗すれば命がいくつあっても足りないと心得るべきである(了)
 
 
米国の意向を忖度して拉致問題を棚上げしようとした安倍首相
天木直人のブログ2019-06-10
 今日発売の週刊プレーボーイに貴重な情報を見つけたので紹介したい。
 それは安倍首相が「前提条件なしで金正恩委員長と会う」と突然言い出した、その背景に何があったのかということだ。
 元農水大臣秘書官をしていた池田和隆氏が、「私(池田氏)が官邸筋から聞いた範囲では」として、次のように書いている。
 「安部首相は外務省の北米担当ルートを通じて『拉致問題を棚上げするというスタンスをアメリカが歓迎している』という情報を得たようです。たったそれだけの理由で、(国民の生命と財産を守るという)国家の重大な責務の棚上げを表明してしまったというのが事実の様です・・・」
 これが事実としたら、何の成算もなく、「前提条件なしで首脳会談をする」と言ったに過ぎなかったのだ。
 
 池田氏もこう書いている。
 本来ならば水面下で北朝鮮側と接触を重ね、会談が実現させられる確かな感触をつかんで、米国に話をしてから表明するものだと。
 その通りである。しかし、何の根拠もないのに、米国の意向を忖度して棚上げしようとしたのだ。
 
 さらに池田氏は続ける。堂々と「今回は政治判断として拉致問題をいったん棚上げする」と方針を変えた事を明言するのがあるべき姿だと。
 しかし、現実は、これまでの方針と何も変わらないと二枚舌を使っている。支離滅裂だ。
 これでは北朝鮮に相手にされないはずだ。
 考えられないほど軽々しい、「前提条件なしの日朝首脳会談」表明だったと言う事である(了)